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陽気の中での田植えは良い思い出に

今年の田植は5月8日から始まりました。

田植えは、朝7時に育苗ハウスに集まり、1日の予定を話し合ってから田植えに向かいます。
田植え予定の圃場にはっておいた水を、植えやすい水位まで排水し、圃場の隅に溜まった稲ワラ等を取り除いて植えられるようにします。

田植え機は、1年前の5月に10日ほど使用しただけで、1年間、田植え機を使用しておらず、格納庫に入れたままになっております。
2月に入ると、順次機械の整備を進め、田植え機の整備も行っておりますが、いざ圃場に入れると不具合が生じ、農機具メーカーを呼んでくることもあります。

晴れと曇りの日は、田植えは順調に進みますが、雨が降り、風が強いと、田植えができません。

田植えには、協会の新入社員も研修を兼ねて手伝いに出ますが、怪我をしないことを最優先にしております。
今年の田植えは、最初の2日間は少し寒かったのですが、3日目以降は暖かい日が続いたため、初めて田植えを手伝った新入社員も、良い思い出になったのではないでしょうか。

協会では、田植え、玉ねぎ植え、収穫の時等、多くの社員が応援に出るので、普段会話をする機会が少ない社員も、お互いを知り合う良い機会になっております。
他の農家の方は家族だけで田植えをしているので、圃場には2人くらいしかおりませんが、協会では、いつも5~6人いるので、不思議がられているかもしれません。

田植えが始まると、朝晩2回、圃場を回りますが、1回1時間半かかるので、毎日、3時間のドライブになります。
毎日、朝晩ドライブをしていると、10組ほどのキジやカモの夫婦に会いますが、1ヶ月後には、スズメのような小さな雛が親鳥の周りを歩き回り、3ヶ月後には、小さかった雛も親鳥と同じくらい大きくなります。


秋田県は日本で一番、高齢化と人口減少が進んでいると言われておりますが、その秋田県で、一番高齢化と人口減少が進んでいるのが、大潟村の隣の男鹿市のため、男鹿市は日本一の高齢化と人口減少の市ということになります。
その男鹿市の人口減少の最大の理由が、地球温暖化により海水温が上昇し、「ハタハタ」という魚が全く獲れなくなったことで、漁師の方が漁を続けることができなくなり、男鹿市を離れることになったからです。

温暖化により海水温が上昇し、それまで住んでいた魚が他に移動し、獲れなくなったように、高温により、農作物の栽培適地も変わっております。
そのため、海の魚のように移動できない農業は、高温に対応できる作物や品種に変更しております。

全国の農業地帯は、農業者の高齢化と農業者人口の減少が加速しておりますが、そのことをピンチとだけ考えずに、規模拡大と農業機械の自動化のチャンスが来たと考えることで、新しい農業の時代を築くことができるのではないかと考えております。
自然環境の変化、時代の変化に対応する新たな農業者が現れることで、新たな農業が創造できるのではと考えております。

令和6年6月
大潟村あきたこまち生産者協会
涌井 徹