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子の心、親知らず。
この2、3日、おやおや、、、と思う親の発言があった。
(ダジャレではありません。)
おやおや、、、その1
まず、うちの母である。
両親がしっかりしている間に彼らの終活を始めたいと思っている私たち夫婦と妹。
三人の予定をすり合わせて、実家の断捨離やら終活やらを開始することに。
(両親も了解してくれた)
親のこれからを一緒に向き合ってくれる妹は、この春に関西から隣県に引っ越し、呼べは車で1時間半で帰省してくれる。
時間も気持ちもとても近い。
関西では車の運転を避けていた妹も、これからは車でちょくちょく帰ってくるつもりで、安全機能がモリモリについた車を購入して、ペーパードライバーを返上しようと運転練習中。(この5年くらいペーパーだった)
「再来週、T (妹)帰ってくるよ~」と私。
「車で?」と母。
「もちろん」
「Y君(妹の夫)おらんで、Tだけで(運転して)?」
「うん?」
「やめときんさい。事故したらどうするん!(新幹線で帰らしんさいや。)」と母。
これから何回も何十回も帰省する羽目になるはずの妹。
妹自身もそのつもりで、自分専用の安全機能モリモリの車を買ったのに。
母は53歳の娘をいつまでも心配するんだね、、、
おやおや、、、その2
つぎのおやおやの親は、義父である。
昨年妻を亡くし、一人暮らし中の義父。
悲しみの中から、最近やっと少し浮上しつつある。
二人の息子は、それぞれの距離感で父(義父)を心配し見守っている昨今。
最近、義父は家の石垣が気になって仕方ない。
築50年の家の屋根を直したり、カーポートを撤去したり、自分が亡くなるまで家のことで心配しなくて済むように、とそのことばかりに注力していて、今の気になるポイントは石垣だ。
(家のメンテナンスも勿論大切だけど、室内も暮らし易くリフォームした方がいいと思っているんだが、、、)
二人の息子は面白いくらいにタイプが違う。
長男はうちのオット。
頭は良いが、言動も手先も不器用な、時と場合では使えない男(笑)。
次男は昔ヤンチャだったのかな。
ガテン系の見た目に似合わず、涙もろくて頼りになる。長男とは違う優しさがある。
生きる力はものすごくあって、5人の子どもと4人の孫をまとめて愛している。
「地球が滅びても義弟くんは絶対生き残るよね。」
私はオットにいつも言う。
(お前もあれぐらい頑張ってみろ!的な)
話が逸れた、義実家の石垣だ。
元々器用な義父、モルタルを買ってきて、春先からぼちぼちと一人で石垣の隙間を埋めていた。
160㎝の義父の届く範囲は塗り終えた。
「あとは次男に相談してみようと思う。」と義父。
そうね、ここは次男の出番だよ。
次男も「おう、GWにやろうかと思ようるんよ。」と。
二人とも(私も)長男を全くアテにしてない時点で話が早い。
それなのに、である。
GW中、義父の体調不良もあって、石垣作業が中断していた。
ようやく再開となった先日、義父が、
「高いところは危ないけん、業者に任せるかのう。」
と言った。
私にしたら、はあぁ?である。
義父が長男にしか頼めない状況ならば、出来上がり具合も含めて私も業者一択で異論はない。
しかし、次男はあんなにガテン系で、どこをどう見ても肉体派の、しかも仕事が綺麗で速く手際が良いのに。
それは義父が一番よく知っているだろうに。
結局は当初の予定通り、次男が残りの石垣補修をしてくれることになったのだが。
54歳のイカツいオッサンも義父からみたら心配な子どもなのか、、、。
私の場合。
私は自分自身のことを、やればできる人間だと思っている。
(最近は微妙に怪しいが!笑)
だが、若い頃は世間知らずだった。
新入社員の時、一緒に働いていた女性に「お嬢さん育ちね。」と失笑されたことがある。
でもそうなのだ、社会人として私は甘ちゃんだったのだ。
だから、娘にはちゃんと社会に通用する人間になってほしいと思っていた。
丁寧に子育てしながらも、娘たちにはなにかと頑張らせてタフな人間に育てたつもりだ。
長女は社会人になって一人暮らしを始めた。
ファンタジーの住人で何も出来ないと思っていた長女が、あれよあれよと大人になった。
バックパッカーのような大容量リュックで帰省し、畑の野菜を根こそぎ持って帰った。
自炊し、お弁当を作り、せっせと貯金していた。
独りは寂しいと言っていた長女が、一人で海外旅行するようになった。
「大丈夫?」と心配する私を一笑し、長女はバックパッカーバッグ一つ背負って海外に出掛け、自分の身は自分で守って無事に帰ってきた。
あら、いつのまにか育ってる!
もう、私の心配はいらない、と思った。
次女も次女で、あんなに口下手で、コミュニケーション下手だと思っていたのに、いまや堂々と男性ばかりの職場で働いている。
こんなにモテなくて嵐、嵐とアイドルばかりに熱狂していた次女。
ファンタジー長女より、ある意味ファンタジーな次女!笑
この先どうするんだろうと心配もしたけど、人を見る目は育っていた。
優しい人とゴールインした。
次女ももう大丈夫、と私は安心している。
子の心配はいつまで、、、
親はいつまで子どもを心配すればいいのだろうか。
私は、もう娘たちの事を心配しない。(してはいけないと、言い聞かせる。)
心配せずとも彼女たちは大人だ。
私より立派に社会で通用する人間だし、そのように育てた自負もある。
一人前になったんだから、今度は彼女たちが私たち親(もちろん義両親も)を見守ってくれ、とも思っている。
娘たちに迷惑や負担をかけるつもりはないが、そうやって世代交代していくことが、健全な関係なのでは、と思う。
”親が親が”では、関係は逆転しない。
子どもが親を見守ってこそ、子ども自身はより成長すると思うのだ。
母も義父も、いつまでも末え子が可愛くて心配なのだ。
それもよく分かるし、年老いて理性よりも気持ちが先行する言動であったことも想像する。
長距離を運転して事故したら?
石垣から落ちたら?
こんな心配、いつまでするんだろう。
私がこんなことを書いていると知ったら、「親の心、子知らず」と言うだろう。
そんなの要らんお世話だ。
要らん世話を親は焼く。
そっちこそ「子の心、親知らず」だ。
だからだ。
私は、今だ。
母や義父の言動を「なん歳だと思っとるんかね?」と笑えている今だ。
娘たちを信頼しよう。
娘たちを尊重していこう。
今しないと、子離れなど出来はしない。
だって、アラサーの娘たちを今もこんなに可愛いのだ。
これからだって、可愛いに決まっているから(笑)
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