見出し画像

第12回 【コンサルHACK】相手と意見が合わない…同調?反論?「第3の解」とは

吉野 相手と意見が合わない時、ありますよね。

りこ あります!

吉野 これは仕事はもちろん、プライベートでもあると思います。コンサルタントの仕事をしていてとても役立つ方法なのですが、「新しい解を出す方法」というお話をしたいと思います。
これはそもそもなぜ起こるかというと、お互い真剣に考えているからこそですよね。ですが、「俺はこう思う」「私はこう思う」と意見が合わずに困ってしまったり、イライラしてしまったりする経験は誰にでもあると思うし、日々あることなのではないかと思います。

りこ そうですね。

吉野 これがひどくなると喧嘩になってしまったり、「この人とは一緒にいたくない!」と思ってしまったりするんですけど、すごくもったいないことだと思います。こういった時に、どんなふうに解を出すと良いか、というお話ができればと思います。

りこ コンサルをしていても、相手とぶつかり合うことはよくあるんですか?

吉野 僕は今日お話しする方法を身に付けているので、真正面からぶつかり合って非建設的な喧嘩をする、なんてことはないですよ。でも、当たり前ですが、相手と考えが違うことはよくあります。それはお互いが真剣に議論するからこそだと思いますが。

りこ そういう時には、今から教えていただく方法を使って新しい解を見つけているんですね。


第1の解、第2の解とは?

吉野 今日のメインテーマ「第3の解」について話す前に、第1の解、第2の解とは何かというお話をしたいと思います。
利害関係がぶつかった時に、一般的にはどういう対処をする人が多いかというと、まずは仕方なく相手の意見をのむパターンですね。

りこ 自分が折れてあげる、ということですね。

吉野 そうそう。もしくは、強引に自分の意見を貫き通す、というパターン。だいたいこの2つだと思います。

りこ 意見が2つしかないから、どっちにするかという話しかできないですよね。

吉野 そうですね。ちなみに、りこさんはどっち派?

りこ わたしは、のんじゃう派かな…

吉野 のんじゃう人多いですよね。もう面倒くさいな、とかね。

りこ そうそう。それに、これでもし失敗しても相手が言った意見だから私のせいじゃないし、って思っちゃいます。

吉野 りこさんとは反対に何が何でも自分の意見を貫き通してやる!という人もいますよね。
これは、どちらかが間違っている、というわけではないです。相手の意見を聞いて「たしかにそっちの方が良い」と腹落ちできているのなら問題はないですし、「自分の意見はやっぱり正しい」と思って、一生懸命相手を説得していくというのも非常に重要なことなのでね。

りこ うんうん。

吉野 でも、この第1の解、第2の解でも対応できないときに、単に折衷案にするのではなくて、「第3の解」というものをぜひ生み出してほしいんです。

「第3の解」とは?

吉野 では、「第3の解」というのがどういったものかと説明したいのですが、ちょっと横文字が並んじゃいますよ。
自分が正しいと信じている意見=テーゼ、相手の反対意見をアンチテーゼと呼びます。そして、この2つの意見の矛盾点を解決して統合してできるのが「第3の解」=ジンテーゼと呼びます。

りこ …

吉野 なかなか難しいですよね。この「第3の解」=ジンテーゼを導き出すコツというのが2つあるので、それを具体的にお話しますね。
コツその①は、「手段ではなく目的にフォーカスする」ということ、コツその②は「結論ではなくプロセスにフォーカスする」ということです。ここまでだとまだ頭の中がクエスチョンだらけだと思うので、1つずつ解説していきますね。


コツ①手段でなく目的にフォーカス

吉野 相手のしたいことと自分のしたいことが食い違っているとしましょう。相手は当然、その手段を使ってなんらかの目的を達成したいわけですよね。自分にも目的があってやりたいことを主張しているはずです。この食い違っている手段のところばかりを見つめて対立するのではなく、お互いの目的を見つめ合って、その中で合っている部分を見つけていくというのがポイントです。

りこ お互いの意見を深堀りしていって、根本のところにある「それで何がしたいのか」という部分を聞いていって、すり合わせていくということですね。

吉野 そうなんです。意見がぶつかる時って、「俺はこうしたい」「私はこうしたい」という手段の議論が多いですよね。手段が違ってぶつかっていても、その手段から実現したい目的は何かというところに目を向けると重なる部分が見えてくることもあります。

りこ 手段は違っても、意外と目的は同じだったりすることもありますよね。

吉野 そうなんです。これがコツの①「手段でなく目的にフォーカスする」です。なんとなく分かりますか?

