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東北紀行11日目

能登半島

禄剛崎(狼煙)

朝、とっても不機嫌で宿を出た。
理由は10日目に書いた通り。
大人げないとは思うが、挨拶もしなかった。
見送りもなかったけど。
お陰で途中までGPSのログをオンにするの忘れてました。

今日は、短く300㎞弱
もう旅も終わりです。最後の宿に向かって走ります。
最後の宿は、豪華温泉旅館を予約したので、早めの到着を目指す。

本日のコース

取り敢えず、先っちょ症候群の症状には抗わず、能登半島の先端を目指す。
禁断症状が出て、手が震えても困るので。

走る道はその名も「奥能登絶景海道」
日本各地を走っているが、自ら絶景と名の付く道は他にないのでは?
と、言う割には木が茂って、海は余り見えません。
これから絶景に行くぞ!の意味なのかも。(フラグ)

そして、見える富山湾の中の方に、日本の重心があるそうな。
意外と北の方にあるのは、やっぱり北海道が重いのかな。

アッと言う間に道の駅「狼煙」に到着。
9時の時点で既に先端症候群ライダーが、他に2名。
挨拶はほどほどにバイクを置いて、先っぽ見に行きます。
どうも、全員シャイなようなので、距離は余り詰めません笑

ここは、駐車場から結構な斜度の道をまあまあな距離歩かされるので、
夏場は水の携帯が必須。
お年寄りにはきついと思う。

北の先端になるので、日の出と日没が同じ場所で見れるのだそう。
やっと上がり切ったと思ったら、大きな広場を歩いてやっと到着。

灯台は細部に亘り美しい作りこみ。
手摺の金具一つにも手抜きがない。



分かりやすい看板
意外と東京が近い
海は綺麗
美しいレンズ 細部も美しい
灯台の作りも美しい てっぺんの方角は漢字表記!
雪国らしく瓦が茶色
灯台横の広場

登って降りて、水飲んでたら早くも1時間弱が経過。

どうでも良い知識ですが、瓦が茶色なのは摩擦を減らして雪が落ちやすくする為だそう。
新幹線で西に向かうと、急に東広島辺りで瓦が茶色一色になります。
これをバーでなんでやろ?って話してたら、女性バーテンダーさんの
返しが最高でした。
「そこの瓦屋にスーパー営業マンが居たんちゃう?笑」
最高!!


奥能登珠洲市

半島の西側に出て、南下するルート。
東側より海に近く、やっと絶景コースの意味が分かる
確かに美しい景色と共に走る道。

この辺りには、道沿いに塩田があり名物の一つらしい。
昔ながらの砂に海水を撒いて作る。
道の駅「すず塩田村」で休憩とお土産の塩を買う。

今、ちょうど隣の国では塩騒動になっている。
この周辺では若い人が塩田を継いで、作っているらしい。
本当に美味しいので、文化としても残って欲しい。

今日は時間があるので、ちょっと海を散策。

文句なしの光景
日本海らしい岩
凪の海
パーフェクト
何か釣れるのか?
透明度
もう戻れない道

白米千枚田

石川県と言えば、ここ。と言えるくらい有名な光景。
来るのは2度目だが、ゆっくり眺める。
前より駐車場も増えて、お店もあるし快適な観光地になっていた。

見事な光景
海~
高い所から見る海が好き

それにしても、こんな所を何とかして米作ろうとした先人たちは凄い。
今まで、東北や新潟を見ていると、とんでもなく広大な土地に
広い田圃だったが、石川は山がちなので苦労されてる。
古代から日本人は、何とかして米を作り続ける知恵を育んできたと
旅を通して感じられた。


輪島ー金沢

輪島の朝市の時間はとうに過ぎてるので、頭にもなかった。
国道249号を南下して、輪島の手前に気になる看板が。
「ホテルニューヨーク」
そう、年代物のラブホだ。
通りすがりにチラっと見ただけだが、一棟毎に平屋で分かれてた。

青森にもあったが、地元の人は使いづらいだろうし、
どこの家が経営してるかも、当然皆知ってる事だし、
そもそも建てるってなった時の集落の人たちの反応は
想像するだけで恐ろしいのだが。

海岸線沿いの県道を走っていると、自動的に山間に入り輪島に向かう。
道の無い向こう側には「皆月海岸」がある。
花村萬月さんの小説、「皆月」で出て来る地名だ。
何となく、印象深い地名なので見つけてちょっと嬉しくなる。

途中の「トトロ岩」を見ても、「う、うーん…」としか思えず
想像力が足りず理解出来なかった。

また国道から海沿いの県道49号の狭い道に入り、
途中「ヤセの断崖」のパーキングで持っている水を飲む。
ここは、有名な松本清張作「ゼロの焦点」のロケ地らしい。

うーん…
まあそんな感じ
サギ草かな?

