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雑宿泊記

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泊まった宿について感じ取ったことをまとめています。雑な宿泊記。昔ながらの旅館、和風建築の宿、少し変わったホテル等に泊まっていることが多いです。宿選びの参考にどうぞ。
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記事一覧

São Lourenço do Barrocal

リスボンから車で西に2時間ほど走った先にポルトガルの風土をまとった理想郷が存在する。都会のリスボンから離れ、葡萄農園のある田舎へと向かう。国土の狭いポルトガルはリスボンから2時間も走ればもうスペインの国境近くである。果てに理想郷があった。名前は sao rorent barrocal。バローカルと呼んでいるが果たして合っているのかどうかは分からないがひとまずそう呼ぼう。 ポルトガルは前情報として陰気な雰囲気が漂っていると聞いていたが、人も土地も建築物も暖かい雰囲気を醸し出し

嵐山邸宅 儘 (MAMA)

大阪は北にある豊中から車で1時間。懐かしい道を車で走りながら渡月橋のある嵐山迄向かった。今回の目的の宿は「儘(MAMA)」である。どこかの雑誌かで見た記憶。思い出すか思い出せないかの瀬戸際であった。大半は思い出せないことの方が多いが、今回は思い出せたのだ。バンザイ。 儘はレストランと併設した宿泊施設。元々は阪急電鉄の保養所だった場所を改修して作られたらしい。土間コンクリートの床は空間を引き締める。入口い置かれていたオブジェがとても素敵だった。 本当はプライベートガーデンが

日貫一日(ひぬいひとひ)

島根旅行2日目。隠岐諸島を後にし日貫へ向かった。山深くにあるこの場所には、所謂日本の原風景が残っている。関西で育ってもどこか懐かしい気持ちになったので、日本人は田舎の原風景を懐かしいと思うようになっているのだろうか。 日貫には夕方に到着した。見渡す限り、田んぼと畑と赤茶の瓦屋根(レンガのような色合い)の日本家屋しか無い。どの家も赤茶の瓦屋根を使っているのだが、釉薬の特徴なのだろうか。 …と思い、調べて見た所、石州瓦と言うらしい。緑豊かな風景に赤茶の瓦屋根が日貫の風景を形作

Entô(エントウ)

隠岐諸島にあるEntôに行ってきました。 酸ヶ湯温泉に滞在している時にTVでふと目にしたその日に予約した。部屋から見える海の景色が、波のように穏やかな場所。宿泊者を包み込んでくれる。そんな気がするのやしないのや、妄想しながら向かった。 島根迄は、旅と言えばのサンライズ(寝台列車)に乗り込んだわけで。子供の頃に大阪〜青森間でブルートレインに乗ったことを思い出す。これがとんでもなく良かった。圧倒的旅感がある。大学のときに読んだ深夜特急を思い出したけど、まあ、舞台は全然違うな。

古民家宿るうふ 織之家

前々から虎視眈々と狙っていた「るうふ」。やっと宿泊することができました。るうふは山梨県を中心に古民家をリノベした一棟貸しの宿。「る」めっちゃ可愛いよね。 ぼくらが宿泊した宿「織之家」は大月駅から車で20分程で、初狩駅から徒歩30分で到着するという何ともアクセスが良い場所にある。ちなみに、大月駅には新宿から「特急かいじ」で40分程で着く。ちなみにのちなみに、車中では「アカギ」を読んだ。鷲巣麻雀の進みの遅さ鈍行である👹 アカギの話はさておき、三連休の初日はとにかく晴れた。前日

bbb haus [スリービーハウス]

2021年の夏に訪れた場所なので半年近く前の記憶を遡りながら書いています。 bbb haus は雑誌で見つけて以来、気になり続けていた宿であり、ついに宿泊することができたわけです。企業の保養所だった場所を改築して建てられたホテル。 思い出すたびに、また夏の時期に泊まりに行きたいと強く思う。 福岡県の糸島にあり、見渡す限りの自然に囲まれた場所である。気持ち良いな〜そして、視線の先には海が見えた。耳をすませば、波の音が、風に揺られる木々の音が聞こえる。 自然に囲まれたこの

湯宿 さか本

ずっと前から行きたかった石川県は珠洲市にある湯宿 さか本。ここは「至らない尽くさない宿」として独自のホスピタリティ(ホスピタリティとは本人は思っていないと思うけど)がある。それは宿のある場所も然り、一つの思想が体現されている場所でもあり、訪れた人はその魅力に引き込まれてファンになる人も多い。(一緒に宿泊していた方も神奈川から8時間かけてここまで来ており、年に3回泊まりに来るらしい・・) こもるでも宿も料理もホスピタリティも場所も全てが一つの線で繋がるような場所を目指している

