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転職活動しながら考えたエンタメのこと


転職先決まりました。
行き当たりばったりな割に軸に沿った転職先が見つかったので、本当に良かった…。

コロナ渦で不安な中の転職活動でしたが、コロナ渦だからこそ需要が増えていたIT系のライブ配信事業求人のひとつに運よく引っ掛かりました。
ホトホト運の良さだけで生きてるなと実感。

転職活動中、エージェントと話していて気付いたんですが、エンタメ業界からIT業界に転職する人はいても、逆はあまり見ないなと。
最近、霞が関がデジタル化で盛り上がってますが、エンタメ業界もIT人材やビジネス人材を積極的に入れればもっと活性化されるんだろうなーと。



ということで、転職活動しながら考えたことを思考メモ的な感じでつらつら書いていきます。


まず思ったのは、エンタメ業界には、映画やテレビなどのコンテンツを作れる人はいっぱいいるのですが、作ったコンテンツをビジネス文脈に乗せられる人がいない、そもそもビジネス思考があまりないことが多いなーということ。
プロデューサーがそういうビジネス思考を持ってるんだと勝手に思ってたんですが、どうも違っていて、僕が知る限り、大手エンタメ企業に勤めているプロデューサーほど、あくまでコンテンツ制作にフォーカスしたプロデューサーであることが多いというか、ほとんどそうだと思います。
それは業界の人材の質に問題があるというより、業界全体の構造的な問題な気が。

テレビや映画を作るためには、とんでもなくお金がかかります。
そのとんでもない資金を集めるためにはある程度の信用とパイプが無ければ難しいので、必然的に主導権を握ってコンテンツを作れるのは、オワコンと言われつつもまだまだ強いメディア媒体であるテレビ局だったり、全国各地に映画館を持つ映画会社など、ある程度の層にリーチできることが担保された大手の会社になってきます。

1つのコンテンツを作るための業務内容は多岐にわたり、資金集めに始まって、監督や役者などのブッキング、テレビ局や映画館などの媒体への働きかけなど、業務量も膨大です。
だからこそ、大手であればあるほど、営業は営業部、宣伝は宣伝部、制作は制作部など完全分業され、制作スタッフは純粋に制作にコミットできる超合理的な組織体制になっています。

テレビも映画も突き詰めると、スポンサーからの広告費が制作費に充てられているのですが、広告費は狙ったターゲット層に訴求するためのお金なので、そのテレビ番組や映画の内容が狙ったターゲットに刺さるのか、どう宣伝すればターゲットに届くのか、みたいなビジネス視点が外せないはずなのですが、制作側にあまりそういう思考がないのは、ひとつひとつの案件規模がデカすぎるがゆえに、完全に分業されていて、そもそも考える必要がないから。

むしろ下請けにあたる制作会社は、テレビ局などをクライアントとしたクライアントワークみたいな感じになるので、コンテンツが狙ったターゲットに刺さるかどうかより、どうやってテレビ局から仕事を受注し続け、会社として利益を上げていくか、という発想になっていくのは自然です。
結果として、企画を提案するにしても、ターゲット層がどうのというより、テレビ局のあの編成部員にハマりそうな企画、あのプロデューサーに受けそうな企画など、特殊な業界の村の中で受けそうな企画を作ったり、カスタマイズしてしまうことが多いような気がします。



長くなりましたが、ここまではなぜ、エンタメ業界にビジネス思考の人があまりいないのか、という話。
ここからは、なぜビジネス思考の人がいた方がいいと思うのか、という話。

理由は、業界内にビジネス思考の人がいれば、より面白いヒットコンテンツが生まれてくると思うから。
クリエイティブとビジネスの両立ってすごく難しいですが、そこを両立させるようなスキルが個人的にほしいなと考えていて、前の記事で書いたようなマーケティング的な仕事がしたかった。

最近知ったのですが、ネットフリックスで話題になった「愛の不時着」「梨泰院クラス」などヒット作を作っているのは同じ韓国の制作会社らしいです。有名俳優もこの制作会社に所属していて、要は芸能プロダクションみたいなことのようです。
スタジオドラゴンという会社なのですが、ヒット作は狙って当ててるという。どうやって当ててるかというと、やっぱりマーケティングだという話。

今の日本の芸能プロダクションにマーケティング機能があるとはあまり思えないのですが、逆にマーケティング的要素があれば、コンテンツ制作においてもめちゃくちゃ強いはずだよなぁと。
ただエンタメの世界にデータドリブン思考やマーケティング要素を持ち込むってことを受け入れずらい風潮はまだまだあるような。
でもこれから、エンタメ業界内でのマーケティング的ポジションの需要が増えていくんじゃないかなーという希望的観測。
IT×芸能プロダクションみたいなベンチャーが出てきて一気に急成長してくれれば、もっと面白いコンテンツが生まれて、業界全体も変わっていく気がします。


今回の転職活動がエンタメのことを色々と考えるいいキッカケになりました。
とりあえず転職先で自分のできることから頑張っていきます。
そして、IT業界の人、エンタメ業界に来てほしい…。

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