腰紙
お茶室の壁には腰紙を貼ります。お茶室は土壁なので土壁で着物が擦れて汚れないようにするためだそうです。
お客様が通る所は昔、堺の湊の近くで漉かれたのが名前の由来とされる薄墨色か濃墨色の湊紙や、古い暦などが書かれた反古紙を用います。通常9寸の二段貼りで、上座を起点にして、右手に3分重ねながら貼り、二段貼りの場合は、千鳥にします。
亭主側の点前座は、清浄な気品を表わす純白の西ノ内紙を使います。越前奉書紙、加賀奉書紙、土佐直し紙、本美濃紙などが用いられることが多いですが、私は旧水戸藩、茨城県常陸大宮市でミツマタやガンピを使わずコウゾのみで漉かれた西ノ内紙を使わせていただいています。
西ノ内紙は強靭で耐久性も高く江戸時代は商人の大福帳に使われていました。湿らすと伸びるので給仕口にも貼ります。上座を起点にして、右手に重ねに貼り巡らします。継手の重ね幅は3分(9㎜)。紙丈は約9寸の一段張りが一般的ですが、小間などの場合には一段半貼りにすることもあります。
腰貼り紙を貼る糊は、伝統的な土壁の場合には、接着力のおだやかな布海苔が使われますが、私はクロス糊を少し薄めて使ってもらっています。
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