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お金のカタチから見る資産運用 -おまけ1-
1.前回までのおさらい
過去2回分の内容はこちらからどうぞ。
不動産の現在価値を試しに求めてみようとして失敗。
そしてこの話、いくつか考えるべき要素があります。
・売れる金額と税務上の簿価は異なる
・多くの方から見えているのは実質の収入
・住宅ローンなど、いろいろな条件を実際の形として加味してみたときに、どのように住むのがよいのか
家の話は皆さん色々と気にする部分が多いです。
税の話も複雑です。
人生の中でも大きな買い物である家について、せめて身近な範囲だけでも身になる話を展開できたらと思います。
それではまいりましょう。
2.そもそも売れる価格っていくらなんだろう
住み替えなどを考える場合、今住んでいる自宅がいくらで売れるか、非常に気になりますよね。
マンションなどにお住まいの方は連日のようにポスティングされる無料査定のチラシにうんざりしている人も多いかと思います。
実際のところ、売れる価格がいくらかは私も知りませんでした。
ただ、それを決めていく要素が何なのか情報を収集してみると、次のパターンで分けられているようです。
①周囲の取引実績によって価格を探る (取引事例比較法)
②今建てるならいくらか (原価法)
③もらえる金額から逆算して求める (収益還元法(DCF法))
③は収益物件向けになるので今回は割愛します。
家賃×人数×期間×その他の要素で求めていくイメージですね。
・取引事例比較法
このフレーズ、私自身今回初めて見たのですが、
ざっくり言うと市況価格との比較でしょうか。
なんだか株の話みたいですね。
この方法については、主に土地とマンションの価格を求める際に利用されるとの事ですが、パラメータが次のようになっていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700716551347-Pj2arkHNTX.jpg?width=1200)
出典:https://o-uccino.com/front/articles/93605
そして、肝心の”周りの実績”ですが、
過去の成約内容はサンプル的にデータベース化されていました。
REINSという国交省指定の機構が管理・運営しているサイトです。
試しに自宅に近い箇所を検索してみると面白いかもしれません。
※ちなみに、プロ用には別のデータベースもあるようです。
この内容を見ていると前回のグラフなんてほとんど参考になりませんね。。
ただ、一方で思う点が、
時間が経っても評価を受けやすい所を買うのが価格を維持するコツ
という点です。
先程のREINSでいくつか検索してみると、
築30年ほど経つマンションでも数千万の取引ができている実績もありました。
これはどういうことか
住宅ローンをほぼ完済した状態から数千万のキャッシュが転がり込む
ということを表しています。
この話後にも触れます。
・原価法
どちらかというと戸建向き?
このような特徴があるようです。
・土地などを新たに取得して再建築するような考え
・逆に土地の再取得が難しい地域での評価が難しい
・再建築した建物を消耗させた(減価させた)と仮定して価格を割り出す
この前トライしようとしたグラフに近いイメージですね。
条件変えて再掲します。
土地:2,000万円
建物:4,000万円 (戸建て)
建物により法定耐用年数が変わります(戸建ての場合、22~27年とか)
今回は27年をベースとした同じ価格での減価でみます。
(これを”定額法”と言います)
![](https://assets.st-note.com/img/1700720115783-sQPkAMLX2N.jpg?width=1200)
最終着地は土地の価格ですね。
3.住宅ローン・税務との関係
ここまで家の評価という視点で記述しておりましたが、
ここから実際のお金の出入りという観点で考えようと思います。
先程のグラフに住宅ローンの残高を追加します。
![](https://assets.st-note.com/img/1700721590334-CFMwiAqZ8R.jpg?width=1200)
仮に途中で売るとしてもローンを返して終了という構図になっています。
ここにもう1点視点を追加します。
税務上の価値です。
この税務上の価値を上回るかどうかで
税金(所得税)が発生するかどうかが変わってきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1700722594241-0s308OYmSV.jpg?width=1200)
税務上は減価の期間を長く取ります。(個人使用の場合)
緑を青の位置を改めて確認していただきたいですが、
青が緑を上回らない限りは税金は発生しません。
将来土地の価格が変わった場合などは逆転の可能性もありです。
ここでもう1点、前回取り上げたマンションの事例と重ね合わせてみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1700725105221-yRMA5VA1Bm.jpg?width=1200)
マンションについては先に述べたように市況により価値が変動します。
上の図よりももっと減価している可能性も十分ありうるかと思います。
ここで一番肝心な点ですが、
グラフ上でいかに価値が下がらない方法を考えるか
ここに尽きると思います。
マンション・戸建て関係なく、
後までに価値が維持される形(場所の選定・後々の開発予定の検討など)
をどこまで網羅するか、ここにかかっていると考えます。
また、ローンは35年が上限であるため、
35年経てばローンを組み替えない限りは必ず残額ゼロになります。
つまりは価値を維持することは後の住み替え時の手残りにも直結します。
この手残りをいかに大きくするか、
これがいわゆる資産運用という見方にもなるかと思います。
4.住宅関連のお金は難しい
今回も、内容的にこってりな感じになりましたが、
不動産について仲介側がこのような考えの下でやっているというのが
分かっただけでも一応の収穫があったと思います。
ちなみに、ここに税務の知識を突っ込むと更に複雑になると思いましたので、今回はここまでにしておきます。
また、今回の記事の初期に出てきた”収益還元法”について、
似たような考えを用いながら身近な例に切り込んでみたいと思います。
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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