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田舎の公立小中学校からケンブリッジに行った話 - その6

今回はどうやったら留学できるのかということについて書きます。と言っても受験のテクニックとか、こうすれば必ず留学できるとか、そういうことではありません。留学するにあたって、当時こういう情報があったらよかった、欲しかったという点や、こういう準備ができていたらもっと簡単だった、という点、さらに別にできていなくても困らなかった点について書くつもりです。

ちょうどこんな記事を見つけました。

海外名門18校に合格 …イェール大学進学の女子高生が語る“受験攻略法”「自分の好きなことに熱中して」

この方は「静岡県で生まれ、その後は父親の転勤に伴い、ブラジルやアルゼンチン、そして日本などで学校生活を過ごし」、プリンストン大学やオックスフォード大学など、アメリカ、イギリスの大学18校から合格通知をもらったということです。

これはものすごいことだと思います。一方で、メディアは話題性のある極端な例を扱いがちなので、これを見て「自分には無理だ」「自分とは世界が違う」というようには感じて欲しくない、と思います。特に私のように地方に住んでいて、海外に縁のないような生活を送っている人たちに、諦める必要はないと伝えたいです。

仲間を見つける

私が留学を考え始めたのは日本の大学に入ってからで、このままこの大学にいたら将来大変なことになる、という強烈な危機感を覚えたからでした。
留学を考え始めて一番困ったのは、とにかく情報がない、ということです。大学では交換留学の案内はありましたが、学校自体を辞めて海外の大学を卒業したい、と考えた時に何から始めて良いか、何をしたら良いか、というのが全然わかりませんでした。

なので留学を思い立ったらまず最初にしたほうが良いと思うのは、ここ数年ぐらいで留学経験のある人を探して、情報を得ることだと思います。

私の場合は、高校の先生でイギリス留学にしていたらしい、という先生に、高校3年生の時の担任の先生伝いで紹介してもらい、話を聞きに行きました。

幸い今ではインターネットがあって、ブログなどで情報発信している人もおり、昔ほど仲間を見つけるのは大変ではないと思います。Zoomなどを使えば海外にいても無料で連絡が取れるので、現在留学中という人たちからもアドバイスをもらえるかもしれません。

そうしているうちに、留学関係のイベントや団体など、さまざまな情報が集まってくると思います。情報源は1つである必要はないので、徐々に情報を増やして、ネットワークを広げていくと良いのではないかと思います。

気を付けたほうが良いのは、最初に紹介した記事にもあるのですが、身近な人だと反対する人が多いということです。「『海外大学を目指したいと言ったら親に猛反対された』とか、『学校の先生にすごく反対されて説得するのが大変だった。説得に時間がかかってしまった』という同期が多かった」とあります。
偏見かもしれませんが、地方だとさらにその傾向が強いかもしれません。

大学の情報を集める

興味がある大学、学部の資料を見てみましょう。ホームページで簡単に探せるので、これは特に難しくないと思います。英語の勉強にもなります。
また、留学フェアのようなイベントが東京、大阪あたりでは開かれることがあり、そう言った場所で直接大学の担当者に話を聞きにいくのも良いと思います。

いつから準備すべきか?

よくある疑問が、子供の時から海外旅行や英語の環境などに多く触れておいたほうが良いのではないか、ということだと思います。個人的には、あまり関係ないと思います。もちろん、親の都合で海外生活となって、その国の大学に進学、ということはあると思いますが、小さい頃から何か特別な準備をしておく必要があるとは思いません。

もし高校を卒業して直接海外の大学に留学したい、ということであれば、もう少し長期的に考える必要はあると思います。なぜなら国によって求められる基準が異なり、例えばイギリスであれば日本の高校の卒業資格ではなく、国際バカロレアの成績表などが必要だからです。その場合は日本の高校で国際バカロレアの試験が受けられるところに進学するとか、高校から留学する、といった対応が必要になります。

子供の頃から英才教育をする必要はないと思いますが、振り返ってみてもう少し楽できたかもしれない、と思うのは、英語をもっと幼い頃から学んでいればよかった、ということです。とはいえ私は運が良い方だったと思います。というのも小学校5年生の時から、個人の英語教室に通うことができたからです。ネイティブの先生ではありませんでしたが発音が綺麗な日本人の先生が、カード遊びなどを使って会話とリスニングを中心に教えてくれました。おかげで多少リスニングの向上が早かったかもしれません。

言語の場合、子供の方が発音やリスニング力など圧倒的に成長が早いので、中学受験などで塾通いをするぐらいなら、英会話を早いうちからやっておいた方が良いと思いました。

地方にいると不利なのか?

情報がなかなか入って来ない、という意味では不利かもしれませんが、最近はスマホも普及しているしインターネットで世界中の情報がすぐに取れるので、情報格差は昔ほど深刻ではないように思います。

個人的には地方の人たちの方が、留学をするには有利だと思っています。それは中学受験の有無です。特に東京がひどいですが、私立受験中学の受験が加熱していて、小学校3、4年ぐらいから塾通いが始まります。中学受験の場合、出題範囲が小学校で習うことを超えているので、塾に行かないと受からないからです。

一方地方の場合は、中学受験がそこまで加熱していないので、高校受験から準備すれば良く、公立でもレベルの高い高校があることが多いです。塾に通わず済む分、将来の留学費用の節約にもなりますし(年間70万から100万ぐらいはかかるので、3年で300万弱)、ずっと公立でいけばさらに学費を抑えられます。平成30年の文部科学省の子供の学習費調査によると、私立中学校は年間140万円に対し公立は48万、私立高校は97万円に対し公立は45万です。中学校では年間92万円、高校では年間42万円私立の方が高いです。つまり公立の中学校、高校に進めば、6年間で402万円の節約ができます。その分将来の留学費用にあてられます。

また、高校受験は中学受験と違って試験範囲が中学校までの学習範囲なのに対し、私立中学受験は小学校の学習範囲を超えています。もはや塾に通わないと合格不可能なレベルです。つまり高校受験の方が難易度は低いです。私立中学受験のようにどうせ中学校で習うことに時間を費やすこともないので、その分を英語の学習に費やすこともできます。

もし地方出身の人に不利な点があるとすると、周囲の人が田舎から海外大学に留学する選択肢を持っておらず、あまり積極的にサポートしてくれないかもしれない、という点ぐらいではないかと思います。

まとめ

今回はどうやったら留学できるのか、という内容で個人的な経験からこうしておけばよかった、これをやっておいて役になった、これができなかったから困った、という点について紹介しました。

次回は留学先の大学選びについて紹介しようと思います。

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