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仕事の流儀#02 通信販売事業 カウネットEC商品企画職【本澤 真悠子】

文具メーカー、空間設計の老舗企業として100年の歴史を持つコクヨは今、次の100年を目指して、大きな変革を起こそうとしています。

人々の創造性の解放へ挑戦を続けてきたコクヨがこれからの時代で目指すのは、「一人ひとりの価値観が尊重され、​社会や人とのつながりも​大切にされる自律協働社会​」を創ること。

本企画、「仕事の流儀」では、そんな自律協働社会を創るコクヨの様々な職種のメンバーにインタビューを行い、これまでの挑戦や経験の中から生まれた未来を創るための仕事の流儀を明らかにしていきます。

第2回では通信販売事業 カウネットからMD/商品企画職の本澤さんにご登場いただきお話をお伺いしました。

本澤 真悠子(もとざわ まゆこ)/通信販売事業 カウネット EC商品企画職
2009年にコクヨへ入社し、一貫して通信販売事業に携わる。
カタログ商品のMD職で経験を積み、カウコレプレミアムの立ち上げ期から商品企画職に従事。2度の産育休を経験し、現在は通信販売事業の商品企画部の部長として活躍している。

早くからプロ意識が芽生えた新入社員時代

ーー入社から一貫して通信販売事業、カウネットでの仕事に携わられていますが、ご入社当時からの事業部の変化をどのように捉えていますか?

本澤さん:私が入社した2009年はカタログを主軸とした通信販売事業の立ち上げから10年近くが経過し、事業を急速に伸ばしてきているタイミングでした。そこから、EC事業への主軸シフト、商品軸でもPB(プライベートブランド)カウコレプレミアム商品の増加などを経て、現在はEC事業領域でのCX向上に向けたチャレンジなど、時代に合わせた変革を続けてきた事業部だと感じています。

ーー多数の変革タイミングがあった通販事業部の中で、ご入社当時はカタログ通販が主軸の環境でMDという職種を担っていたとのことですが、ステーショナリーやワークプレイス事業とは違う経験値を得られた実感はありますか?

本澤さん:当時のMDはMD経験のあるキャリア採用の比率が高い環境でしたが、入社すぐに担当の商品カテゴリーを持たせてくれて、そのカテゴリーにどんな商品を展開するかをある程度自分の裁量でジャッジできるという組織でした。
そのおかげで、ビジネスパーソンとして自分の職責を認識し、プロセス設計から実行までを自分でコントロールして、結果にコミットしていかなければならないという意識が早く芽生えたかなと感じています。

商品企画者として持つべきは、視点の多様性

ーー入社5年目から担当カテゴリーの商品選定だけではなく、PB商品の企画も担われていたようですが、ターニングポイントとなったプロジェクトはありますか?

本澤さん:福祉施設の方に意見を頂きながらオリジナルのマスクを企画した仕事です。

今やどんな企業にも備えられるようになったマスクですが、当時のオフィス通販においては製造業や医療・福祉業など一部の業種の方が買われる専門用品でした。そこで、ちょうどカウネットが注力していた福祉業向けに、商品企画を進めていました。複数のサンプルを介護士の方に試してもらう中で、商品の使用後アンケートに「利用者さんとお話しする際に喋りやすかった」というコメントを見つけたんです。

自分がマスクを使うのは具合が悪い時なので「話す」という行為を意識していなかったけれど、仕事で使うならコミュニケーションは必須ですよね。そこで、評価の高かった仕様で「会話しやすいマスク」として販売したところ大きくヒットしてくれました。さらに販売後のレビューで「少し緩い」「大きい」という声をみつけ、福祉施設で働かれる方の女性比率を考慮し、今までのマスクにないサイズの「ちょうどいい小さめ」サイズを出したところ、こちらも大変好評でした。

ーーこのプロジェクトを経て、商品企画職として大切にすべき考え方やご自身の仕事の流儀は生まれましたか?

本澤さん:商品企画職として、ということで言うと、その商品を「本当に自分が買いたいと思うか」、「実ユーザーは買いたいと思うか」「備品の購入担当者は、社員やスタッフに買ってあげたいかと思うか」という視点の多様性を持つことが仕事の流儀として形成されました。

この「会話のしやすい、"ちょうど良い"小さめサイズマスク」という商品の企画は利用者の声に真摯に耳を傾けてニーズを抽出することだけではなく、私自身がマスクが苦手で、その理由がサイズ感と着け心地だったという原体験から始まっています。

この二つはどちらが欠けてもダメなんです。自分の原体験だけをベースにするとユーザーインサイトにバイアスがかかってしまうし、ユーザー調査の結果を数値だけで捉えても、ユーザーの痒いところに手が届く商品は生まれません。「自分だったら」、「その商品を使う現場の人だったら」、「商品を購入する発注担当者だったら」、それぞれの視点を行き来しながら、商品を企画していくこそ、「お客様のお困りごとを解決する」というカウネットの商品企画に必要なことだと思います。

キャリアをつくるとは、信用の切符を貯めること


ーーMD、商品企画職として仕事の幅を広げてきた中、現在は商品企画部の部長としてマネジメント職についたことで、ご自身に変化はありましたか?

本澤さん:今年の1月に部長職に任命頂いた際、「なぜ、私にこのポジションを任せてくれたのか」ということを考えました。

自分の過去を振り返ると、私にはスペシャルな能力があったわけではないんですよね。私はMDや商品企画としての一つの担当カテゴリーを深掘り続けてきたわけではないし、大ヒット商品を連発するヒットメーカーでもありません。もっと言えば、カウネットがECを主軸に新たな顧客体験を提供していかなければならない今、世の中にたくさんのスペシャリストがいるECの世界では、私自身に唯一無二のスペシャリティは無いと言っていいと思います。

ーーとても俯瞰でご自身を捉えているように感じますが、ではなぜ、部長職への任命が行われたのでしょうか?