クライマックスのシーンで崖の上を使ったのが、
1961年のこの映画が初めてらしい。
ここからドラマでもよく見る、犯人が追い詰められたり
自殺したりは日本海の断崖絶壁、と言うイメージが付いたらしい。
ここが発祥の地と言うわけだ。
東尋坊は後なのですよ。

なお、私は何の知識も無く止まったらそうだった、
と言うだけだが、ここを探して走っても通り抜けてしまいそうな位、
ひっそりとした所。


まだまだ南下。
途中、世界一長いベンチと案内がある。
おっさん一人ではしゃいで写真撮る所でもなさそうなので、スルー。
途中、暑くてたまらんので木陰で休憩。

軽バン良い所停めてるな
通る車がみんな見て行く

千里浜ー旅館

千里浜はバイク乗りに取って聖地のひとつだ。
毎年行われるSSTRと言うイベントがあって、太平洋で日の出と同時にスタートして、この千里浜でゴールすると言うイベント。
大人数恐怖症な私は参加したことがない。

私は、とってもシャイなおじさんなのです。

千里浜なぎさドライブウェイは、日本で唯一自動車で砂浜を走れる道。
真ん中は硬く締まった砂で、快適に走れる。
時々、停めた場所が悪くスタックしてる車もいるが。
今回は横から眺めるだけで、通過。海はいつも通り綺麗。

金沢市内を通り、暑さと久しぶりに眩しい都会に疲れ、
少し遠回りを。
白山市から国道157号に入り、南下と山方面へ。
途中から県道44号に入り、1車線の山道で宿に向かう。
裏口から入る感じになる。

途中、阿手町にある八幡神社に休憩がてら寄ってみる。
集落にも人気がなく、もしかしたら放棄されたのかもしれない。
路も神社も手入れされてる感じがない。
きっと神様も寂しかろう。
神様は信仰心で強くなると聞いた事がある。だとしたら、ここの神様は
もう瀕死なのだろうか。
それとも植物と動物に囲まれて、ゆっくりを楽しんでいるのだろうか?

きっとこの参道にも、往時はお祭りで出店が出たりと賑やかな時代があったに違いない。

中央に力強い植物
変わらず守りは固い
良い仕事されてる
落ち着く色
美しくRの付いた参道 良い職人仕事
笑顔で迎えてくれた
こっちも口元にっこり
いつも変わらず待っている
お前も休憩欲しいよね
離れると表情がまた厳しくなった様に見える
きっと、狛犬には大事な神様なのだろう
離村は最近だろうか
こちらも厳しい表情に
またいつか

訪れる者に優しい神社だった。
きっと長らく地元の人に愛されてきたのだろう。

いつか森に還ってしまうかもしれないが、その日まで狛犬たちは
その神様を守るんだろうな。
狛犬たちにとっても、優しい守りがいのある神様なのだろう。

こんなに歓迎されてる感じのした神社は初めてだった。


高度を一気に上げ、涼んだ所で今日の宿、粟津温泉に近づく。
今日は奮発した旅館。

汚いライダーにも関わらず手厚いお出迎え。
到着と同時にロビーで抹茶のウエルカムドリンク。
ああ…今までの宿もいい所がほとんどだったけど、一味違う。
サービスは金額に比例する。

部屋までクソ重いバッグを大学生のアルバイトっぽい子が
運んでくれる。
廊下もエアコン効いてるし、部屋に入ったらもう涼しい。

広い!涼しい!
ここを1名で

粟津温泉 法師と言うお宿で、1300年の歴史があるそうだ。
風呂も、料理も最高。のどぐろも食べた。
布団も今までとは比べ物にならない位のフカフカ。
何の文句も見つからない。

最終日らしく贅沢かまして、優雅に過ごしました。
でも、旅は終わり。

夜は旅路を思い出しながら。
明日、家に帰ります。

12日目(最終日)に続く


自己肯定が爆上がりします! いつの日か独立できたらいいな…