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【さいたま市】経験者採用(中途採用)対策 倍率から面接まで丁寧に解説!

さいたま市経験者採用の対策方法を解説します。

さいたま市は人気自治体のひとつで、社会人の採用を積極的に行っています。

十分な対策をしないまま受験する人も多いので、試験内容をしっかりと把握し、徹底的に対策をすれば合格も夢ではありません。

ぜひ参考にして、合格を勝ち取ってください!

ちなみに、「さいたま市には魅力を感じてるけど、公務員への転職を迷っている…」という方には下記の記事もオススメです。


受験資格

中途採用者に様々な条件を課す自治体もありますが、さいたま市経験者採用の受験資格はそれほど複雑ではありません。

主な条件は次の2つです。

・試験実施年の4月1日現在で満27歳以上満59歳未満の人
・民間企業等における職務経験が直近10年中5年以上ある人

ここでいう「職務経験」とは、会社員、自営業者、公務員等として1年以上継続して就業していたことをいいます。
それらを合算して5年以上あればOKです。この条件を満たしていれば、学歴も不問です

職務経験として公務員の経験も認められているので、現在他の自治体で働いていて転職を考えている方も受験可能です。

ただし、短時間労働者(パート労働者)としての期間や、休職(育児休業、介護休業等を含む。)等で会社を休んでいた期間、また、さいたま市職員として勤務していた期間は、職務経験としてカウントできませんので注意しましょう。

中には現職が公務員で、

「公務員からの転職だと不利になるのかな…」

と気になっている人もいるかもしれません。

そんな方に向けて、下記の記事では公務員から公務員への転職について詳しく解説しています。
公公転職を考えている人は是非読んでみてください!

給与水準

さいたま市経験者採用の初任給は、学歴や職務経験の年数によって定められており、次のように目安が示されています。

・大卒 職務経験6年:246,905円程度
・大卒 職務経験13年:300,495円程度

上記のほか、支給要件に該当すれば諸手当(通勤、扶養、住居、期末・勤勉、特殊勤務手当等)が支給されます。

試験日程

さいたま市経験者採用は8月に申込受付が始まり、最終合格発表は11月下旬です。

6月に受付が始まる自治体が多い中、さいたま市は比較的短い期間で行われると言えます。

ここでは大まかな採用スケジュールを確認しましょう。

申込受付期間:7/31~8/21
1次試験(筆記):9/24
1次試験合格発表:10/3
2次試験(適性検査・集団面接):10/14
2次試験(個別面接):11/4~5
最終合格発表:11月上旬

ちなみに、さいたま市と試験日程が被らない「オススメの併願先」について下記の記事で解説しています。

倍率・難易度

さいたま市経験者採用の倍率は非常に高い水準が続いています。

令和5年度:43.6
令和4年度:42.7
令和3年度:27.2
令和2年度:40.2

試験実施状況より引用)

倍率が40倍を超えるのもザラであり、不安になる人も多いでしょう。
さいたま市は人気自治体であるうえ受験資格の制限が厳しくないため、このような数字が出るのも自然なことです。

しかし、経験者採用は働きながらの受験勉強となるため、受験申込はしたものの十分な対策ができずに本番を迎える受験者も少なくありません

さいたま市の場合は、1次試験でかなりの数がふるい落とされています。

強い意志を持ってしっかり対策をすれば、勝機は十分にあります。
あきらめることなくがんばりましょう!

1次試験の内容と対策方法

1次試験の内容を見てみましょう。

・教養試験…択一式40問 120分
・職務経験論文試験…1,000字程度 60分
※論文の採点は第2次試験で行われる

職務経験論文試験は第1次試験の日程の中で行われますが、1次試験の合否は教養試験の成績のみで判定され、論文の成績は2次試験の合否判定に用いられます

わかりづらいところですが、受験者としては1次試験が行われる9月までに論文対策を万全にしておかなくてはなりません。

1次試験の教養試験の成績は2次試験以降には全く影響しませんので、勉強が教養対策ばかりに偏らないよう注意が必要です。

9月の本番までに論文対策まで徹底するとともに、2次試験の面接(集団面接100点・個別面接300点)にも、早い段階から十分に備えておきましょう。

教養試験

さいたま市経験者採用の教養試験の内容は、オーソドックスで難易度もそれほど高くありません。

対策は「地方初級(高卒程度)」の過去問題集を徹底的に解くことがベストです。
一般的に、公務員試験は過去問やほかの試験区分の問題を参考に作成されることが多いので、過去問対策が非常に有効です。