後藤客舎

青森県の知人から「後藤客舎はもちろん泊まったよね?」と、宿をつくっている人なら当たり前だよね。のテンションで突然聞かれたけど、そんなん言われても知らんけども。実際に泊まってはいないし。 「お〜今すぐ泊まった方がいいよ、青森で一番好きだよ」と迄言うので、その日に宿泊してきた。そして、めちゃくちゃ良かった。 個人的には石川県の珠洲にある「湯宿 さか本」を尊敬しているが、後藤客舎もまた「これは…今の自分ではつくることができないな…」と思わせられた。どうにもこうにも頭を捻ったとこ

HakoBA 函館 & 江差 旅庭 群来(くき)

こんばんは!ホテルづくりに夢中のぼんです。2020年ももうすぐ終わりです。 今週はオールインクルーシブのホテルの視察で函館まで。寒波と重なってしまい、猛吹雪の北の大地へ向かいました。先に言うと、死ぬほど極寒でした。 東京という地に慣れ親しんだ体は突然の雪に対応できず。滑ってこけたりと、雪国の洗礼を浴びながらも、何とか戻ってきました。 HakoBA 函館まず函館1日目は HakoBA 函館 というこれも銀行をリノベーションをしたホテルです。ちなみに東京にある「LYURO東

sequence MIYASHITA PARK

お久しぶりの宿泊記についての投稿です! 渋谷はMIYASHITA PARKにある「sequence MIYASHITA PARK」に泊まってきた。MIYASHITA PARKにあるなんて「どれだけ浮ついたホテルなんだ?」と斜に構えた姿勢で行ったわけだが、満足して家に帰りました。奥渋まで徒歩20分。MIYASHITA PARKの屋上はみな浮ついている感じが勝手にしている。 「sequence」は渋谷の駅から歩いて5分程度。MIYASHITA PARKから直結しているため、渋

THE SCREEN

国内外のクリエイターが各部屋を手掛けた京都にあるホテル「THE SCREEN」 僕が泊まった部屋は建築家でも有る都島有美さんが手掛けた部屋。建築雑誌では度々取り上げられる丸みを帯びた優しいデザインの部屋でした。 部屋は洗練されたデザインで確かにテンションは上がったが、ホテルとしての居心地の良さ等はまた別の話だった気が。ここは難しいところだよなとは。建築は見た目の良さと宿泊する人の居心地の良さの両方から捉えないといけない。 きっと運営している会社の責任であったりもするんだ

SOWAKA

「そわか」とは、インドのサンスクリット語で「幸あれ」の意味とのこと。京都は祇園、八坂神社から目と鼻の先に位置する場所にラグジュアリー旅館「sowaka」。 数々の建築・ホテル関係の雑誌で見つけてどうしても泊まりたかった場所。築100年超の数寄屋造りのお屋敷に手を入れて改装し宿へと変貌を遂げた。「こもる」の参考へと思い、京都まで行ってきた。 コミュニティホテルとしてのエースホテルが最近ではもっぱら有名で、確かにたくさんの人がいた。それはもう沢山の人がエースホテルに集まってい

箱根本箱

こんにちわ。先日「箱根本箱」に人生2度目の宿泊をしてきました。名前の通りBOOK HOTELですが、本を読むという行為を宿泊と丁寧に溶け込ませたつくり。このままずっと連泊したいなという気持ちになります。値段はそれなりに高い。 「箱根本箱」の特徴は無数の本に囲まれている空間だろう。たくさんの本を一日中、心ゆく迄読むことができる。正直一泊だと全然時間が足りないのは目に見えているのだが、背表紙を眺めているだけでも満足な気持ちになる。本当に眺めているだけだが…。 写真の大広間でも

ONSEN RYOKAN 由縁 新宿

こんにちは!最も忙しくしているであろう世界有数の都市である新宿の中にある温泉旅館とな。これまた..UDSさんが運営していて、東京では一番と言っても過言じゃないぐらいに好きな宿泊施設。 ここは本当に最高でして...新宿という超絶働きまくって、忙殺された人たちの心を癒すオアシスです。新宿で終電を逃し明日の朝から仕事で辛い...という人は由縁に泊まると死んだ心も息を吹き返すと思います。死ぬ前に宿泊するのがオススメです。 新宿にある温泉旅館まるで高級旅館のような面構えで、暖簾をく