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女性必見!江戸時代の女性の世代別化粧法~若い女性編。『容顔美艶考』解読④

この古文書には、世代別や立場によって異なる化粧の仕方についても、いろいろ書かれています。今回は若い女性の化粧方法について見てみます。

娘さんの化粧

娘さんたちが振袖を着る年頃というのは
お顔に脂が浮くものですので、
石鹸でしっかり洗って冷めたあとに
おしろいを中くらいの濃さで塗りましょう。

首筋からおしろいをつけて
そのうしろの生え際をはっきりさせ、
喉はそのままにしておくのがよいでしょう。

はじめから目の際におしろいをつけると
濃く見えてよくありません。

目のふちのおしろいを濃くすると鼻が低く見え、
さらに目がくぼんで見えるからです。

額は二割ほど薄くするのがよいでしょう。
おしろいが厚いと額が出ているように見えて
たいへん見苦しいです。
覚えておきましょう。

お嫁さんの化粧

嫁入りした夜のお化粧は、厚くするのが
よいでしょう。なぜなら、嫁入りの夜の
晴れの小袖の白無垢からのお色直しは、
縫箔ぬいはく※の入った金入りの織物を
お召しになるでしょうから、薄化粧では
バランスが悪くなるのです。

 ※縫箔=縫い(刺しゅう)と箔(摺箔すりはく)を
  用いて裂地きれじに模様加工をすること

まず、第一の心得は、両耳の中・前・後ろに
たっぷり丁寧におしろいを塗ることです。

その夜は恥ずかしく思うはずですから、
どうしても横向きになりがちです。
そうすると耳の中が人の目についてしまいます。

いずれは消えてしまいますが、
耳や頬のあたりが真っ赤になりますと
やはり厚化粧がよいようです。

さて、次の心得は、婿殿と一緒になるときに
婿殿より少し引き下がって横になりましょう。

向こうから見下ろし、こちらからは見上げる
ようにすると鼻の穴が見えませんので、
お顔が美しく見えます。

また、袖でお顔を覆うのも
鼻の穴を見せないためといいますから、
必ず鼻の穴が見えないようにしましょう。

鼻の穴が見えるのは
大変みっともないことというのは、
前述の芝居見物の化粧方法のところで
書いたとおりです。

また、身支度の時間はないでしょうけれど、
耳のうしろと鼻のあたりを眉刷毛で薄く刷き、
口紅をはっきりつけるとよいでしょう。


【たまむしのあとがき】

鼻の穴を人に見せるなと連呼していますね。

かしこまりました。


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