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お茶は点てるか練るか…


抹茶の飲み方には薄茶(うすちゃ)と濃茶(こいちゃ)と呼ばれる二つの飲み方があるります。薄茶はお薄(うす)といったり、濃茶はお濃い(おこい)と呼ばれます。

一般的に茶道、お茶といえば茶筅でシャカシャカというイメージかと思いますが、これは薄茶と呼ばれるもので茶杓(ちゃしゃく)に一杯半約2g程度に熱湯を柄杓(ひしゃく)で約60ml程度約90度に温めたお茶碗に注いで茶筅を使ってシャカシャカ泡立てるようにまぜ、これは「点(た)てる」といいます。表千家では三日月の形に泡立てない部分を残して点てますが、裏千家さんではクリーミーにお茶の上面を泡立てます。

表千家の薄茶
裏千家さんの薄茶

濃茶とは薄茶の倍ほど抹茶を使います。一人前茶杓山盛りで三杯ほどお茶碗に入れます。濃茶は抹茶をふんだんに使用するため、美味しい高級な抹茶を選ばなければ渋みと苦味がかなりきつくなってしまいます。抹茶にも薄茶用と濃茶用があるのです。多くのお茶では名前に白がついていると薄茶用、昔とついていれば濃茶用であることが多いようです。

濃茶は、薄茶より少し低い80度前後の湯を約40ml注ぎます。風炉の時期は水を一杯お釜に入れてからお湯をすくってお茶碗に注ぎます。薄茶のように泡だてずなでるようにお茶に照りが出てくるように混ぜていきます。濃茶は点てるとは言わずに「練る」といいます。

出帛紗が添えられ濃茶は出されます。一杯を何人かで回し飲みしていきますので飲んだ人は飲み口を懐子で拭いてから次の人に回していきます。

濃茶は、抹茶が多くお湯も少ないのでとろっとした濃厚で芳醇な味わいになります。

濃茶には出帛紗(だしふくさ)が添えられます。抹茶、お茶碗全てが薄茶よりいいものが使われて出されます。茶道のメイン、主役ということでしょうか。

茶葉も薄茶より高級なものですので飲みなれるととても美味しいものですが、濃いお茶なので空腹だと胃が痛くなります。美味しい濃厚なお茶を飲みたい、でも胃が痛くなるのは誰しもが嫌なので茶事では空腹で濃茶を飲まないように懐石料理を頂いてからお茶をいただくのです。そして濃茶の後にもう少し飲みたい…後味をすっきりさせたい…そんな気持ちから薄茶が振る舞われるのでは無いでしょうか。

お点前のお稽古は薄茶から始め、濃茶へと進みます。お点前の難易度は濃茶が上で、しかも練るのが実は難しい…練り足らなかったりお湯が少ないと抹茶のダマが残って口当たりが悪くなりますし、時間をかけて練るのですがかけすぎるとお茶も冷めてしまいます。濃茶は一人前で練ることは少なくお客様の人数に合わせて三人前や四人前で練ったりしますので安定して練れるようになるには何年かかるのでしょうか…

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