本澤さん:本当のところはわからないですが、自分で思うのはキャリアの中で「信用の切符」を貯め続けてきたことが一番の理由だと思います。

自分は唯一無二のスペシャリティは持っていない、ということを自覚することと同じように、常に自分や相手を俯瞰で捉えながら、「この人は私に何を求めているのか?」、「今回出した答えは期待値を満たしているか?」、「次の期待は何か?」、「もし期待値を満たしていなかったら、何が足りなかったのか?、次はどうすべきか?」を把握し、行動を一つずつアップデートすることやそのためのコミュニケーションをサボらず積み重ねていくことが変革や新しいチャレンジを求められる状況だからこそ、必要とされたのではないかと思います。

ーー「信用の切符を貯める」というのは、とても素敵な言葉ですね。
これは、“言うは易く行うは難し”だと思いますが、いつ頃から意識されているのでしょうか?

本澤さん:これはコクヨの創業者の言葉で、就職活動をしていた頃からずっと私の心に刻まれています。
変革や新しいチャレンジを行うプロセスでこそ、ビジネスにおいてあたり前のことをどれだけ周囲からの評価を得られる状態で継続できるかが重要だと考えています。

スペシャリストや天才だけに頼らず強い組織をつくる

ーー通販、ECの世界でご自身にはスペシャリティがないとのお話でしたが、そんなご自身の生き方に悩んだり、迷ったりしたことはないのでしょうか?

本澤さん:スペシャリティだったり、唯一無二の誇れるものはないけれど、
求められたこと、目の前のミッションに対して一つずつ確実に対応するという生き方自体が私の性格に合っているという部分は大きいと思います。

私は学生時代から勉強もそれなりに真面目に取り組みつつ、サークルも二つかけもち、アルバイトも人並みに経験しましたが、時期によって比重は変わるものの、常にバランスを取れるよう意識していました。コミュニティーが変わると自分の役割や求められるものが違うこともその時になんとなく体感していた気がします。

今はそれが仕事と家庭ですが、例えばプレッシャーの大きい仕事を抱えたときに子どもの何気ない仕草に癒されたり、逆に子どものイヤイヤ期には、仕事中に「話せばわかってもらえるってこんなに素晴らしいことなんだ」と実感したりしています。(笑)
仕事と家庭の両立というといかにもすぎますが、バランス重視派の私にとってはまさに今の状態はベストなのかもしれません。

ーースキルや能力が相対比較される世界では、誰しもが唯一無二の存在にはなれないとした時に、自分を愛する、認めてあげるために必要なことは何だと思いますか?

本澤さん:一つ目は自分を客観視して、優劣はわからなくとも、今、自分にできる最大限正しい行動を積み上げていくこと、そのこと自体を自己評価してあげることだと思います。二つ目は、自分にできる最大限正しい行動を積み上げるだけではたどり着けないレベルに向かおうとした時に、自己開示をして周りに協力を求めることが大切だと思います。

例えば、よく言われるPDCAのサイクルを回すというプロセスを例にすると、私は、「Plan」、「Do」は得意なタイプだと思います。だけど、正直「Check」と「Action」は苦手だし、スピード感が若干落ちるという自覚があるんです。そんな時は、一緒に仕事をするメンバーに「あなたには私の苦手なCheckとActionのクオリティをあげるサポートをして欲しい」と正直に言っています。自分の得手不得手、好き嫌いをしっかり相手に伝えていくことで、相手もやるべきことが明確になるし、新しいチャレンジを進めていく中で唯一無二のスペシャリストや天才だけに頼らず、難しい局面を突破していける協働型の強い組織を作れると思いますね。

ーーたくさんのご経験を積み、自分を客観的に見つめ続けてきた本澤さんのこれからのキャリアで野望などはあるのでしょうか?

本澤さん:通販事業を行うカウネットは、お客様のお困りごとを解決する商品をつくり、それをお届けすることが価値です。これを宇宙まで広げたいなと思っています。(笑)

一見大きすぎる野望に感じるかもしれませんが、カウネットは働く人すべてがお客様なので、そこには宇宙飛行士の方も含まれます。無重力を考慮した様々な専用品に囲まれていると思うのですが、それでも仕事をする上で不便に感じることがあると思うんですよね。実際のお困りごとを聞きながら、それを解決できる文具や日用品を作り、一緒に宇宙船で飛べる日が来たらなと。

唯一無二の存在としては象徴的な宇宙飛行士の皆さんが使うモノを、唯一無二の存在からは遠い私がつくる、そんなことを考えるとワクワクしませんか?こんな私と協働してくれる仲間をもっと増やしていきたいので、この記事を読んで、コクヨの通販事業に興味を持ってくれた方が増えれば嬉しいです!




第2回「仕事の流儀」も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
変化の激しい業界の中で、社内外多くのメンバーと協働しながらチーム一丸でアウトプットの価値を高める仕事の流儀を語っていただいた今回のインタビューを通じて、自分の生き方やスタイルを見つめ直し、磨き続ける大切さを教わることができました。

本澤さん、ご協力ありがとうございました!

第2回もたくさんの学びがあった「仕事の流儀」では、引き続きコクヨの様々な職種のメンバーへインタビューを行っていきます。

みなさん、どうぞ次回もお楽しみに!(採用チーム 渡邉)


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