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仕事の流儀#07 グローバルステーショナリー事業 販売企画/プロモーション職 【三上 由貴】

文具メーカー、空間設計の老舗企業として100年の歴史を持つコクヨは今、次の100年を目指して、大きな変革を起こそうとしています。

人々の創造性の解放へ挑戦を続けてきたコクヨがこれからの時代で目指すのは、「一人ひとりの価値観が尊重され、​社会や人とのつながりも​大切にされる自律協働社会​」を創ること。

本企画、「仕事の流儀」では、そんな自律協働社会を創るコクヨの様々な職種のメンバーにインタビューを行い、これまでの挑戦や経験の中から生まれた未来を創るための仕事の流儀を明らかにしていきます。

第7回ではグローバルステーショナリー事業から販売企画/プロモーション職の三上さんにご登場いただきお話をお伺いしました。

三上 由貴(みかみ ゆき)/グローバルステーショナリー事業 販売企画/プロモーション職
2005年に新卒でコクヨへ入社し、一貫してプロモーション領域に携わる。
BtoB、BtoC領域それぞれでの経験を積みながら、2017年には原宿のコクヨ直営複合施設「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」の立ち上げプロジェクへの参加、2021年にはTHE CAMPUSショップ内でのAR体験の実証実験を主導するなど、多岐に渡り活躍している。

求め続けてたどり着いた販売企画の仕事

ーー三上さんは入社以来一貫してプロモーション領域でのお仕事に携わられていますが、入社前からこの領域に興味を持たれていたのでしょうか?

三上さん: 空間と商品、そしてそこにいる人の相互作用で生まれていく体験の変化やストーリーにとても興味を持っていたということから、オフィス空間事業や文具を扱うコクヨを志望し始めました。そこから企業研究を進めるうちに、入社後は文具部門で店頭プロモーションに携われたらいいなという風には考えていましたね。

もう一つ、個人のバックボーンとして小学生の頃から「色彩」に興味があって自分で単語カードにカラーチップを貼って裏面にはコードを書いて絶対色感を養うことに没頭したり、大学で認知心理学を学ぶ中でそういった学びを活かして新しい体験をデザインする仕事をしてみたいということも感じていました。

ーー現在は販売企画/プロモーション職として自社プロジェクトや大型クライアントの売り場企画もご担当されていますが、どのような変遷を経て今のお仕事にたどり着いたのでしょうか?

三上さん:入社当初はオフィス向け通販の全国の販売代理店様からの問い合わせや運営マニュアルの作成などを担当していました。toC顧客に対する体験のデザインとは遠い領域で日々Excelと睨めっこする時間が長い仕事でしたが、少しも嫌な気持ちはなかった記憶があります。社会人として経験がない中で、どんなことでもいつか自分の引き出しになるというスタンスで仕事に臨んでいました。

そこから1年ほどたった頃に販促チラシをデザインする仕事を任され、本格的にプロモーションの世界に足を踏み入れました。その後BtoB向け商品の販売企画/営業支援を経て、現在のBtoC販売企画の部署へ異動し気づけば10年以上経っていますね。

課題を持って研鑽を続けた日々が呼び込んだ大型プロジェクトへのアサイン

ーー販売企画/プロモーション職に就かれてからは、2017年の「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」の立ち上げなど大きなプロジェクトにも携わられていますね。

三上さん:このプロジェクトは自分にとって大きなターニングポイントになりました。このプロジェクトの前までは得意先の大型店の店頭企画には何度も携わってきたのですが、「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」のプロジェクトではじめて直営として、上流のコンセプト設計からMD(マーチャンダイジング:商品計画)まで一気通貫で携わる中で、ある意味、前提要件がとっぱらわれた状態で「コクヨとしてどうしたいか」、「コクヨとしてどんなメッセージを込めるか」という部分をとことん考え抜くことが求められました。ただ、外部のパートナーやチームのみなさんのクリエイティブな視点や考えに触れながら進める仕事は凄く刺激的でしたね。

三上さんが携わった「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」(オープン当時)

ーー難しい質問かもしれませんが、あえて今振り返るとなぜ三上さんがこのプロジェクトにアサインされたと思いますか?

三上さん:おそらくですが、当時、商品のことを幅広く知りながらMDを行うというミッションを担いつつ、直営店舗を立ち上げるという経験を積ませようと会社と上司がチャレンジさせてくれたのだと思います。自分の身の丈を超えるような仕事でも自分を信頼して任せてくれたことには心から感謝したいですね。

ーーただ、三上さん自身のユニークさや積み上げてきたものがなければ会社や上司もアサインしてくれないと思うのですが、そのあたりはプロジェクト参画前のご自身の働き方を振り返ってみるとどのように感じるでしょうか?

三上さん:自分で言うのはおこがましいと思うものの…、MDとして編集力を高めて顧客体験を具現化するという部分では強みがあったように思います。
私が販売企画職として働き始めた2011年ごろは今とは違い売り場の企画力をコクヨの強みとはしていない時代で、どちらかというと個々の良い商品を適切に小売りに卸すスタイルが主流でした。ただ、それらを組み合わせてVMD(ビジュアルマーチャンダイジング:売り場で商品をはじめとする全ての要素を企業や店舗などの独自性を活かしてコントロールすること)を自分として強く感じていましたし、「どうやって足を止めてもらうか」、「どうやって商品に興味を持ってもらうか」、「どうやって購入の後押しをするか」を自分でグラフィカルに提案書に落とし、小売のバイヤーさんに伝えていくことに日々取り組んでいたというのはアサインの背景にあるかもしれません。

三上さんが主導したTHE CAMPUS SHOPのAR体験

ーー今となっては「売り場の企画力」はコクヨの強みとして多くのお客様からから評価を頂いている部分だとは思いますが、当時はまだそういった考えが社内に浸透していないタイミングで三上さんがこの部分に着目したのにはどんな背景があるのでしょうか?