なお、教養試験対策の進め方とオススメ参考書を下記の記事で紹介しています。

職務経験論文

論文では、提示された課題について自分のこれまでの職務経験を振り返ってまとめ、それをさいたま市職員としてどのように生かすことができるかを述べます。

まずは過去問を見てみましょう。

【2022年】
さいたま市が持続可能な成長・発展を続けていくためには、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念のもとに、直面する課題に迅速かつ的確に対応していく必要があります。本市が直面する課題は何か述べた上で、誰一人取り残さない地域社会の実現のため、あなたの職務経験や知識・能力を生かして、どのような取組ができるか述べなさい。
【2021年】
多様化する市民ニーズに対応するために市民サービスや行政の生産性の向上を図っていく必要がある。あなたのこれまでの職務経験で、生産性を向上させた事例を挙げ、その経験から得たことをさいたま市職員としてどのように生かすことができるか、あなたの考えを述べなさい。
【2020年】
さいたま市では「自ら主体的に学ぶ姿勢」、「職員相互に育て合うこと」、「さいたま市への想い」を人材育成の基本としています。後輩職員等の人材育成を考えたとき、仕事を進めていく上で重要なことは何か、あなたの経験を交えて述べなさい。
【2019年】
働き方改革により、さいたま市も、新たなICT技術を利活用するなど業務の効率化を図り、職員が働きやすい職場環境づくりを進めていますが、さらに働き方改革を推進していくための有効な取り組みについて、あなたの民間企業等での経験を踏まえて述べなさい。
【2018年】
さいたま市では、市民サービスの向上やコスト削減等を図るため、公民連携の推進を図っているところですが、あなたの民間企業での経験から、今後どのような公民連携が考えられるか述べなさい。
【2017年】
これまでの職務経験を通して得た能力や知識について具体的に述べるとともに、その能力や知識等を、さいたま市職員としてどのように活かしていきたいかを述べなさい。
【2016年】
さいたま市長は、日頃から職員に対し「さいたま市役所は市民一人ひとりの幸せコーディネーターである」と伝えていますが、あなたがこのことを本市で実践するとしたら、どのような取組みができるか、あなたの民間企業等で得た勤務経験をもとに具体的に述べなさい。
【2015年】
あなたが民間企業等での勤務において、時流に先んじて取り組んだと考える事例について(支障のない範囲で)述べ、これから得られた経験をさいたま市政にどのように生かしていきたいと考えているか、述べなさい。
【2014年】
さいたま市長は、行財政改革の目指す方向性として、「高品質経営」市役所への転換を掲げているが、あなたが考える「高品質経営」とは何か。あなたの民間企業等での勤務経験を踏まえて述べなさい。
【2013年】
あなたのこれまでの職務経験から学んだ「仕事における危機管理対策』」について述べ、その経験をさいたま市職員としてどのように活かすことができるか述べなさい。
【2012年】
これまでの職務を通じて培った能力や経験をさいたま市職員として、どの分野の仕事で、どのように発揮していきたいか述べなさい。
【2011年】
職務経験の中で意欲的に取り組んだこととその成果、それによって身に付けた能力等について具体的に述べるとともに、それを活かして市政のどのような課題に取り組みたいか述べなさい。
【2010年】
厳しい社会経済情勢の下における企業経営と地方公共団体(さいたま市)の経営の違いと、これからのさいたま市はどうあるべきかを、これまでの民間企業等の勤務経験から具体的事例を挙げて述べよ。
【2009年】
これまでの民間企業等における職務での失敗事例をあげ、それにどう対応したか具体的に述べなさい。また、それらの職務経験から学んだことを、さいたま市職員としてどう生かせると考えるか述べなさい。
【2008年】
これまでの職務経験を通して身につけた能力や知識等について、具体的な事例を挙げて述べなさい。また、その能力や知識等をさいたま市職員として、どのように発揮したいか述べなさい。

こうして見ると、パターンは毎年同じだということがわかります。
いかに職務によりよく取り組むかについて、これまでの知見・経験が問われています

1,000字というと長く感じる人もいるかもしれませんが、経験を長々と書いてしまうとまとまりのない論文になってしまうので注意しましょう。

論文試験は、教養試験と比べて対策がしづらいと感じる方も多いようですが、公務員試験の論文は「型」を覚えて書く練習をすることで非常に書きやすくなります。

下記の記事では職務経験論文の書き方と例文を紹介しています。

2次試験の内容と対策方法

2次試験では、集団面接(配点100点)と個別面接(配点300点)、そして適性検査が行われます。
面接の成績と、1次試験で書いた職務経験論文の成績を総合して2次試験の合否が判定されることになります。

