【短編小説】12/24『大人になったら欲しいもの』
『ごめん、いつも』
「……なに、急に。どうしたの?」
『いや……メンバーに言われてさ……。こういうイベントの日に会えないの、我慢してる彼女に感謝しろって』
「うん……いや、別に、あまり気にしてないから」
『だよね』明らかに声色が明るくなった。『ほらぁ』あぁ、後ろにメンバーさんいるのね。
「職場とかじゃないの? 大丈夫?」
『大丈夫、シズカんち』
「そう。っていうか、メンバーさんと一緒なら」
『ちがうんだ。配信用の撮影準備をしてて、仕事で来てて』
「……うん。あ、責めてるんじゃ