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世界難民の日

モザンビークからこんにちは。Makoです。

「ロシアのウクライナ侵攻により、第二次世界大戦以降、最大かつ最速に拡大している難民危機が起こり、アフリカ、アフガニスタンなど各地域で発生している危機も加わり、強制移動の数が1億人を超える衝撃的な記録となりました。」

(UNHCR, 2022 世界の強制移動の数が最大を記録  過去10年で増加の潮流止まらず


2022年6月20日世界難民の日。あなたは何を願いましたか?
私はモザンビークで国内避難民の支援をしていますが、ちょうど難民の日を迎える前に支援地の近くで反政府軍による攻撃があり、持てるだけの荷物をアフリカ布でくるみ、頭にのせて避難する人たちをたくさん見ました。世界の関心はウクライナ侵攻、そしてウクライナ難民に向けられていますが、シリアにもアフガニスタンにも、アフリカにも、そのほかの場所にも、戦争によって、もしくは迫害を受ける恐れから住み慣れた土地を離れなければいけない人がたくさんいます。

夜安心して眠れること、家族とともに暮らせること、住みたい場所に住めること、自分の意見や信仰をオープンにできること、そんな当たり前の日常を奪われた人が2022年現在、日本の人口と同じだけ存在します。

はじめて私が難民問題に関心を持ったのはUNHCRの街頭募金でした。サポーターになった後、大学4年生のときに参加したUHRCH映画祭で「女を修理する男」を見てコンゴ民主共和国で起こってる紛争を知りました。そこでは戦争兵器として私と同い年くらいの女の子や年下の女の子がレイプされていました。そして紛争の原因のひとつは私たちが使っているカメラパソコン携帯に欠かせない鉱物であることを知りました。その時の衝撃は今でも忘れられません。自分が便利さを追求して電子機器を使っているせいで世界の裏側で罪のない子がレイプされている…。それから私はこの問題を作り出す側ではなくて解決する側に立ちたい、という思いで今までやってきました。最近になってこれを構造的な暴力と呼ぶことを知りました。その後、コンゴの紛争から国内のNPO法人であるWelgeeの渡部さんにたどり着いたことが日本国内にいる受け入れてもらえない難民問題を学ぶきっかけになりました。

国際協力サロンには難民に関心を寄せる仲間が多くいます。そんなみなさんに今年は難民問題に興味をもったきっかけを聞いてみました。

留学中に参加した、セルビアの難民キャンプでのボランティアで、衝撃を受けたことが始まりです〜。難民状況下の方とお会いするのは、それが初めてでした。

NGO職員 Nさん

私も留学中に参加した、難民の方々との語学カフェがきっかけでした!実際に難民の方々と友達として話したことだけでなく、受け入れ国の難民政策がどのように個人の人生に影響するかを感じることが出来た経験でした。

大学院生 Yさん

私は皆さんとちょっと異なるのですが、2016年のリオ五輪で史上初の難民選手団が結成され、入場シーンでどの国よりも大きな歓声が会場に響き渡っている様子を目にした時に胸に込み上げるものがありました。元々スポーツを通じた国際協力に関心があったこともあり、スポーツがきっかけで難民問題について考えるようになりました。

さらに、今年フランスに留学中、今までテレビや本の中でしか見たことのなかった難民の方々が路上に溢れる現実を目の当たりにし、また、ウクライナ難民の受け入れが慌ただしく行われる様子を間近に見たことで、より身近でかつ複雑な問題として実感しました。

大学院進学予定 Oさん

私はシリア難民が、命からがら国外に逃げたのに、結局ヨーロッパ諸国が国境を遮断して逃げ場がなくて困っているという報道を見て、憤りを感じたのがきっかけです。
受け入れ国側の主張も分かりつつ、せめて一息ぐらいつかせてあげてもいいやん!と思ったのを覚えています。

小学校教諭 Hさん

最初の最初のきっかけは、2015年にトルコの海岸に横たわるシリア難民のアラン君の遺体の写真を見たことです… すごい衝撃を受けたことを覚えてます。当時、自分は米国留学中で、紛争と平和、環境問題等の授業を取っていながらも、難民という問題に無知であることを恥ずかしくも感じました。それがきっかけで、帰国後、国連UNHCR協会でのインターンをすることになりました。

大学院生 Iさん

僕は協力隊で過ごして、日本より圧倒的に平和で豊かな生活をしているなぁと感じたシリアの人たちが「難民」になったのを見て、です。実際、難民という状況になったシリアの人たちを訪ねて聞いた話は本当に気付きが多いです。「あの平和なシリアで戦争が起こった。世界のどこで戦争が起きてもおかしくない。すでに第三次世界大戦は始まってる」「自分はシリアで難民支援の仕事をしていた(シリアは世界トップレベルの難民受け入れ国だった)。難民の気持ちがわかったと思ってみたけど、自分が難民になって初めて、何もわかっていないことに気づいた」「(僕より良い機種のiphoneを持っていたことについて尋ねたら)よく聞かれるんだよね。なんで難民のくせにiPhoneを持っているんだ、って。違うんだ。iPhoneを持っている人が難民になったんだよ」などなど。
自分がその立場になるなんて想像もしていなかった人たちが陥る状況が難民。
そして、どんだけ想像しても僕らは理解できないんだ(その上で何をするか)って思います。

NGO代表 Nさん


十人十色なきっかけですが、みなさん私たちがいきる同じ地球上で起こる難民問題に心を痛め、その理不尽さに憤りを感じています。

お答えくださった皆さんありがとうございました。
そして今これを読んでくださっているそこのあなた!

あなたが難民問題に興味をもったきっかけはなんですか?

○○の日という1年に1回のイベントはその日のみ問題に関心を向ける感じがしてなんだか後ろめたい気持ちを感じますが、それによってそのトピックに関心と寄せるきっかけができるのは素晴らしいことだと思います。

残りの364日も難民問題から目を背けることなく、来年までに少しでも世界の難民の人口が減るように、自分にできることを探していきたいです。

一番最初にできるアクションは知ること。調べること。そして伝えることです。ぜひ一緒にアクションを続けていきましょう~!


ちなみに昨年度の協力サロンのイベントレポートはこちらから!
難民を知り、支援を深掘り!〜世界難民の日企画イベントレポート①〜
難民を知り、支援を深掘り!〜世界難民の日企画イベントレポート②〜

難民の現状についてもっと知りたい方はUNHCR発行のグローバルトレンズレポートをご確認ください!

難民問題について話してみたい!同じ関心をもつ仲間がほしい!そんなあなたはぜひ国際協力サロンへ!「まなぶ、つくる、つながる。」を合言葉に国際協力について自主的に勉強会やイベントを企画・実施しています~!



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