見出し画像

「中島らもの特選明るい悩み相談室 その1 ニッポンの家庭編」読書感想文

以前、この本のシリーズは他の出版社から発行されており、私はそれを全巻集め、中学生から42歳まで持ち続けていました。
3年前に加古川から神戸に引っ越す際、本の状態があまりに煮しめた色合いをしていたので思いきって手放したのです。

いつかあらためて買い直そうと思っていたのですが、後回しになっていました。今回買い直す機会を得たのは、読書会が近いのにこれといって人に紹介したい本を読めていなかったからです。

この本に載っている「明るい悩み相談」は、どこのご家庭でもあるちょっと恥ずかしくて笑えるもの。
朝日新聞に連載されていたそうですが、私の家は毎日新聞を購読していたので、本でしか読んだことがありません。

あらためて読み直すと、今の時代ではとても新聞に載せられないような内容もあって、昭和から平成初期の暢気さを垣間見ることも出来ます。

どんなしょーもない内容にも、真剣に、豊富な知識を交えて軽妙に答えるらもさん。
色んな人の文章を読んできましたが、45歳現在まででこれほど理知的なものは目にしたことはありません。

18年前、中島らもさんは神戸にある飲食店の階段から落ちて亡くなりました。その現場近くを歩くたび、一度でいいから直にお話を聞いてみたかったなあと思うのです。

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,896件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?