集団面接・個別面接

さいたま市経験者採用では面接の配点が高めであるため、面接が苦手な人は不安を抱くことと思います。

しかし、面接内容自体はオーソドックスなものと考えられますので、一般的な公務員試験の面接対策を押さえておけば、過度に心配する必要はないでしょう。

適性検査

適性検査は面接の際の参考にされる程度です。
ひととおり練習して慣れておけば問題ありません。

面接のコツ

面接試験対策では、忘れてはいけないコツがあります。
「さいたま市が求める職員像」を把握し、自分がそれにマッチしていることをアピールすることです。

大学の推薦入試でも「求める学生像(アドミッションポリシー)」に合致しているかどうかが重要視され、受験生はしっかり対策をしていますが、公務員の社会人採用試験受験者は、意外とこの点を見落としがちです。

逆に言えば、「求める職員像」をしっかり把握して対策をすることで、ライバルに大きな差をつけることができる、ということです。

さいたま市が求める職員像については、次のように示されています。

職員のあるべき姿
貢献
【地域と組織の発展と住民福祉の向上を考えながら、自らの役割・責任を果たす職員】
▷「全体の奉仕者」である私たち公務員にとって、最も基本的なものであり、地域と組織への愛着と感謝をベースとして、自らの役割・責任を果たし、地域や組織に良い結果をもたらす姿です。成長し続けていこうとする意欲を活性化するためにも必要となるキーワードです。
自立
【組織の使命・目的を理解したうえで、それに基づき自らを律し、自らの意思で仕事や自己成長に主体的に取り組む職員】
▷さいたま市職員としての自覚と規律に基づき、組織の使命・目的を「我が事」として捉え、主体的に仕事や自己成長に取り組む姿です。「誰かに育成してもらう」という受動的な態度ではなく、能動的に成長していこうとする意志を有している状態です。また、適正かつ効率的に業務を遂行する姿も含んでいます。
協働
【多様な個性を受け入れ、市民や仲間とともに成長する姿勢を持つ職員 】
▷チーム内の多様な個性を尊重しつつ、チームワークを重視しながら仕事に取り組む姿です。私たちが仕事で関わる市民や仲間は、さまざまな背景や個性を持った人々です。こうした「多様な仲間」とともに成長することを含意する「協働」は、組織の環境を良くしていくために、欠かすことのできないキーワードです。なお、職場や組織の中の協働だけではなく、市民や企業、関係団体との連携も含んでいます。
挑戦
【仕事を通じた地域の発展に対して熱意を抱き、チャレンジ精神を持って、あきらめずに仕事に取り組む職員】
▷決して現状に満足せず、社会環境の変化に対応しながら、熱意を持って課題や困難の解決にあきらめずに取り組む姿です。また、経験したことのない仕事にもひるまずにチャレンジし、新しいさいたま市の歴史を創っていこうという気概を持った職員の姿です。モチベーションの向上や、改善意識の醸成にも必要となるキーワードです。
さいたま市 職員・組織成長ビジョンより引用

これを暗唱できるようになるまでしっかり頭に入れましょう。

ただし、「求める職員像」をただ丸暗記しているだけではあまり意味がありません。

自分がこの職員像に合致していることを、「過去の具体的な職務経験エピソード」を用いてアピールする必要があります。
その点をしっかり考え、準備しておきましょう。

それに加えて、一般的な公務員試験の面接対策を押さえておけば安心です。

下記の記事では面接で実際に聞かれた質問を紹介しています。

終わりに

さいたま市経験者採用の対策方法について解説しました。

さいたま市は魅力的な自治体として人気を集めています。合格すれば社会的にも経済的にも安定した生活が送れることでしょう。何としても合格したいですね!

社会人の採用に意欲的な自治体ですので、倍率の高さに負けることなく、やるべき対策にしっかり取り組んで競争を勝ち抜きましょう。

この記事をチェックしたあなたは、すでにライバルを一歩リードしています。

やるべき対策をしっかりとやり込んで臨み、ぜひとも合格を勝ち取ってください。

健闘をお祈りしています!

ちなみに、さいたま市と並ぶ「超オススメの転職先」である特別区(東京23区)の経験者採用について下記の記事で解説しているので、今年度の転職を考えている方は是非お読みください。

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