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【お客様が一緒に使うものと連携する】

P&G時代、ずっと洗濯関連用品のマーケティングに携わりました。当たり前のことですが、洗剤メーカーは、よりよい洗浄結果を提供することを目指しています。そのために製品を開発・改良し続けています。

しかし、P&Gは衝撃の事実に気づいてしまいます。それは、「洗剤を改良するのは重要だ。しかし、それだけでは不十分かもしれない。」

ご自宅でのお洗濯を思い出してみてください。そのシーンにはどんなものがありますか?

まず、洗濯機。この洗濯機が洗浄環境を決めます。「洗浄時間」、「洗浄水の量と洗浄液の濃度」、「洗浄液の温度」、「衣類を動かす物理的力」です。洗剤は「化学的力」を提供しているだけです。仮に洗浄環境が洗剤が力を発揮できな状況に進めば、どんなに素晴らしい洗剤を開発しても、まさに「水の泡」です!

そこで、P&Gはグローバルで家電メーカーや衣料メーカーとの提携活動を推し進めました。洗濯関連事業歴が長かった私は、アジア地域担当マネージャーとなり、日本やアジアの家電メーカーと協力関係を作っていきました。例えば、日本では、洗剤の力がより発揮できる洗浄環境を持つとP&Gが考えている「ドラム式洗濯機の普及」を技術的・マーケティング的に応援しました。日本でもドラム式洗濯機の普及が進み、合わせて洗剤が粉末から液体に移行したことを実感されている方も多いでしょう。

皆さんも、自社の商品やサービスがお客様に使われるシーンのことを考えてみてください。①単独で使われているか、何かと一緒に使われているか?②使用シーンの中にどんな商品やサービスが一緒にあるか?③それらと協力することで、より良い結果をお客様に届けることができないか?、と。

私は、洗濯機と洗剤(と衣類)のアライアンスに携わった後で、P&G内では、ウィスパーという生理用品とワコールさんのアライアンスをサポートしたり、転職した会社で、「かかとケアクリーム(スキンケア商品)と靴下」のアイデアを考えたりしました。皆さんもぜひ挑戦してみてください。

ただ、戦略的な提携関係を他社と築くのは簡単ではありません。ご興味があれば、お知らせください。


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