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仕事の流儀#06 理財本部IR室長 【三浦 慎一郎】

文具メーカー、空間設計の老舗企業として100年の歴史を持つコクヨは今、次の100年を目指して、大きな変革を起こそうとしています。

人々の創造性の解放へ挑戦を続けてきたコクヨがこれからの時代で目指すのは、「一人ひとりの価値観が尊重され、​社会や人とのつながりも​大切にされる自律協働社会​」を創ること。

本企画、「仕事の流儀」では、そんな自律協働社会を創るコクヨの様々な職種のメンバーにインタビューを行い、これまでの挑戦や経験の中から生まれた未来を創るための仕事の流儀を明らかにしていきます。

第6回では理財本部からIR室長の三浦さんにご登場いただきお話をお伺いしました。

三浦 慎一郎(みうら しんいちろう)/理財本部IR室長
新卒で化粧品会社に入社後、不動産会社、商社等でIR、経営企画、財務企画、株式法務等の経験を積み2017年にコクヨへキャリア入社。
理財本部IR室長としてコクヨの長期ビジョンCCC2030、統合報告書策定プロジェクトをリード。現在は副業で同志社大学大学院での非常勤講師として教鞭を取るなどIR領域のプロフェッショナルとして活躍の幅を広げている。

一貫して歩んできたプロフェッショナルキャリア

ーー三浦さんはこれまでのキャリアで財務経理畑に軸足を置いたプロフェッショナルキャリアを歩まれていますが、ご自身の中でキャリアを形成していく中で、大切にしている考え方はありますか?

三浦さん:財務経理畑というのは、もちろん深く領域の知識を獲得していくことも重要ですが、知識や経験の幅の広さも意識しなければなりません。
やはり事業を俯瞰で捉えようとしたときに、財務経理、法務知識、ITやマーケティングなどの領域にも視野を広げて学んでいく、そのために、「今、自分には何が足りないのか?」という問いを持って自分のスキルセットやケーパビリティを棚卸しする作業を行うことが必要だと思います。

私自身には複数の転職経験があるため、転職活動中に職務経歴書を書くというのがその作業に繋がっていたという背景もありますが、そうでなくてもこの作業は毎年実施していくべきだと思いますね。

ーー30代にはビジネススクールにも通われていますが、それもご自身のスキルセットやケーパビリティを棚卸した中での決断だったのでしょうか?

三浦さん:そうですね。当時はJ-REIT(不動産投資信託)の資産運用会社に勤務していたのですが、財務経理・ファイナンス知識の不足を痛感していたこともあり、OJTの部分以外でも自分を高めなければと感じての決断でした。

自分が通っていたビジネススクールで現在自分が教鞭を取る側に立っていることも当時は想像もしていなかったですが、学びの幅を社外に広げていくことで、スキル以外にも投資家や起業家などとの繋がりも増えたり、今では教え子たちが社会に出ていってから仕事で繋がるなどもありますし、人に何かを教えるという経験は自分がリーダーを務める組織のチームビルディングなどへのフィードバックも非常に大きいと思っています。

自律協働社会の実現に向け、己を高め続ける

ー社外でも多様な形で活動や学びの幅を広げていることが、チームビルディングにも活きているというのは組織自体に大きな変化があったことも関係しているのでしょうか?

三浦さん:組織の変化はすごく大きいなと感じていますね。チームはもちろん、僕個人の仕事の幅もどんどん広がっていると感じます。僕自身はIRなど特定の領域でプロフェッショナルキャリアを歩んできて、何回かの転職を経てコクヨに辿り着きましたが、ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)など会社の長期経営を見据えた取り組みなどに携わる機会も増え、会社へのコミットメントや思い入れがとても強くなってきています。

そうして、自分自身が熱量を持って働いていると組織としても優秀な方や新しい感性を持った新卒社員が配属されてくるなど、メンバーにとって自分がキャリアの良いサンプルになれるように頑張ろうと思う部分は大きいですね。

ーー三浦さんのような個人のスキルやケイパビリティが明確でスペシャリティを持っている方が同じ組織にいて下さることは私たち若手メンバーにとっても刺激になると感じています。

三浦さん:新卒入社社員が中心である老舗企業が僕のような人間を受け入れてくれることが、まさにダイバーシティが重視されつつある証拠だと思いますね。社員一人ひとりが自分の力でキャリアをつくっていけるように教育することやロールモデルになる多様なメンバーを揃えていくことは社会の公器としての会社の役割だと思いますし、これからコクヨを卒業していく社員が出て人材の流動性が高まったとしても、そういう人同士が会社の枠を越えて繋がり新しい価値を生み出していくことがコクヨの目指す自律協働社会のあり方だと考えているので、日々の己の働き方や生き方に手を抜くわけにはいかないと思っています。

コクヨは「成長という言葉が若手だけのものではない」

ーー統合報告書の策定など、英邦社長とのコミュニケーションも多いお仕事を担われる中で「自律協働社会」というコクヨの目指す社会への思い入れも強いと感じます。

三浦さん:「自律協働社会」の実現ということへの思い入れももちろんあります。あとはここで書くと恥ずかしいけど…、僕はね、英邦さんのことが好きだし(笑)、思想への共感がすごく強いんですよ。

ーー私の偏見かもしれませんが、三浦さんのようなプロフェッショナルとして会社を渡り歩いてきたような方は、ファミリー企業の社長にあまりシンパシーを持たないイメージがあるのですが…。

