アジア紀行~ミャンマー・バガン⑩~
Mani Sithu Market
バガン3日目の朝がやって来た。よく眠った。
ホテルのレストランで朝食。この時間がとても好きだ。
この日も e-bike を借りて、朝からニャウン・ウーのマーケットに行ってみる。このマーケットの正式な名前は「Mani Sithu Market」という。
旅に出ると、行く先々の土地の市場を徘徊する。近代的な観光用のショッピングセンターになってしまうと興味はなくなる。しかし、現地のさまざまな食べ物が並ぶ市場は、人々の生活やエネルギーが感じられて、ワクワクする。
Mani Sithu Market は、ホテルからはオールド・バガンとは反対の方向1kmほどの所にあって、バイクならすぐである。
実際行ってみると、思った以上に大きなマーケットで驚いた。
野菜や果物を売っている露天。頭をたっぷりと布で覆っているのは、どこかの少数民族のおばさんだろうか。
ミャンマーの人口の7割はビルマ族が占めるが、残りは百を超える少数民族である。少数民族の人々は山岳地帯に多く暮らしていて、この旅でも、いろんな少数民族の人たちと出会った。
肉や魚を売っているのも女性だ。目の前で解体しながら売っているのはヤギの肉だろうか。みんな生活感があってたくましい。
ここでアクシデント!
デジカメのバッテリーマークが点滅し始めた。昨日の夜、充電するのを忘れていた。このあとオールド・バガンに向かう予定だったが、これでは持たない。急遽ホテルに戻って充電し、予備のバッテリーに切り替える。
マーケットのほうは、まだ半分も歩いていないので、翌日もう一度訪れることにする。
川があふれている!
午前10時過ぎ、オールド・バガンに向かって出発。
昨日まではホテル前の道路を通ったが、今回は北側に平行して走る道路でタラバー門まで行こう。
ホテル前の道路を少し走って、すぐに右に折れる。シュエジーゴン・パゴダの方角だ。広い道路に出たら、次は左折。しばらく行くと小さな川がある。もちろん橋があるが、昨夜の雨のせいで水が道路にあふれていて、どこが橋かもわからない。
車が水しぶきをあげながら、通り抜けていく。
車は大丈夫なようだが、バイクは厳しそうだ。うまく乗り切るものもある一方で、点火プラグが濡れてエンジンがかからなくなるバイクもある。そうなると押して歩くしかない。
女性が二人、あふれる水の中を歩き始めたものの、どうしようかと途方にくれている。しばらくして、あきらめて引き返してきたが、後からやって来た車に頼んで乗せてもらっていた。美人は得だね。
馬車のおじさんたちは高みの見物。
「渡るの?」と尋ねると、首を横に振って、しばらくすると引き返していった。
ところで、ぼくはというと・・・、不安だったのは事実だが、実はちょっとワクワクしていた。あの水しぶきを上げて突っ走るバイクのまねができるだろうか。なんだか面白そう・・・。
というわけで、そろそろ水に入り、右手のアクセルを回す。足下は水浸しだが、e-bike はエンストすることもなく、快調に前進してくれた。
深いところを渡りきると、達成感のようなものを感じる。我ながら単純だなと、心の中で苦笑い。
こちらの道路にも、両側に寺院やパゴダが点在している。寄り道しながら時間をかけてオールド・バガンに近づいていく・・・という話は、次回にします。
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