りこ うんうん…争っているところに目を向けるのではなくて、ゴールを先に聞くという感じでしょうか。結局最後には何をしたいのか、という部分に目を向けて、相手の意見と重なり合うところを探すということですね。


コツ②「結論でなくプロセスにフォーカスする」

吉野 相手が言った意見や相手が導き出した結論が、自分の思っていたものと違っていたとします。その際に、相手がどうやってその結論に達したのかというプロセスに着目してみるというのがコツの②です。
例えば相手がその結論を導き出すのに使ったデータがあまりに古いものでないか、とか、相手が根拠にしている考えに偏りがないか、とかですね。プロセスに目を向けて、問題があるのであればそこを変えて再検証してみましょう、とお話します。

りこ 相手の結論に対して異を唱えるのではなくて、考え方の部分を指摘するということですね。
イメージとしてはコツ①と反対の部分に着目しているように感じました。①では最終的な目的の方にフォーカスする、②は最終的に出した結論でなくその過程の方にフォーカスする。様々な方向から考えないといけないんですね。

吉野 そうですね。このコツ2つを掴むことによって、「第3の解」の定義が見つけやすくなります。

りこ どちらのコツも、相手の主張を曲げてやろう、というのではなく、相手を直接的に攻撃しているわけではない感じがしました。相手にもよりはなうぃそ聞いてもらいやすいですよね。

吉野 そうですね。人間関係でもそうだし、コンサルととしても非常に重要です。この「第3の解」を作るコツをぜひマスターしていってほしいなと思います。


「第3の解」を伝えるコツ

吉野 導き出した「第3の解」を伝えるコツというのもあります。

りこ ただ言うだけではだめなんですね!

吉野 そうです。せっかく導き出したこの「第3の解」を相手に伝えて、腹落ちさせていく必要がありますよね。それを上手くやるコツがあります。
まずは、自分の意見を要約して相手に伝えることです。先ほど「第3の解」を導くときに使った考え方を順を追って相手に説明してみましょう。「私にもあなたにも○○という目的は共通にあるということでしたよね。では、△△という形でそれを達成するのはどうでしょう。」というような形です。
そして、相手の意見をリピートすることも大切なコツです。「もう一度確認させていただきたいのですが、あなたの主張は○○ということで間違いないですよね?」という感じです。これ、少し言い方を間違えるとすごく上から目線になってしますので要注意です。

りこ 「今まで話していたの聞いてなかったの?!」と反感を買ってしまいそうですね。

吉野 そうなんですよ。だからなるべくソフトに「僕はこういうふうに解釈しました。間違っていないですかね?」みたいに確認しましょう。


聞く姿勢の重要性

りこ 先日病院に行く機会があって、本題とは別のことでちょこっとお医者さんに相談をしたんですよ。「左手が痛いんですけど…」って。お医者さんって忙しそうで、ちょっと怖いと感じることがあるじゃないですか。

吉野 あります、あります。

りこ その方はすごく優しくて、「あ、そうなんだ、左手が痛いんだね。しびれている感じ?右手は?」って、私の言ったことをリピートしつつ、新しい質問をしながら話を聞いてくれて、すごく安心感がありました。

