#35 僕は透明人間
我が家は、息子が小学校2年生に上がる時に東京へ引っ越してきました。
転校先の小学校に通い始めて少し経った頃、息子がこんな風に言いました。
「ぼくは、学校で怒られるときだけ見える透明人間なんだよ」
どういうこと?って聞くと、
「音楽室も図工室も分からないのに、先生の指示に従えないと怒られるの。」
面談の時に先生にその件についてお話を伺ってみると、
「○○(息子)くんはクラスに馴染みすぎてて、ついつい転校生ってわすれちゃうんですよね」
って笑っていました。
その時は息子の言うことが気にはなったものの、そのまま流してしまいましたが、息子はずっと自分のことを「怒られる時だけ見える透明人間」って感じ続けていたみたいです。
中学受験をする時に、息子が行きたい学校を決めた理由は、先生が息子の目を見て挨拶をして話しかけてくれたから。
「この先生には、ぼくが見えているんだね。この学校の先生はぼくに挨拶をしてくれるし話しかけてくれるんだ」
嬉しそうに話す息子に衝撃を受けました。
息子が信頼する先生は、息子のことを見てくれている先生。
転校する前の学校の担任の先生は、本当に細かい部分まで息子のことを見てくれて、良いところをたくさん褒めてくれました。
だけど、転校先の先生はできて当たり前、できないことを探して突然怒り出す先生がとても多かったです。
息子の学年は、卒業するまで毎年何かしらの大きな問題があったり、頻繁に学級崩壊もしていたから、先生たちも余裕がなかったんだと思います。
「見てくれている」
ここがとっても大切なんですね。
私はあなたを見ています。
あなたの力が見えますよ。
あなたにはたくさん素敵な力がありますね。
そして、あなたの心もみています。
あなたには勇気と思いやりがありますね。
あなたが大切にしているものは、どれも素敵でとっても興味深いです。
あなたはとっても大切な存在です。
あなたは唯一無二の存在です。
とても魅力的な人ですね。
私は、ありのままのあなたを見ています。
本当のあなたを見ています。
私はあなたのことを信じ、いつも見守っています。
こんな視点からありのままの息子をサポートして、どれほど大切な存在なのかしっかり伝えてあげたい。
息子を親の欲や操作などせずに、どんな息子でもしっかり認めてあげられるようになりたいです。
息子に「あなたはご先祖様からたくさん良いものを受け継いできているよ。ご先祖様がいつも見守ってくれているんだよ。神様も宇宙もみんながあなたを見守ってくれているよ。」って伝えていたら、いつも何か大きなものに見守られているような感じがして、「何があっても大丈夫」って安心感を感じるようになりました。
あなたは両親や祖父母、ご先祖様や神様、とても大きな存在にいつも見守られているんだよ。
だから、あなたは大丈夫。
どんな問題も乗り越えられるよ。
大きな力を感じる大きな安心感を息子にも私が伝えてあげたいです。
息子が赤ちゃんのころを思い出しても、息子は何か新しいチャレンジをするときも、何かできた時も、不安なときも、いつも私を探してました。
そして、目があったら安心してました。
赤ちゃんのころから、信頼している人が見てくれている安心感ってずーっと変わらないんだろうなって思います。
私が息子をしっかりみることで、私の目を通して、息子が大きな存在に見守られていることやたくさんの人たちと繋がっていることが伝わればいいなと思っています。
とても印象的だった出来事があります。
まったく褒めているつもりはなかったけど、その人がしていた行動をただ伝えただけでお礼を言われたことがありました。
「褒めてくれてありがとうございます。そんな風にみてくれているんですね」
みてもらえると安心する
みてもらえると嬉しい
逆に、見てもらえないと人や社会、人生から切り離されているように感じる。
孤独、無価値、絶望感。
誰の役にも立てないと自分が無力に感じてしまう。
透明人間だった息子は、学校でずっと孤独だったと思います。
学校の中に居場所がなくて、かなり居心地が悪かったんじゃないかな。
「人の役に立つ」
これは、人に見てもらえている、人や社会、人生との繋がりを感じることができる、一番わかりやすい方法なのではないでしょうか。
誰かの役に立つとき、人は自分だけに出せる力以上の力が出せます。
人の役に立つことで、人や社会、人生と繋がることができる。
だから、子どもへの「存在の価値」「人様の役に立つ」のインプットはとても大切なのだと私は考えています。
子どもを見るときに、親の視線をどこに向けるかで、子どもの環境は変わってきますね。
子どもに安心安全な環境を与えてあげたいなら、まずは親の行動を変えること。
子どもへの言葉がけ、子どもへの視線、ちょっとしたことでも、子どもの環境は大きく変わります。
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