見出し画像

なぜエンタメが好きなのか

昔から、将来の夢がコロコロ変わるタイプでした。

GTOやごくせんを見ると教師になりたくて、カバチタレを見ると行政書士になりたくて、踊る大捜査線を見ると警察官になりたくて、HEROを見ると検察官になりたくて、ブラックジャックを読むと医者になりたかった。
という、とんでもなく影響を受けやすい単細胞。

ターニングポイントになったのが、とある映画を観たとき。
パンフレットを購入して読むと、実際の職業は全くこんなんじゃないと書いてあり、そこでやっと、本当は教師にも行政書士にも警察官にも検察官にも医者にも興味はなかったんじゃないかと、思いました。
実際には泥臭い職業を魅力的に見せるエンターテインメントに惹かれていたことにやっと気づき、結果的にエンタメの世界へ。

エンタメの仕事を選んだはいいものの、仕事では基本プロデューサー的な立ち位置を求められ、やればやるほど、僕個人としては、クリエイティブをやりたいかもという気持ちが沸々とわき、同時期に、業界内で共通言語とされる”面白い”と自分の思う”面白い”が乖離しているんじゃないかと不安も覚えていました。
そこで、自分が純粋に面白いと思うものを作りたいと考え、学生時代に少しかじっていて、昔から文章だけは褒められていた、という理由から脚本スクールに通い、脚本を書き始めました。

これがとんでもなく楽しく、脚本家になろうとまたあっさり決定。
脚本は泣かず飛ばずな割に映画コンペに出した企画だけがいいところまで運よくいっちゃったのを機に脚本の仕事を受注し始めました。
コンクールでは全く箸にも棒にも掛からないものの、脚本で関与したYoutube配信動画は漫画動画から実写までコンスタントに10万回再生を突破し、100万回再生も突破するなど、ネットでは割と強いかもと少し自信になっていきました。

でも、しばらくすると、脚本の仕事ってどこまで行っても受注だな、と気づきました。
基本はテレビやラジオなど決まった枠を他の脚本家志望者と奪い合う形。
決まった枠を勝ち取るよりも、枠を作る側に回りたかった。
調べると、ハリウッドにはショーランナーという脚本家兼プロデューサーみたいな人がいるらしい。これになりたい。
ここで、本業のプロデュース経験も無駄じゃなかった、というか、クリエイティブとプロデュース、両軸で回さなきゃダメだと気づく。

そして、自分の脚本を漫画にしてみたり、映画制作のクラウドファンディングを立ち上げてみたり、イベントをやってみたりと、自発的に仕事を生み出せるようなキッカケ作りに奔走。ここでは本業で培った制作力が大いに役立ちしました。

これが脚本を書き始めて3年目あたり。
脚本を書きながら、コンクール受賞までしてるのに、プロになれない他の脚本家志望者を横目で見ていて、何のために書いてるんだっけ、と思うことが多々ありました。
コンクールで受賞してもプロになれない人が身近にいるのに、自分も含め、脚本家志望者はみんなコンクールを目指して作品を書き続けている。
ここに矛盾を感じていました。
自分というより、他の才能や実力がある人たちに、きちんと光が当たるべきだと思いました。

そこで、今後はクリエイターでも、面白いものをターゲットに届けるまでの導線が引けるマーケティング力を身につけなきゃダメだと本業のプロデューサーとして力を入れ始めました。
ある程度、数字で結果を出せたものの、インフルエンサー的なタレントの力に頼っているところが大きいような気がするし、会社の特性上、タレントを絡めないコンテンツ制作が今後できるとは思えなかった。
マーケティングなどの本質的なプロデュース能力を自分のスキルとして身に付けたいと思うことが多くなりました。

ネットフリックスがすごいのは、ロジックで説明できないことが多いエンタメの世界にデータを持ち込んで成功させたことだと思っているのですが、ネットフリックス以外の現行のエンタメ業界ではデータを分析してコンテンツ制作に活かすみたいな、いわゆるマーケティング的なことは正直まだまだやっていないなと思っています。
もちろんデータをコンテンツに反映させればすべて上手くいくわけではなく、それが面白くもあり、難しくもありますが、、、それにしても驚くほどにIT化が進んでいない…。

今よりIT化された環境で、企画段階からターゲットに届けるまでの導線をある程度ロジカルに戦略設計したコンテンツ作りに携わりたいと思うことが多くなり、、、

そういうことがやってみたいなと、とりあえず会社を辞めることにしました。
現在転職活動中です。
この時期に大丈夫なのかというお声もありながら、見切り発車してしまいましたが、人生大体のことはなんとかなるので、大丈夫、、、なはず、、、、です。

転職活動をする中で、なぜエンタメが好きなのかを改めて考えることが多くなったのですが、人の価値観を拡張させるものだからかなーと。
日常で会えば受け入れられない人でも、映画の登場人物として出てくると、意外な二面性が描かれ、その人物に共感する、みたいなことが起きます。
それで、こういう人がいてもいいよね、と受け入れられたりする。
他人に対する許容範囲が広くなったりする。
目を背けたくなる部分も含めて自分を認め、他者を認めることができるよう、価値観が拡張される。本当の多様性への近道がエンタメだと思います。

そんなエンタメをこれからも作っていきたいなと。
そして、才能のある人、実力のある人が、好きなものを作れる土壌を作り、売っていく導線を引けるプロデュース能力を身に付けたい。
エンタメは理解しがたいものを伝えるための最高の媒介なので、どんな業界でも必要なものですし、本質的なプロデュース能力が身につくのであれば、今までの経験を活かし、どんな業界でもチャレンジしてみたい。
だから、次はまたエンタメ業界にいるかもしれないし、いないかもしれないなーと思っていますが、ファーストキャリアでエンタメ業界を選んで、脚本を書き始めたからこそ、今またセカンドキャリアに向けて走り出せているのかなと思います。

コロナ渦の中ですが、頑張ります。
そして、いい転職先があれば教えてください(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?