三上さん:コクヨには一見「ただのもの」でもよくよく知るとユニークで気に利いた商品がたくさんあります。けれどもたくさん伝えたい想いやメッセージがある中で売り場で伝えられることはごくわずかであること、このギャップに課題感を持っていたことがあります。そしてそのギャップはメーカー側だけではなく、より日々を豊かにするものに売場でワクワクしながら出会いたいというお客様にとってももったいないことだと感じていました。

この課題感を持ち続けること、例えば「背の低いお子様が来たときに商品はどう見えるか」、「右から来た時にはどうみえるか」、「最初に目に入るメッセージや色はなにか」…まで、言い換えればとことんお客様視点で商品との接点や体験を考えていくことが私の仕事の流儀の一つですね。

仕事の中でどれだけワクワクする時間が作れるかが人生の豊かを決める

ーー商品の魅力だけではなく、顧客体験価値に着目していくというのは今ではあたり前のようにビジネスの現場で重要とされていますが、2011年頃では
なかなか、ご自身でその重要性の社内理解を得たり、実際に伝えたいストーリーや売り場のビジュアルを提案書に落とし込むのは難しかったのではないでしょうか?

三上さん:たしかに大変でしたね。当時は3Dで売り場のデザインを表現したりPOPのグラフィックを担ってくれるメンバーもいませんでした。いま見るとすごく手作り感のあるレベルの企画書ですが(笑)、それでも想いと必要性に駆られて、自分でお客様のインサイトを定義し、どんなストーリーで商品との出会いを演出するかを考え、粗くてもできるだけイメージが伝わるような企画書を必死に書いていましたね。でも、書いた企画書を実際にバイヤーさんに見せるとちゃんと刺さるし売り場を任せていただくことも増え、そうやって少しずつ成功体験を積み上げてこれたように思います。

ーー今ではあたり前になった仕事のやり方も、当時は求められる仕事の幅からはみ出した仕事のやり方だと思います。何が三上さんをこのような挑戦に駆り立てるのでしょうか?

三上さん:たしかにはみ出してますね(笑)。当時は入社7年目で子供もいたし、新しい仕事のやり方を考えて奮起しなくてもそれなりに過ごせる。では、なぜ自分の仕事の枠をわざわざはみ出して頑張るのか?と言われれば、それは毎日働く時間をせっかくだったらワクワクしながら過ごしたいからだと思います。

プライベートの充実ももちろん大切ですが、それと同じくらい1週間のうちすごく長い時間を費やす仕事に取り組みながら、お客様やバイヤーさんに「それいいね!」って言っていただけることや、そのために社内外の仲間とアイディア出し合って創り上げるプロセスが私はワクワクするし、仕事をする中でその時間が多いほど本当の意味で人生が豊かになると思います。

商品とお客様の出会いのコーディネーターとして面白いとビジネスを繋げていく

ーー10年以上、販売企画/プロモーション職としてお仕事をされてきた三上さんですが、現時点でコクヨの販売企画/プロモーション職はどのような仕事を担う職種だと思いますか?

三上さん:一言でいうと「商品とお客様の出会いのコーディネーター」だと思います。俗にいうメーカーの販売企画職のイメージは「商品の良さをどれだけ伝えるか」、「どれだけ売るか」という一方通行的な意味合いが強いですが、それをお客様側から見えた景色の文脈に編集して表現したり売り場を作っていくことで、新しい商品との出会いを生み出すことでお客様も小売りもハッピーにしていく役割を担っているかなと。

ーーそんな「商品とお客様の出会いのコーディネーター」という役割を担う存在として三上さんなりに大切にしている仕事の流儀はありますか?

三上さん:常に「面白い」と思うことにアンテナを張って、自分の琴線に触れたものがなぜ面白いのか?を考え続けることですね。きっと人が直感的に「面白い!」と感じたことを深堀りしていくとそこには本質的に感じている課題があり、その課題に対するソリューションが想像の範囲内から少しだけはみ出した気持ち良いところにあると思うんです。

この面白いと感じたことを咀嚼すること、構造的に捉えることを癖づけて、課題に対するソリューションを想像の範囲から少しだけはみ出したところに再現性高く着地させることができてこそ、ただ面白いアイディアを実行するだけの人ではなく、事業としての目的や方針、社会としての意義との整合性を取りながらビジネスを成立させられる人になれると思うので、これからも意識し続けて行きたいと思います。



第7回「仕事の流儀」を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
販売企画/プロモーション職として大型プロジェクトにも多数参画しながら18年以上キャリアを積み上げてきた三上さんだからこそのお話をたくさんお聞きできた今回のインタビュー。

顧客体験をアップデートするための具体的な教えから、人生をより豊かにしていくための仕事への向き合い方まで素晴らしいヒントをいただくことができました。

三上さん、ご協力ありがとうございました!

コクヨ「仕事の流儀」企画も残すところラスト1回。
次回は情報システム部のメンバーが登場します。

みなさん、どうぞ次回もお楽しみに!(採用チーム 渡邉)


関連情報

三上さんの外部インタビュー記事も是非ご覧ください!

■「THINK OF THINGS」が提案する、暮らしのヒントとは?

■東京で働く 朝日デジタルインタビューhttps://www.asahi.com/and/article/20180830/400047197/

■コクヨ「文具のIoT自販機」の実証実験を開始


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