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ゾンビに負けじと、生きたい!【 #ゾンビランドサガ 】

突然ですが佐賀県といえばどんなイメージがあるでしょうか。

九州にある県で、唐津焼・伊万里焼・有田焼が有名で、がばいばあちゃん、はなわさんの佐賀ソング(曲名「佐賀県」)も思い浮かびます。

そんな佐賀を舞台にした佐賀まみれのアニメをご存知でしょうか。
とりあえずOPをどうぞ。

(ホラー苦手なひと前半すこし怖いかもしれません…!)

MAPPAオリジナルアニメ『ゾンビランドサガ』のOPを初めて観た時は衝撃でした。台詞から始まるし、効果音いっぱい入るし(効果音のあるアニメ主題歌だいすき!)、色味が華やかで目を引くし、ゾンビとアイドルと戦隊が出てくるのになぜか統一感はあるし、そして、何よりもこの歌!

歌っているのはアニメ内に登場する佐賀のご当地アイドル、フランシュシュ。さすが声優さんということもあって、それぞれ違う声だからこその面白さと格好良さ。ポップな演出、曲の展開、そして力強い歌声。とにかく中毒性が高いOPなんです。

さて、このアイドル、わたしたちが知っている普通のアイドルと決定的に違う部分があります。OPを観た方、そしてタイトルからお気付きの方もいることでしょう。


フランシュシュは、メンバー全員がゾンビのアイドルなのです。



佐賀の認知度を上げる「伝説」のメンバー

存在自体が風前の灯となっている佐賀を救うために、佐賀のご当地アイドルをゾンビにやってもらおう!というその発想がまず面白いんですよね。
そして面白いのはゾンビ × アイドル × 佐賀の組み合わせだけじゃありません。

謎のアイドルプロデューサー・巽幸太郎(CV宮野真守)に説明を受けた女子高生・さくらは困惑します。
え、わたしゾンビなの?佐賀を救うってなに?アイドルやるの?ゾンビなのに?どやんすどやんす?(唐津弁)

巽によると佐賀を救うために蘇ったのは「伝説」のメンバー。

"怒羅美(ドラミ)"伝説の特攻隊長
伝説の昭和のアイドル
伝説の花魁
伝説の天才子役
伝説の平成のアイドル
伝説の山田たえ

…えっと、伝説の山田たえ、何者?

バラバラなメンバーなので最初は衝突します。
アイドルなんてやりたくないと思う伝説の特攻隊長。ゾンビがアイドルなんて出来るわけないと思う元伝説のアイドルたち。アイドルってなんですの?な伝説の花魁。

初めてのパフォーマンスはてんやわんや。自我が目覚めないたえちゃんの首が取れて「手品で〜す」とゾンビであることを必死に誤魔化したり。そんな中で急に始まった『DEAD or RAP!!!』にわたしは釘付けになりました。

このアニメ、すごいかもしれない…!


…もう、ゾンビですけど

普段はゾンビなのでアイドル活動をする時だけ特殊メイクをするのですが、ゾンビな彼女たちに「今日はずいぶん顔色が良いぞ」なんて声が掛けられるのも面白さのひとつ。ゾンビに顔色が良いぞ、って。

たえちゃんが食べ物以外を口に入れれば「身体に悪いよ!」「…ゾンビですけどね」とか。温泉に入って「は~なんか生き返る~」「ですね。…もうゾンビですけど」とか。

「お前らビビりすぎて心臓動いても知らんぞ」や「死ぬほどダサい」もゾンビの会話だと思うと面白い。

たまに「あいつらはゾンビィだが生きようとしている。お前たちはいつまで腐っているつもりだ」なんて台詞が出てきたりもします。笑える面白さだけではなく、深くじんわりと面白い部分も沢山あって、そこがゾンビランドサガの大きな魅力です。


昭和のアイドルと、平成のアイドル

伝説のメンバーが紹介された時に、どうして元アイドルが2人いるんだろうと思いました。キャラが被るんじゃないの?と。

考えが甘かった。全然そんなことなかった。
むしろ、昭和と平成の2人の違いが分かる回が好きでした。

「元々わたしがいたグループだってデビューから1年後には数万人の前でやってたんだから」
「1年?それでお客さんは満足を?」
「最初から完璧なんて求めてたら何もできない。むしろファンは私たちの成長過程を見守ってくれるし、育ててくれるの」

伝説の平成のアイドル・愛は、アイドルグループ不動のセンター。一方、伝説の昭和のアイドル・純子は1人でアイドル活動をしていました。

同じアイドルでも全然違う2人。
お客様に良いものを提供したい、完璧な存在でいたい、という純子。昔と違ってじっくりやっている余裕はない、とにかくまずは認知が大切だと訴える愛。

ファンは成長過程を応援したいって言う愛の意見も分かる。でもそれをファンに甘えているのでは?と捉えてしまう純子の気持ちも、分かる。

「そんな即席のものお客さんに見せるべきじゃありません」
「即席でも、本気ならそれは伝わる」

「昔」と言われてしまう純子。
「過去の栄光」になりたくない愛。

ステージと客席、お茶の間とブラウン管。純子にとってアイドルとファンの間にあった確かな境界線。
そしてその境界線を大切に守ってきたからこそ、チェキ会を行う今のアイドルの在り方に疑問を持ちます。

「ステージの上からファンを魅了するのがアイドルです。これのどこにアイドルがあるんですか」

ファンにとっていかに身近な存在になれるかを大事にする愛と、それをアイドル活動として受け入れられない純子。

この違いを、時代だなあ、で片付けたくはない。


現在2期『ゾンビランドサガ リベンジ』が放送中です。
今回もまたOPが最高なんですが(サビ最初のさくらの「あーーー」にリベンジによる強さを感じてギュンってするし、リリィちゃんのコーラスが良すぎる…)OPだけでなく出てくる楽曲が毎回とんでもなく良いのです。

アニメ本編には出てこないのですが、伝説の花魁・ゆうぎりメインの『佐賀事変』なんて、和 × ジャズ × ゾンビ × アイドル をこんなにも艶やかに格好良く組み合わせる?ってくらいの素晴らしさ。


ゾンビが佐賀でアイドルをやる、という面白い設定だけど、この作品で描いているのは「ゾンビになっても生きるとは」だと思います。

フランシュシュはゾンビだけど、それでも生を全うしている。
全力で、(ゾンビだけど!)生きている。

そんな彼女たちのリベンジは、今のわたしの毎週の楽しみです。


ゴールデンウィーク、家で何しようかなあと考えている人は是非。
アニメと合わせてアルバムもお勧めです。


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