茶室「一休庵」のある新築工事が完成。その二
私の今回の立ち位置は総合プロデュース。設計を依頼したのは昔からお付き合いのあった大阪のアーキスタジオ哲の木村さん。木村さんのお兄様は表千家の宗匠で佐藤先生も以前お父様に師事されていたこともあると言う巡り合わせ。
施工はいつも新築やリフォームでお願いしている松山の四季ハウスの石崎棟梁と小間の茶室部分は大洲の菅野建設さん。二宮棟梁を中心に進めました。
左官は私の自宅の横に住まれている梶田さんのお父様、道後温泉の修復にも携わっている梶田建設さん。
瓦は菊間の菊貞さんに瓦から焼いてもらい施工もしていただきました。
作庭は仙波農園 仙波太郎さん
その他様々な職人さんにお願いして今回の住宅は完成しました。京都から職人さんを呼ぶという案もありましたが、私は地元の材料をできる限り使い、地元の職人さんが工事する事にこだわらせて頂きました。
母屋のメインの大工 後藤さんもここまで本格的な数寄屋は初めての経験、ミニチュアの木組みで納まりを確認しながら難しい施工を見事に仕上げてくれました。
小間を担当した大工さん達もここまで本格的な茶室は南楽園の茶室依頼とのことで、もう何十年も前だそうですし、南楽園より小さな三畳台目の小間は初めての経験で難しいそうです。
茶室は壁厚が薄く、小舞も丸竹では納まらず割竹で組んで伊予市の土を使いました。三和土もセメントを使わずに敲いたので完成まで梶田さんも相当苦労していました。
上棟後は1ヶ月に一度ぐらいのペースで木村さんにも来ていただき打ち合わせを重ねながら施工を進めました。
露地の作庭の仙波さんも踏石や庭木、杉苔、建仁寺垣など苦労の連続で何度かやりかえもして頂きましたが、終わって皆さんここまでやったのは初めて、いい学びになったと言って頂きました。無論私自身大きな自信になった現場となりましたし、ここでこれからお稽古出来ると考えるとこれ以上の幸せはありません。
令和3年 3月12日 居宅部分引越し 約8ヶ月かけて居宅部分が完成。先に居宅部分をお引き渡しさせて頂き引っ越しをして頂きました。お茶室周りは引越し後も引き続き工事、また小間部分も大洲での仮組みが終わったので現場に運びこび本格的な工事がスタートしました。
令和3年6月22日 建築完了検査 小間部分も無事出来上がったので建築完了検査を受けました。畳は早く引きすぎると色が変わるので畳無しで検査を受けました。お茶の世界では風炉から炉に変わる11月は茶壷に入れた抹茶の風も開けることから炉開きとしてお正月のようなもの。11月に露地も含めて全てが整うようにスケジュールを組んでいきます。
令和3年10月30日 外構・露地工事完了 最終お引き渡し 外待合の加工に思ったより時間がかかったものの職人さん皆さんの努力でなんとか形になりました。最後の一ヶ月は塗装屋さんの横で左官屋さんがいて、庭師さんがいて、そこに建具屋さんや板金屋さん、それに大工さんも入り乱れての状態になりましたが、皆さんいい仕事にしたいと手を抜くこともなく協力しながら納めて頂きました。
完成した写真や各仕事の詳細などもアップしていきますね。
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