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散文詩

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2020年2月の記事一覧

メッセージ

陽射しが眩しい。

未だ季節は
冬のさなかなのに、

春を飛び越して、

初夏のような光が
天窓から降り注いでいる。

母はツツジの花が嫌いだと
よくこぼしていた。

母の父である祖父が
不慮の事故で亡くなったとき

道路にはツツジが
咲き乱れていたそうだ。

あの人も

真冬のさなか
唐突に逝ってしまった。

つむじ風のように
消えてしまった

あの人。

サヨナラも言えず、
皆にぽっかり穴を空

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たかが電気 
されど電気
みなが電気に狂い咲き

俺のスマホも 
電気なければ
動かない

電気を使う人が住む土地
電気を作る人が住む土地
その間には距離があり

使う側は金はあるから
電気をくれといい

作る側は生きてくために
電気を作るという

これでいいのか
これしかないのか

綺麗な土地は汚されて
戻ることすらままならない

一見クリーンなエネルギー
その裏に隠れてる猛毒を

誰も手懐けら

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絶対や必ずを使いたい衝動

絶対というものもない代わりに必ずというものもない。世の中は絶対や必ずの間の揺らぎの中で時を刻み続けているだけなのに、なぜ絶対とか必ずとか実際にはあり得ない言葉を人は産み出し使いたがるのだろうか。そこには希望や絶望といった人々の願いが埋め込まれているからなのだろうか。絶対や必ずという言葉を僕は使いたくないし、使いたいというその衝動に打ち勝ちたい。
#詩 #散文詩 #絶対 #衝動