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女性必見!江戸時代の顔色別&脂顔の化粧法。『容顔美艶考』解読⑩

前回は色黒・色白の人の化粧法でしたが、今回は残りの3パターンと、脂顔対策についての化粧法です。

赤黒い方の化粧

色の赤黒いお方は、アクの強いおしろいを
されるとよいでしょう。

身支度には目と眉毛の間や眉尻などに
下紅を中くらいの薄さにつけて
髪の生え際はハッキリとさせます。

おしろいはただぼかして延ばし、
耳の穴のくぼんだところに
紅を桃色に溶いて差すとよいでしょう。

(色の白い人は極上のおしろいをつけるのが
よいのですが、黒いお方や赤黒いお方などは
アクの強いおしろいがよいです)

赤顔のお方の化粧

赤顔のお方は、のぼせが強く血行がよいので、
化粧は上質な水銀粉はらや・生地を
二分(750mg)ずつおしろいに混ぜて
お使いになるとよいでしょう。
そのとき、決して下紅は引かないよう
注意してください。

青白いお方の化粧

青白く血行不良のお方は、
湿気があるか何らかの病気のある人なので、
総じて陽気の薄いお顔です。

まずは鼻筋と額の中通りを避けて、
そのあとに紅におしろいをすりこみ、
しばらくしてからおしろいをつけましょう。

下紅を引いた上に中くらいの濃さのおしろいを
するとよいです。そうするとお顔が
桜色になって陽気に見えます。

ただおしろいだけを塗ると、地が青白い上に
おしろいをつけることになりますので、
かの芝居の幽霊を見るように
ものすごく幸薄くなります。
必ず覚えておきましょう。

脂顔の化粧

脂顔のお方は、普通のおしろいをつけると
色がネズミ色になり、
顔中がぬるぬるとして鼻やお顔のあたりが
まだらにはげて汚らしくなります。

ですからまずはよく洗いましょう。

しばらく冷ましてから、アクの強い舞台粉で
たっぷりと塗り、よく乾かします。

そのあとに半紙か蓑紙をよくもんで、
寒の水もしくは雪の水でおしろいを溶き、
もう一度上塗りをしましょう。

もし寒の水も雪の水もないときは
化粧水でも大丈夫です。


【たまむしのあとがき】

「赤顔のお方の化粧」のところで、紙の劣化によって二文字どうしても読めない箇所がありました。

初の不明文字を含む投稿・・・大変不本意です。

水銀粉はらやとその読めない何かをおしろいに混ぜるということから、粉状のものか白いものと想像するのですが、何でしょうね・・・。

下の文字に濁点があるのがヒントなのですが、ギブアップです。

どなたか、チャレンジ精神旺盛な方いらっしゃいましたら、判明した暁に教えてください・・・。

<後日加筆>

自力で判明できました!

「生地」です。

本文は修正いたしました。


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