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こまった課? キャリア学習プログラム 「カードゲームとワークショップで『働く』を考える」 開催レポート 【後編】

こんにちは、「こまった課?プロジェクト室」竹内です。私たちは、日本社会事業大学さまとともに、「こまった課? キャリア学習プログラム」を2022年1月11日(火)に開催いたしました。

テーマやプログラム設計についてご紹介した前回に引き続き、今回もデジタル・アド・サービスの宮尾、中野、竹内、ご協力いただきました「ひだまりの里きよせ」の松岡さん、常安さんの5名で、本取り組みについて振り返っていきたいと思います。

後編では、当日の様子や活動の振り返りについてご紹介します!

■ 振り返りの参加者
・宮尾奈央:株式会社デジタル・アド・サービス UX/UIデザイナー
・中野華穂:株式会社デジタル・アド・サービス グラフィックデザイナー
・竹内悠:株式会社デジタル・アド・サービス コピーライター/コンサルタント
・松岡千登勢:清瀬育成園 ひだまりの里きよせ 主任
・常安彬子:清瀬育成園 ひだまりの里きよせ 主任

■ 聞き手・執筆:卯岡若菜

上段左から、竹内(デジタル・アド・サービス)/ライター 卯岡さん/中野(デジタル・アド・サービス)。下段左から、宮尾(デジタル・アド・サービス)/松岡さん、常安さん(ひだまりの里きよせ)

プログラム当日の様子

——当日の皆さんの役割についてご紹介ください。

竹内:私は司会進行を担い、全体の様子を見ていました。参加した学生さんは11名、3グループに分けて行いました。

中野:私は各テーブルを回り、写真を撮ったり様子を見守ったりしていました。

宮尾:私も中野さんと同様、各チームの様子を見回りました。

松岡:私たち、ひだまりの里きよせの職員は各チームに入り、ファシリテーターを務めました。

——当日の印象はいかがでしたか?

常安:個人的に、学生さんたちとなじめるかが心配でしたね(笑)。私のチームには聴覚障がいの方が2名いらしたこともあり、打ち解けられるかなと。ただ、それは杞憂でした。学生さんたちは皆さんとても明るく、すぐに場が和みましたね。ほっとしました。

松岡:本当に場が温かかったですね。「自分がこの住人になったらどうしよう」「こういう場面だと困るよね」と会話が弾んでいました。ある学生さんが「住人ではなく、周りにいる人が困るかもね」と話していたことに驚きましたね。1年目の職員でも気づけない「周辺の人がどう考えるのか」にまで思い至れたのがすごいなと。

ワークショップの様子。
参加者どうし、また、ファシリテーターとコミュケーションをとりながら、
和やかな雰囲気のなか、進行していきます。

常安:「困らないだろうと思っていたけど、困ると感じていたんだな」と感想を述べてくれた学生さんがいました。これまで自分の中になかった発想、見方に気づいてくれたのかなと思いましたね。

また、ワークショップの大切さも感じました。仕事では診断名が先にくるため、無意識に構えてしまう部分があります。知識がある分、「こうだよね」と枠にはめてしまうこともあるんですよね。そうではなく、一人ひとりを知っていくことが大事なんだよとお話しさせてもらいました。

キャリア学習プログラム「カードゲームとワークショップで『働く』を考える」資料より:
問いを起点に、ゲームでの体験を「多様な⼈と関わること」や 「働くこと」いった
プログラムのテーマに引き寄せて考え、対話します。

竹内:ワークでは「いろいろな人が一緒に働くとき、どういう関係性があればいいだろう」という大きな問いと、「そのために自分には何ができるか」といった小さな問いの2種を用意しました。大きな問いは、抽象度が高く学生さんにとって難しい部分もあるだろうなと思っていましたが、皆さん真摯に向き合ってくれていたのが印象的でしたね。

全体を見ていて、ひだまりの里きよせの職員さんたちと自然と話せていたのも良かったです。教える・学ぶではなく、みんな同じ目線で考えられたのは、学生さんたちにとって大切な経験だったのではないかなと。

中野:最初は緊張した様子も見られましたが、スムーズに和やかな空気になったなと感じました。

宮尾:ゲーム中、職員役のメンバーたちで「どうやって聞けばいいだろう?」と自然と相談し合っていたのが印象に残っています。皆さんがおっしゃっているように、本当に会場の雰囲気が温かかったですね。

「大きな問い」はグループごとに大きなワークシートを使って意見を交換、
「小さな問い」は1人ひとり、自分の考えをシートに記入します。

——学生さんや、ご担当された上村勇夫准教授からのご感想はいかがでしたか?

