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未来の子ども達へ古民家を残していくために…

古民家を売りたい、買いたい、直したい…

そんな時どういうアプローチをしていきますか❓古民家と呼ばれる住宅は建築基準法ができる前に建てられたもので、建築基準法で定められた在来工法という建築工法ではなく伝統構法と呼ばれる寺社などによく似た柱と梁で地震に耐える火打ちや筋交の無い建築工法です。コンクリートの基礎もありません。

伝統構法=地震に弱い建物❓ でも伝統構法は建てられて100年以上経ったものも多く、その間起こったであろう地震にも耐えたから現在も残っているのです。

在来工法は地震が発生した際には筋交いなどが建物の変形を抑えて地震に抵抗します。伝統構法は貫や桁などが柱と直行した筋交の無い構造(筋交のある伝統構法の建物も稀にあります)が地震の時にゆっくり大きく揺れて変形していわば地震の力を逃す構造です。

建築士や大工さんは建物のプロですが、それは在来工法のプロであって、誰もが伝統構法の知識があるわけではありません。知識の無い人がみると再生できないと判断するか、在来工法として再生するしかできません。

伝統構法は伝統構法の良さを活かして、快適な設備と安全安心な再生をすべきです。そのための第一歩が現在のコンディションを調査することです。

古民家再生総合調査報告は建物の劣化状態、床下環境調査、耐震診断をパッケージにしてそれぞれ専門の資格者が調査して建物を総合的に判断します。

この報告があれば、どこを直せば良いのか、耐震は現代の基準と照らし合わせて安全なのかがわかりますので結果無駄な費用を抑えて再生することができます。古民家の場合建築後に増築されていることも多いので増築部も含めて耐震改修も伝統構法として直すか、在来工法として直すべきかも判断できます。

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全国の一般社団法人古民家再生協会が窓口となり調査の実施、報告をおこなっています。


古民家再生総合調査報告は平成21年からスタートし、年間300件弱を発行しています。各地域で調査されたデータを見させていただき発行しています。

費用はかかります。30万円です。場所により各資格者の交通費が別途かかる場合もあります。30万円は安くはない費用ですが、費用を支払うことで第3者が公正な目を調査できます。床下診断でよく無料で調査しますというのがあったりしますが、無料でできるのはその後に工事をするからであり、公正な調査とは言えないでしょう。

各調査に最低でも3名、5名程度の資格者が携わり調査しますのでこれぐらいの費用はかかりますし、もっと高い調査費がかかる団体もあったりします。古民家の再生の場合には新築並みかそれ以上の費用がかかりますのでその工事が失敗しないようにと考えれば決して高くない先行投資です。

年度末を迎え、行政からの依頼の報告書が現在多く上がってきています。今週は火曜日にも発送業務をしたのですが、本日もまたアイテムへ行って発送する予定です。4月からはさらに詳細な情報提供ができるバージョンアップをします。もっと多くの古民家が現在の状態をしっかり把握してもらい、適正な価格で最適な方法で再生してもらい未来の子ども達へ引き継いでいける文化資産になってもらいたいと思います…

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