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女性必見!江戸時代の妾と子どもの化粧法。『容顔美艶考』解読⑦

世代別・立場別化粧シリーズの最終回です。最後はお妾さんと子どもたち(⁉)プラス尼様の化粧法です。

妾の化粧

お妾の身支度には、かけひき心得が
至って難しいものです。

まず、素人の方より粋に見えて、
玄人の方より上品におぼこに見えるような
お化粧が第一と心得ましょう。

しかし、旦那様によっては厚化粧を好む方も
いらっしゃいますし、薄化粧を好む方、
あるいは素顔と、いろいろさまざまな
好みがありますが、いずれにしても
髪の結いたてで素顔はよくありません。
お顔の形がかなり老けて見えます。

また、月ぎめのお妾は心構えが違いますから、
厚化粧にして眉も濃く作り、眉頭に少し
紅を差し、薄墨で引くとよいでしょう。

眉尻は濃くハッキリとさせ、口紅は二重につけて
唇の外は薄く内は濃く、片紅がよいです。

耳たぶに紅を少しぼかし、首筋から
耳のうしろは厚化粧にしましょう。

子どもたちの化粧

子どもたちはふざけて暴れることが多く、
食べる頻度も多いので、薄化粧にするのが
よいでしょう。

しかし、髪の生え際をハッキリとさせるのは
よくありません。お顔が老けて見え、
愛らしさもなくませて見えますので、
なんとなくぼかして延ばす程度にします。

また、芥子坊主けしぼうず※の子どもたちは
月代さかやき※を剃りおしろいをつけ、
そのあと熱い湯で手ぬぐいを絞りよく拭き、
頭部を仰ぎ冷ますとよいでしょう。
そのとき、決して眉を引いてはいけません。
ませて憎たらしく見えます。

 ※芥子坊主=子どもの髪型で頭頂だけ毛を残し、
       周りを全部剃った頭髪

芥子坊主(けしぼうず)

※月代=前額から頭の中央にかけて髪を丸く
     そり落とした男性の髪型

月代(さかやき)

尼の化粧(本文タイトルなし)

玉子の白身を塗るというのも、
実に薄化粧でよいでしょう。
年をとればどんな美しいお方でも
どことなくだらしなく見えるものですから、
とかくその身のたしなみが肝心なのです。


【たまむしのあとがき】

子どもに化粧させるなんてなんたることかっ!と思ってしまいました。

セレブ家庭の特殊な習慣なのでしょう。

ところで最後の尼様の化粧に関してですが、本文にはそのタイトル名がありません。

ですので、まとめの文章なのだと思い込み、一度投稿した直後に本の目次を見たら、「尼公の化粧」とあったので、まとめではなかったのか!とあわてて書き直しました(汗)。

古文書にはたまにこうした欠落があったりします。


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