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アジア紀行~ベトナム・ホーチミン⑤~

再びニャンさんのバイタクに乗る

メコンデルタ・不思議ツアーの翌朝。
昨夜は疲れて、あっという間に眠ってしまった。鏡に映る自分の顔がぼんやりしている。シャワーを浴び、身支度をして、やっと普通に戻る。
アジアンホテルのレストランで、フランスパン・ハムオムレツ・コーヒーの朝食。ホテル案内の表紙がいい。

今日もニャンさんの案内で市内を回ることになっている。約束の時間は10時なので、しばらく読書。

ホーチミン市ベトナム歴史博物館
最初に向かったのは、第1区のグエンビンキエム通りにある「ホーチミン市ベトナム歴史博物館」。建物の設立は1929年にさかのぼる。

入館料10,000ドンを支払い、ベトナム語と日本語で表記したパンフレットを受け取る。

博物館の中は広くて、展示室は十数室もある。前半は人類誕生からベトナム共産党の誕生までの歴史、後半はベトナムと周辺国の文化や芸術を紹介する。解説の文字はまったくわからないが、後半の展示の方が楽しめた。
博物館のある一体は広い公園になっていて、動植物園がある。出口の向こうにお寺が見える。

この動植物園の創立は1864年までさかのぼるそうだ。アジアでは最も古いとか。動物園も植物園も好きなので行ってみたかったが、ニャンさんを待たせているので、今回はパス。
かわりに先ほどのお寺の前まで行くが、ニャンさんが、昼間は門を閉めていて入れないという。お寺の昼休み? 理解できないが、仕方がないので、別のお寺に連れて行ってもらった。

福海寺(玉皇殿)
お寺の名前は「福海寺」といった。もとは「玉皇殿」という道教寺院だったそうだ。内部には派手な尊像が祀られている。信仰心の篤い人々が訪れ、束ねた線香を頭上にかざして拝んでいる。

天井の隙間から差し込む光が、いくつもの筋になって降臨する。

ホーチミン・シティの午後

なかなかいいお寺だった。バイクが走る町の通りから一歩入っただけで別世界を経験することができる。
時計を見ると、昼ちょっと前。さっきの動植物園が気になる。ニャンさんに言って、もう一度戻ってもらう。午後1時に門の前という約束で、入園する。

サイゴン動植物園
この動植物園の名称は「サイゴン動植物園」という。入園料8,000ドンを支払う。

この日の天気は晴れ。青空の下の動植物園散策はうれしいが、とても暑い。動物たちもぐったりして、あまり動かない。「動物」なのに。元気がよかったのは、ゾウとカバぐらいだった。

昼間の暑さのせいか、訪れる人も少ない。園内をゆっくり歩いて回るが、シャツに汗がしみる。

バインセオ46A
約束の1時に園外に出ると、こちらを見つけたニャンさんが手を振っている。すでにお昼時なので、何かベトナムらしいものを、とリクエストする。バイクの後ろにまたがって向かったのは、ハンバーチュン通りを一筋入ったところにある「バインセオ46A」という店だ。

ここはガイドブックにも必ず載っているという有名な店らしい。
「バインセオ」というのは、ベトナム風お好み焼きとか、ベトナム風オムレツと言われる食べ物で、米粉とココナッツミルクなどで作った生地で、もやし・豚肉・タマネギ・エビなどを巻いてパリッと焼いたもの。香草をはさみ、ヌックマムをベースにしたたれをつけて食べる。
これが美味しい。写真を撮るのを忘れて食べ始め、半分以上食べ終わってから気がつく。

これで22,000ドンだから、200円弱。安いものだ。

ニャンさんがこの後の予定を聞いてくる。ベトナム戦争のときに、南ベトナム解放民族戦線によって掘られた地下道クチトンネルや、ベトナムの伝統工芸の焼き物バッチャン焼きの見学をすすめられる。
どちらもここからは遠い。暑さでちょっとバテ気味なので、今日はここまでということで、ホテルまで送ってもらう。
本日のバイタク料金は6ドル。

ホテルに戻り、シャワーで汗を流し、日記を書く。いつの間にか眠ってしまう。
目が覚めると、いつの間にか夕方になっていた。日没まではまだ間があるようだ。窓から見下ろしたところは交差点。バイクが多い。

交差点のバイク
ホテルの窓から見える建物

ホテルを出て、ドンコイ通りを散歩する。ミニ・マートがあったので、オレンジジュースとミネラルウォーターを購入。持ち歩くのは重いので、ホテルに置きに帰り、今度はレタントン通りを歩く。日本食レストランがいくつもある。道端にテーブルと椅子を出して焼き肉を売り物にしている店もある。匂いが食欲をそそる。
ベトナム・フォーの店を探していたら、「らーめん」という文字が目に飛び込んだ。ここに入ったら「負け」と、変な抵抗を感じながら、結局その店に入ってしまった。ベトナムで「醤油ラーメン」を食べてしまう。まあ、そんな日もあるか。
ホテルに戻ったのは午後8時。少しずつ一日が終わっていく。

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