楽しい予感のする方へ

コミカル・ハートフルドラマって何?
と思いながら見始めたドラマ『僕らは奇跡でできている』

どのドラマを観ようかなと考えている時に、このドラマのあらすじを読んでも全くストーリーが分からなかったんですけど(動物行動学を教える大学講師の高橋一生がちょっと変わり者で、周りの価値観を揺さぶっていくコミカル・ハートフルドラマ…って、なんのこっちゃ!)だけど7話まで観た今、ストーリーを聞かれても確かに答えにくい。
言ってしまえば、それくらい地味なドラマ。
大きな事件も起きないし誰も死なない。
でも毎話とても大切に作られている印象で今クールの中でもかなり面白いドラマなんじゃないかなあ。


今週の第7話なんて特に良かった。

動物行動学の教授・相河先生(高橋一生)が歯科医の育美(榮倉奈々)に対して「水本先生(育美)の良いところも100こ言えますよ」と、1つずつ指を折りながら良いところを挙げていく。

「”こんにちは”を返してくれます」
「待ってください。それって、誰でも出来ることなんじゃないんですか?」
「誰でも出来ることは、出来ても凄くないんですか?」

当たり前だから褒めない、なんてそんなこと勿体無かった。
そもそも”当たり前”ってなんだ。”常識”ってなんだ。

「誰でも出来ることは、出来ても凄くないんですか?」
という相河先生の言葉を聞いて、ハッとして、 しばらくしてから育美と同じタイミングで涙が滲んだ。
そのあと、泣き笑いの表情で育美が「仕事場まで歩いていきます」とかそういうことを1つずつ自分でも挙げていくところに、またグッときた。
良かった、ようやく育美が自分で自分を虐めてしまうのをやめた。


星野源が自身の本『働く男』でこう書いていた。

「みんなが嫌いなものでも好きなら好きと言おう」というメッセージの曲はたくさんあるけど、「みんなが好きなものでも堂々と好きと言おう」という曲はほとんどないと思います。「みんなが好きだって言うから、嫌いになる」という人はとても多い。僕はそれをとても愚かなことだと思っています。
(星野源『働く男』文春文庫 p172 『エピソード』日常 )

相河先生の言葉も、源さんの言葉も、どちらも何でハッとなってしまうんだろう。ハッとするんじゃなくていつもの自分に取り入れていたいのに。


自分自身を見つめ直せるドラマのような気がする。

具体的に誰?と聞かれてちらほらしか名前をあげられないくせに、ついつい使ってしまう「みんな」という言葉。そんな「みんな」に縛られてしまう自分。
そういうの感じたことがある人にはきっと刺さるドラマだと思う。

ああ、あと嫌な人が居なくて、観ていて気持ちが楽。


シギジュニのOPも良いしビーバーの主題歌も良いよね。

嫌うより好きでいたい
思うまま想っていたい
会いに行こうよ
会いたい自分に

ものすごくドラマの内容にぴったりな主題歌で素敵。
周りの目を気にして作り上げてきた「自分」なんじゃないかなんて不安に思ったり、「自分」を見失いそうな時に聴きたい曲。

それにしたって渋谷くん、いつ見てもお洒落だわ〜!

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