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映画「新極道の妻たち 惚れたら地獄」感想文

大阪・ミナミで小規模ながら老舗として構える御蔵組の組長の妻・芙由は、病の夫の退院を迎え、穏やかな時間を過ごしていた。
そんなひと時も束の間、快気祝いパーティーを舎弟たちと別荘で楽しんだ帰りに、突然現れたヘリコプターからの射撃を受ける。
夫は亡くなり、自分も怪我をして入院。
御蔵組が狙っていたミナミの再開発の利権をめぐり、抗争が悪化していく。

7月にBS松竹東急で放送されていた「極妻」シリーズ。
録画してそのままだったのですが、やっと観れました。
今まで観た極妻シリーズのなかで、一番舎弟がダメダメで岩下志麻さん演じる姐さん(芙由)が気の毒でした。

出だしで、舎弟たちがろくに学校へ行けておらず礼儀作法から教えたというような台詞があったのですが、本当に教育って大事だなと思わされるストーリー展開。
「地面師たち」でいうところのオロチだらけという。

怪我をしつつも知恵と人脈を使い、敵対する侠和会へじわじわと圧力をかけていく姐さんの尽力をことごとく無駄にする想像力の無い舎弟たち。
いや、これが器用で経済に長けた人間ばかりだったら「極妻」ではなくなってくるのですが、それにしても今回はなかなか酷かったです。
ひとりだけ冷静な舎弟(演・山下真司)がいるのですが、そこは夫婦そろってちょっと心が弱い。特に妻(演・斉藤慶子)は常にオドオド及びビクビク。

ここまで書いてもしかしてこの作品は人間のあらゆる「弱さ」を描いたのかなと思いました。
舎弟の奥さんたちもどちらかというと心も頭も弱かった。
まだマシだったのが、舎弟の啓太(演・世良公則)の妻・加奈代(演・川島なお美)。
今回のお色気担当がこの加奈代を演じた川島なお美さんでね。
可愛くて一生懸命で画面からとにかく頑張って役に食らいつこうとしているのが感じられましてね。
そうだった、川島なお美さんって努力家でいつも何かを学んでいて一生懸命だったなあってしんみりしました。

そんなしんみりした気持ちを一気に打破するのが、圧巻のラストシーン!!

生きる美しき文楽人形、ここに在り!
内容はどうであれ、もうこれでこの映画は伝説です。

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