三浦さん:そのイメージはありますよね(笑)
たしかにファミリー企業というのは外からの人材や意見に対して排他的だったりトップダウンで独裁的なイメージがあったりすると思います。だけど、そういった面さえコントロールできれば、僕はファミリー企業でなければできないことがあると思っているんです。

まず多くの上場企業の社長は基本的には雇われ社長で、長くても任期が5-10年ですよね。その短い期間では掲げられるビジョンに限界があると思うんです。この縛りの中では、どうしても会社経営に関わるステークホルダーの中で「株主」に目線が向いたアクションに向きがちだし、短期の売上/利益を追いかけていくことに手一杯になってしまう傾向があります。

だけど、どんどん世の中が加速度的に変化している中にあっては、これからの時代は顧客との関係もより長期的に捉えなくてはならないし、SDGsなどこれからの未来を考えた活動にも力を注がなければならない。これに腰を据えて取り組んでいくにはファミリー企業でしかできないことだし、今後、多くの企業がロールモデルとするイノベーションの起こし方はファミリー企業からフォーマットが産まれていくと思っています。

そして、この長期的な視野で変化を求め経営を行う、社会課題に挑む企業でしか得られない成長というのは必ずあるんです。
実際にコクヨという会社では、「成長という言葉が若手だけのものではない」というのも日々感じています。僕自身もこの5年で成長を実感しているし、若手はもちろん、中堅から経営陣までみんながある種答えのない課題や変革へ挑む過程で大きく成長している思います。たしかに難しい課題を前に苦しいこともあるかもしれないけれど、それでも自分は一人じゃない、みんな頑張っていると感じられる環境があるだけで人は前向きに生きていけるんじゃないかなぁ。

未知への旅路をサバイブすることを楽しんで

ーーあえてお言葉を返すような質問をしますが、長期ビジョンCCC2030で掲げている目指す社会、世界の実現に向けて自分で問いを持って働くということにストレスを感じるような場合もあるのではないでしょうか?

三浦さん:もちろん、これまでの社会に根付いていた会社が決めたこと、会社から言われたことを黙々と実行するというような企業戦士的な思考回路でこの環境に臨むとストレスは多いと思います。
現状の長期ビジョンCCC2030や統合報告書で描かれている未来を一人ひとりが自分で噛み砕いて解釈しアクションに落とし込んでいこう、ということよりも、明日何をすればいいのか、これから何をすればいいのか、全てを経営陣が決めてくれてはっきりとした答えをくれる方が楽ですよね。

でもね、そんな風に与えられた仕事から得られる学びなんて、すごく表層的なものにしかならないんですよ。せっかくIT技術が発達したり世界との距離もどんどん近づいている時代に産まれ、僕らよりもたくさんのことを経験して社会人になるみなさんには自分を信じて、今のコクヨのような答えより先に問いを作り、自分で仕事を産み出さなければいけない環境をサバイブしていくことを楽しんで欲しいなと思っています。

日々をルーティンにしないこと、自分が大事にできるものを見つけること

ーーここまで三浦さんがキャリアを形成する中で大切にしてきたことや、今のコクヨという環境に感じることをお聞きしてきましたが、最後にあらためて三浦さんの仕事の流儀を教えてください。

三浦さん:一番大切なのは、昨年と同じ、昨日と同じに甘んじない、言い換ええれば如何に日々の仕事をルーティーンにせず、面白い仕事を創り出し昨日より成長した自分でいることですね。

そういう意識で日々を積み上げること、自分の今を見直し、スキルや経験の棚卸しを続けていくことで部下たちにも面白い仕事を渡していけいるし、変化の波を連鎖させていけると思っています。

もう一つコクヨに入社して思ったのは、自分が大事にできる人や想い・ビジョン・仲間を大切にすることです。僕のように自分が軸足を置く領域を持つようなスペシャリストキャリアを歩んできた人間はこの「大事にできる○○」がないと長く働けないと思うんですよね。

どうしてもスペシャリティだけを売りに仕事や会社選びをしていくと年齢が上がるごとに立ち振る舞い方を整えられる時間も短縮できるようになるし、目の前の成果だけなら簡単に出せてしまいます。そうなるとどれだけ頑張ってもその仕事に飽きが来てしまう、で、ちょっといい条件があると転職する、というような生き方になりがちです。その生き方自体は否定しませんが、その時間軸では100年先の未来や社会の礎を創るような仕事をするのは難しいんじゃないかと思うんです。

だからこそ、自分がコミットできる人や想い・ビジョン・仲間を見つけることが、日々の仕事をルーティーンにしないことやその先で将来、子供や次の世代に誇れる面白い仕事を創ることに繋がっていくはずです。



第6回「仕事の流儀」を最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スペシャリストとして多くの会社で経験を積みながら磨き上げた仕事の流儀、そしてコクヨという場所で芽生えた新たな想い、三浦さんだからこそのお話をたくさんお聞きできた今回のインタビュー。

今のコクヨを俯瞰で捉えるポジションにいる三浦さんだからこその解像度で、キャリアのつくり方を考えるために大切なことが詰まっているので、新卒入社はもちろん、中途としてキャリアチェンジを考える方にも是非ご覧いただきたい内容になりました。

三浦さん、ご協力ありがとうございました!

第6回もたくさんの金言が飛び出した「仕事の流儀」では、引き続きコクヨの様々な職種のメンバーへインタビューを行いながら、コクヨの仕事、人の魅力に迫っていきます。

みなさん、どうぞ次回もお楽しみに!(採用チーム 渡邉)


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