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青。

これは、私の考えたショートストーリーです。

君の笑った顔。
君の拗ねた顔。
君の優しい声。
君の綺麗で細い指。
君の真っ直ぐな瞳。
君の寂しげな横顔。
君の……。



あの夏の終わりの頃、
秋の始まりのような冷たい風が吹いたあの日。

バカみたいにつまらない先生の授業を受け、
友達とたわいも無いことで笑って、
1日が終わる。

放課後になれば
みんなよりも遠いとこにある家がある君と私は
大体いつも一緒に帰る。

今日もいつもの海沿いの道を2人で歩いた。

君の好きな青い海を見ながら
友達の話や学校の話しをしながら2人で歩く。


君は青が好きといつも言っていた。

服や小物も青系が多いので
誰が見ても言わなくても
そう思うかもしれない。


でも男の子って青ってゆーイメージ元々
あるから、それだけかな?
なんて私は思っていたから
そこまで気にしていなかったけれど
不意に気になって聞いてみた。


「ねえ??なんで君は青が好きなの?」


「んー。自然な感じがするから?
空も海も青じゃん。まあ水色かもしれないけれどさ。寒色ってさ、心が綺麗になる気がするんだ。心が落ち着く。ウキウキもする。けれど、どこか寂しい感じもして、惹かれる。」

君の横顔はどこか少し寂しそうだった。

君の瞳は、少し上を見上げ、
夏の終わりのような雲と青が
綺麗な空を見ていた。


その君の空みたいな綺麗な瞳。
どこか寂しい瞳。


「青、、好き?」

君は突然だったけれど
優しい声で私にそう問いかけた。

「うん。大好き。
水色が特に好きかな。
青系の色って優しいから好きだよ。」

私は微笑みながら、迷いもなく答えた。
君の好きな色だから私も好きっていうのもあるけれど私もずっと昔から好きだった。

そうすると、
君はとても嬉しそうに微笑み返してくれた。


帰りに、たまに寄り道する駄菓子屋へ寄って、
青い瓶のラムネを2人で買って飲んだ。

そのラムネの瓶の青でさえ
君はよく似合っていた。


君の寂しげな瞳やオーラは
一体なんなのかな?

君にはずっと聞けない。

聞けないから高校三年生になった今も
まだ君との心の距離がある。

聞くことが出来たら、、、

けれど聞いてしまったら
余計離れていくかもしれない。

そんな弱気な私だ。

きっと儚げな君は
悩みを上手く吐き出せなかったり
心が繊細なのかなと私は思った。


君の好きな青も色んな青に変わっていく。
朝焼けの赤が混ざった青。
夕焼けのオレンジが混ざった青。
昼間の空の薄い青。
海の濃い青。


「きっと君も色んな青に染まっていけるよ。」

「なにそれ。変なの。」
と、君は顔をくしゃっとさせて笑った。

君の飲んでるラムネのビー玉が
コロンっと鳴った。

君の好きな青は綺麗だよ。
だからその青を好きな君も綺麗。

心の中も。
その繊細な心も。
その横顔も。
その瞳も。

あの夏はもうどこかへ行ってしまった。
雪が降る寒い季節となった。

青春が終わる。
桜が咲いたら君とは離れ離れ。

大好きだった君とはさようならを
しなきゃいけない、、よね。


そう思っていた。

なのに、君は、君は、、、

私の前から居なくなってしまった。

ひとときの出来事の話。













2回目のショートショートでした。
最後は読者様にどうなったのか
ご想像出来るように
この形にしています。


私も実際に青や水色が好きなので
考えやすかったです!

読んでくださりありがとうございました。





















 









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