吉野 そうなんですよね。今りこさんがおっしゃったように、自分の意見を言うよりも聞く姿勢こそが、人間関係やコンサルタント業にも重要なことかもしれませんね。

りこ お医者さんの結論としては「放っといて大丈夫」ということだったんですけど、例えば第一声で「そんなの放っておけば大丈夫だから!」と言われてしまったら「私の言いたいこと全部伝わったかな?本当にちゃんと聞いてくれたのかな?」と不安になっていたと思うんですよね。今回は結論の前にワンクッションあって、私の言ったことをリピートしてくれたり、新たに質問をしてくれたことで、信頼感につながったなと感じました。「また困ったことがあったら相談してみよう」という気持ちになりました。

吉野 そうですね。やっぱり、コミュニケーションがうまい人、物事を上手く進めていける人って、こういった能力をきちんと身に付けていますよね。
僕もコンサルタントをしていて、課題を聞いた時点で「こうすべきだろうな」と解が浮かぶことがあります。でもそれを最初から相手にぶつけてしまってはいけないんですよね。相手の状況をインタビューしながら、しっかり確認し、理解するプロセスというのは間違いなく必要です。

りこ うん、うん。

吉野 そういうプロセスを踏む中で、相手の目的と自分の目的をすり合わせていくことができて、さっきお話していた「第3の解」が見えてくるんですよね。コンサルタントという立場に立つと、どうしても「早く問題を解決しなくては」と思いがちなんですけど、

りこ 「正解を与えてあげなきゃ」と思いますよね。

吉野 そうなんですよ。先生みたいになってしまいがちだけど、それって実はよくないんだよね。
僕も独立したての頃はそうしがちだったんですけど、失敗もしながら、このやり方では上手くいかないことを学びました。なぜかというと、解だけ与えられても相手がしっかり腑に落ちない限り、それ以後組織が動いていかないんですよね。

りこ たくさん話を聞いてもらって、自分が納得して初めて「吉野さんに教えてもらったやり方をやってみよう」と信頼できますよね。「答えはこれです」とだけ言われて、少し嫌な気持ちになったり、不信感が湧いたりしている中で仕事を進めていくのは難しいでしょうね。

吉野 実際、中小企業は人不足なので、コンサルタント自身が相手とタッグを組んでプロジェクトを動かしていかないといけないんです。その時にいかに相手の心つかみ、腹落ちさせていくかということ非常に重要になると思います。

= = = = = = = = = =

LINE登録で6つの特典を無料配布中!
https://s.lmes.jp/landing-qr/1657236263-nMZAxdoR?uLand=aileNI

『吉野塾 | 大人のラジオ』は、吉野隆行が主宰する、個別メンタリング&コーチング塾『吉野塾』の公式ポッドキャストです。
吉野塾は、会社や組織に依存せずに、自律型キャリアをつくりたい方、自分の市場価値を高めたい方、月収7桁を達成したい方、自由で成長を感じれる新しい働き方をしたい方、セカンドキャリアを目指す方、自分の理想の働き方や暮らし方をデザインしたい方など、多様な志向を持った大人の方々が集まる塾を目指しています。
このポッドキャストでは、吉野塾のメソッドやアプローチ、リアルなキャリアアップ事例などを紹介しながら、リスナーの皆様が自分らしいライフスタイルを築くためのヒントを提供します。

◎吉野 隆行
関連リンク
Instagram: www.instagram.com/secondcareer_lab/reels/
PlayNode Consulting株式会社: playnode.jp/
LikeNomad株式会社: likenomad.jp

◎須村 りこ
京都市在住、2歳男児の母。
これまで某国際空港のグランドスタッフや学習塾の講師、科学館スタッフなどの仕事をしてきたが、結婚、引越し、夫の転勤、出産、育児などライフイベントに伴い転職を繰り返す。
家族、自己実現、仕事をバランスよく並立させたいと考え、2022年4月からフリーランスに転向。
現在はオンラインで、宅録ナレーション、オンラインセミナーの運営サポート、ライティング、事務作業など様々な仕事の受託や、子ども向けのイベントの企画や実施などをしている。
会社員時代の収入を取り戻せるよう模索中。

HP:https://korisumura.com/
twitter:https://twitter.com/risukorisu375
note:https://note.com/riko_sumura

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?