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やっぱり必要なのは雇用

半年前のことだけど、書き直し。

*家庭訪問

奨学金の支援を受けている家庭に訪問して、お母さんと子どもにインタビューした。
その地域は元々はお墓。でもスラムをなくしたい政府が焼いてしまって、今は新しくアパートを作っているらしい。

家庭訪問したお宅はとても小さくて、とても家族7人で住んでいるとは思えなかった。
リビングであろう部屋で5人寝て、奥で2人が寝るって説明されたけど、正直信じられなかった。もちろんみんな大人ではないし、小さい子どももいるから入るんだろうけど、快適な睡眠には程遠いだろうな。そんな感想。

お父さんもお母さんも安定しているとはいえない、日雇いの仕事。だけど、訪問したお宅は奨学金支援を受けているから、子どもをきちんと学校に行かせているし、教育が大切だと理解もしていた。子どもには学校を卒業して欲しいとそう語ってくれた。

それでも現実は厳しい。
大学を卒業しても安定した会社に入って正社員として働くのは難しい。
学年が上がって行くにつれて、勉強が難しくなるから途中でやめてしまう子もいる。

教育はもちろん大切。
でも時間がかかるし、お金と時間をかけても親の思う通りに成功するとも限らない。
与えられる限り選択肢は与えて欲しいし、チャンスももらうべきだけど、学校に行かせない親の気持ちもよく分かる。
その日に仕事があるかもわからない状況で、1年先を考えるのも難しい状況で、「教育を受けさせれば子どものためになりますよ」なんて言われても、遠く離れた将来のことなんて考えられない。
重要だということが何となくわかっていてもどうしても"今の生活"を重視して、今生きることしか考えられないような状況がある。子どもだって勉強についていけなくなったら辛いだろうし、勉強した先がどうなるかわからない状況で勉強し続けるのも辛いだろう。

とにかく学校に。
それももちろん大切だし、支援があったお陰で助けられた人もいると思う。
何十年後には大きな成果になると思う。かつて日本もそうだったように。
でもただ教育の機会を与えるだけではダメで、勉強することによってどういう将来が開けるのか子どもたちが知り、考える機会も必要。親が今の状況が辛いのに学校なんて…と考えないような今の生活を安定させることも必要。

そう思うと、10年先の投資の教育よりも教育を受けられなくて安定した仕事に就けなかった人が働ける場所を作るのが早い解決策なのかなと。
もちろん、教育も大切だしループするのもだから一度流れができてしまえば長く続いて行くだろうけど。
親だって、可能であれば自分たちの力で子どもを学校に通わせられる方が嬉しいはず!
今の状況を改善して、生活が少しよくなって10年後は無理でも1年後のことは考えられるようになって。
そうすれば色々なことが上手く行くような気がした。

だからといって、じゃあどうやって雇用を生み出すの?と言われると考えがあるわけではない。
人が余っているというのがフィリピンの状況なのに、学歴もスキルも職歴もない人が仕事に就くなんて難しい。
何かいい解決策があればいいのに。
この人たちと何かできればいいのに。
そう考えながら何も思いつかず、何もできない自分にモヤモヤ。

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