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ふたりのこと。

これは、私の考えたショートストーリーです。

まだ紅葉し始めたばかりだというのに
秋の匂いが薄まって冬の匂いが
強くなっていくこの頃。

私はこの季節が1番好きだ。
夕日に照らされた人や木、
マンションやビルの影が綺麗で
ちょっぴり冷たい風が気持ちくて匂いまで
全部好きだからだと思う。

景色が本当に美しいんだ。

最寄りから家までの15分
そんなことを思いながら彼の待つ家へ向かう。

「ただいま〜!」

私はいつも家に帰るとそこそこ大きな声で。
なんだか元気が出る
気がするから。

「おかえり〜。お疲れ様。
今日は僕の方が帰るの早かったから
オムライス作ったよ!!」

彼は自信満々に言った。

「え!!!オムライス大好き!ありがとう!
大変だったよね!?
嬉しい!!!いただきます。」

彼はオムライスが1番の得意料理。
デミグラスソースまで作れちゃうの。
お店とかで食べるよりほんとに美味しいんだ。

そしていつも、
ふたりで寝るには
ちょっぴり狭いセミダブルのベッドで
静かな夜に
彼の腕の中に包まれて眠りにつく。

1日の中で1番幸せな時間。

1人静かな夜を過ごすことも好きだけれど、
ふたりだと安心するね。



そんな彼との出会いは
5年前に最寄りの駅。

「これ、落としましたよ?」

と、走って追いかけてくれて
声をかけてくれたのが彼だった。
綺麗な瞳で綺麗な顔立ちだったことを
鮮明に覚えている。
今でも思っているけれど、
最初の印象もそうだった。

私が落としたカギを拾ってくれた。
たったそれだけかもしれないけれど
その出会いが私達の始まりだった。

たまたま。
たまたま出会ったそんな私達。


でも、、、、、一目惚れだった。
何か運命を感じてしまった。


「あの、、、連絡先、、、、、
拾ってくれたお礼がしたいので!
交換してくれませんか?」

私は咄嗟に口に出してしまっていた。

「え、、あっ、、、
そんな大したことないですけど連絡先、、、
いいですよ。交換しましょう。」

彼は驚いていたけれど、
いやもちろん驚くよね。
でも静かに優しく答えてくれた。
その時の彼の瞳の美しさは
人一倍キラキラとしていて
綺麗でまっすぐだった。

「ありがとうございます。じゃ、また。」


「はい、、、また。」

年齢も知らない。何も知らなかった。
なのにこの時から彼に惹かれてしまっていた。


一目惚れって顔だけでしょ。
なんて言われるけれど、
まあもちろん彼の顔はとてもいい。けどね、
なにかどこかが私と似ている雰囲気がした。
それは当たっていた。確かだった。


2つ年下だったけれど、
趣味まで似ていた私達。
服やカメラ、映画、食べ物、までも。
年下は好きになったこと無かったけれど
趣味が同じで息がぴったりで
すぐに仲良くなれた。

彼は普段人前や
友達によくツンっとしているけれど
私の前ではツンツン出来ないみたいで甘々。
私も彼に甘々だけれど、彼も甘々。

彼を見ていると
時々儚くて消えてしまうんじゃないかと
思ってしまう。

うるうるとした水分の多い瞳。
自然な二重。
愛おしい唇。
顔が小さくて綺麗な横顔。
白い肌。


それと表情。
色んな表情を見せる彼はとても素敵だ。

透明感が高くて
消えてしまいそうなくらい綺麗で、
心も綺麗できっと心も透明感がすごいから、
儚いんだと思う。

だから、本当に消えてなくならないで
欲しいなって思うばかり。



私が悲しくてたまらなくて
泣きそうになっているのに気付いて、
「どしたの〜。おいで〜?」と
手を広げて抱きしめて頭を撫でてくれる。

優しい彼に何度救われたことか数えきれない。


お互いの休みが一緒のときは
お昼すぎに起きて、ダラダラしながら
部屋を暗くして
窓を少し開けてカーテンからオレンジの光が
差し込んできて冷たくて気持ちのいい風と共に
一緒に映画を見る。

彼の脚の間に入って、
後ろから抱きしめられながら見るのが
いつもの私達のスタイル。

特別ことはしていない日々だけれど
当たり前のことのようにしているけれど
これは当たり前じゃないし大切にしたい。

居心地のいいふたりならどこへでも行けるし、どこでも生きていけるんじゃないかな
と思ってしまうくらい。。


夕暮れどきの時間。

オレンジの夕暮れの光。
青、オレンジ、ピンクが混ざった空の色。
黒い影。
木漏れ日。
白いカーテン。
秋の終わり、冬の始まりの匂い。
冬の始まりの冷たい風。
静かな夜。

全てが彼との思い出。
私の記憶の中に深く入っていく。


ふたりの時間。
いつまでも続きますようにと願う。

どうか、消えてしまわないで、ね。












初めてnoteに物語を書いてみました。
やっぱり難しい、、、!
まずは、内容がなんとなく伝わったらいいなと思っています。




今、私の頭に浮かんだ、私の頭の中の主人公の女の子と男の子のストーリーでした。

































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