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女性必見!江戸時代の化粧法~くちびるの厚い人の化粧など。『容顔美艶考』解読⑧
![](https://assets.st-note.com/img/1658737640037-C1vL3Yz0nR.jpg?width=800)
今回から下巻に入ります。まずは顔のパーツに特徴のある方の化粧方法をご紹介します。
ですが、ここでひとつお詫びがあります。
私の入手したこの『容顔美艶考』、下巻はページの欠落がいくつかある上、紙の劣化で文字の判読ができない箇所が多数あることが判明しました。
これは如何ともしがたく、苦渋の決断ですが、それぞれの項目においてすべて解読できるものだけを取り上げることにしました。
特徴のある顔の部位を語るのに、「あれ?これはないの?」と疑問に思われることもおそらくあると予想し、黙っているのは大変申し訳ない、ならば最初からきちんと断っておこうと思います。
「目の大きい方の化粧」や「丸顔の方の化粧」はありません!
鼻の低い方の化粧
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鼻の低いお方は、眉の間から鼻筋にだけ
鬢付けをよく練ってすり込みましょう。
そして左右の鼻の穴の頭には薄紅をひき、
しばらく経ってかおしろいをつけると
もとから鼻の低いお方とは見えません。
この化粧は鼻の先が白く見えて
鼻の穴の頭が桜色になるため
自然と高く見えるのです。
これはたいへんよいでしょう。
斜視の方の化粧
![](https://assets.st-note.com/img/1658881699284-Xa3VgswIpq.jpg?width=800)
斜視のお方の化粧は
上まぶたに下紅を差し、目尻へ鬢付けを
少し塗って、おしろいをすると
目がしっかりと見えるのでよいでしょう。
たれ目の方の化粧
![](https://assets.st-note.com/img/1658882059886-czGTeyBZCb.jpg)
たれ目のお方は下まぶたから目尻まで
薄く紅を差し、上まぶたには
ほんの少しだけ紅を差すとよいでしょう。
唇の厚い方の化粧
![](https://assets.st-note.com/img/1658882077922-5ysxr5n5Mj.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1658882096882-Jud3AwD3bq.jpg)
唇の厚いお方は、下唇にだけたっぷりと
紅を差してから、鬢付けをしっかり練って
上下の唇とも口の周りにすりこんで
おしろいをつけましょう。
上唇にも薄く紅を差し、少し内側を
濃くするのがよいでしょう。
総じて唇の先のほうは
あまりたくさん紅を塗ると
口先が大きく見えてよくありません。
うばぐちの方の化粧
※うばぐち=口が少し開いていること
![](https://assets.st-note.com/img/1658898422769-vgDPx0t4VZ.jpg?width=800)
うばぐちのお方は、上唇にだけ薄く紅を差し、
下唇には中くらいの濃さにつけて、
外側にはつけないのがよいでしょう。
【たまむしのあとがき】
今回訳していて一番気を使ったのは、差別用語にならないかどうか、ということです。
古文書にはいわゆる放送禁止用語の類の言葉が普通に出てくるのですが、それをそっくりそのまま訳してしまうと不愉快に感じますし、かといってきれいに収めようとしすぎても、回りくどくてわかりにくいということになったりします。
「うばぐち」は漢字で「姥口」と書き、直接の意味は「歯のない老婆の口」です。
だから口の空いている人を指すのだそうですが、これを今の言葉で何というのか、調べてもわかりませんでした。
仕方がないので、そのまま「うばぐち」としましたが、あまり気持ちのいい言葉ではないですよね。
最後までこの項目自体をカットしようか迷いましたが、あえて避けるのは歴史を隠してしまうような気がしたので、そのまま載せることにしました。
そのあたりをご理解いただければと思います。
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