竹内:上村先生からは、「キャラクターがかわいくて、学生に好評でした。自然とさまざまな障害についてしっかり把握しようとする仕組みがあるので、障がい理解の効果は大きなものがあります。学生からは、ロールプレイングと同じ効果が得られて、さらに、ロールプレイのように演じることに気をとられず自然と集中できた、という感想も聞かれました。また、プログラムのテーマも学生にとって、とても刺激となったようです」とお言葉をいただきました。

学生さんからは、「自分にない意見や考え方を知れてよかった」といった声が多く、そのことについて「楽しかった」と感じてくれていることに喜びを感じています。

中野:「アルバイトでの利用者さんとの関わりに活かしたい。ゲームやワークを通して、心に余裕が生まれました」という感想がうれしかったです。ひだまりの里きよせの方と話せる時間がよかったと書いてくれた学生さんも多く、これからもぜひご一緒したいなと思っています。

松岡:1回目も2回目も、私たちと話せたことで学びを得られたと回答してくれた学生さんがいたことはとてもうれしいですね。一緒にワークをすることで、学生さんたちに何かメリットがあるのだろうかと思っていましたが、学生さんたちは会話からどんどん吸収していってくれるんだなと感じています。

常安:「話しやすい雰囲気でした」「楽しかった」と言っていただけてよかったなと思っています。今回は感染予防のため、現場で直接利用者さん支援にあたる若い職員たちには参加してもらえませんでしたが、職員側の学びにもなるため、ぜひ今度は若い職員にも参加してもらいたいです。

ワークショップの様子。
テーマに対してのそれぞれの意見を表現できること、
互いにその意見を受け入れることが大切にされる時間となりました。

活動を振り返ってみて

——改めて、今回の活動のご感想、今後への想いについてお聞かせください。

常安:私は、学生時代の実習で楽しいと感じたため、この世界に飛び込みました。ずっと続けられているのは楽しさややりがいがあるからですが、入った当初は「こんな人もいるんだ!」と衝撃を受けたこともあります。学生さんには、学生時代からこまった課?の住人を通して、障がいの有無を問わずいろんな人がいることを一つひとつ知っていってもらえたらなと思いますね。今後、活動の幅を広げていけるとうれしいです。

松岡:住人さんのキャラクターを通して、ゲーム内はもちろん、日々の生活の中でも「あれ、これって〇〇さんだと困る?」と考えられるようになりました。障がい名で理解していたつもりの私たちにも気づきがあるゲームなので、職員にもやってもらいたいと思っています。今後もぜひ一緒に活動したいです。

竹内:ありがとうございます!ゲームのプレイ体験とワークショップで、学生さんたちにとって、多様な考え方や感じ方を想像してもらえるプログラムにできたかなと思っています。学生さんたちが社会の多様な人たちとの関係性の中で、何を大切にしたいのかに気づけるプログラムとして、今後も続けていきたいですね。

宮尾:コロナ禍の影響を受け、学生さんたちも対面で話せない時間が多かったと思います。そんな中、ワークショップで自分の考えを伝えたり聞いてもらえたりする機会をつくれたことも良かったのではないかと思いますね。自分を大切にしつつ、他者と向き合いながら自分の言動を考える。そんな大切な部分をこまった課?を通して知ってもらいたいです。就活はどうしても自分のことでいっぱいになってしまうからこそ、視野を広げてもらえたらなと。

中野:知ることによる安心感は大きいと思っています。また、社会で暮らす「困っている方」にとって、私たちのような「そういう人がいると知らせようとしている存在」は、もしかしたら安心につながるのかもしれません。私たちの取り組みから「知ることで安心して対応できる」人が増えることで、安心して生活できる人が増えていけばいいなと思います。


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