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村上春樹ライブラリーと隈研吾

ずっと行きたいと思っていた村上春樹ライブラリーに行ってきました。早稲田大学の中にあるのですが一般の人でも自由にはいることができ、村上春樹の本が年代ごとに並んでいるだけでなく、各国の言葉に翻訳された村上春樹の本、また村上春樹が翻訳を手がけた本まであり、何から手に取ったら良いのかわからないくらいでしたがデビュー作の「風の歌を聴け」を読みました。図書館自体は大きくはないですが、机や椅子があり本を読むには居心地の良い空間があり、また館内1階にあるカフェでコーヒーを飲みながら好きな本を好きなだけ読むことができ、開かれた図書館という雰囲気でした。

着いてから知ったのですが、村上春樹ライブラリーは建築家隈研吾氏の建築のようです。南仏を旅行していた時にエクサンプロバンスのワイナリーで安藤忠雄と隈研吾の建築があった時に日本人の建築家の美しい建築とフランスの地方都市のワイン畑の中で出会えたことに嬉しい気持ちになり、それ以来旅行先で意図的、あるいは偶然に、お二人の建築物に出会うことを楽しみにしています。6月に四国を旅行した際には、檮原にある隈研吾建築を見に行き、また坂の上の雲ミュージアムも安藤忠雄建築だという嬉しい発見がありました。

村上春樹ライブラリーには基本的には村上春樹の本が置かれていますが、カフェの近くには村上春樹にまつわる本、たとえばジャズについての本などが置かれており、それと共に村上春樹の友人でもありライブラリーの建築をおこなった隈研吾の建築に関する本もいくつか置かれていて、その中で気に入ったのがこの「TOKYO KUMA KENGO」という一冊。田園調布、渋谷、新宿、六本木、青山、浅草、といったエリアにある隈研吾建築についても紹介されているのですが、私が特に好きだったのが東京付近出身の隈研吾氏がエリアごとに感じる印象、イメージ、自分の建築観に与えている原風景が書かれている点です。

好きな本や建築の作者がどのような思いでその創作活動を行なっているかを書いている文章が好きで、作品の裏側を覗けるような気がします。どういう子供時代を過ごし、どういうふうに大人になり、今の職についたのか、というその人自身を形作ったものに触れられるという点で、村上春樹の「職業としての小説家」というエッセイのような本が好きなのですが、この「TOKYO KUMA KENGO」も、隈研吾氏が生まれ育った東京エリアを外・中から見る眼を建築物を通じて感じられる、とても素敵な一冊でした。

小学生の頃、図書館に行くことが大好きでした。幸運なことに、近所に自転車で行ける大きな図書館が二つあり、その時の気分でどちらかによく行っていました。親には勉強するといいつつ、実際は子供のためのスペースで寝そべりながら本を読んでいたことを思い出します。書庫と書庫の間を歩きながら、たまたま読んでいた本の隣にある本を読んだり、学校の図書館にはないような少し背伸びした難しい本を手にしたり、あるいは友達と勉強をしたり。図書館という空間は確実に私の子ども時代の一部でした。中高時代にあまり図書館に行った記憶はないのですが、大学時代も何をするわけではなく図書館で過ごしている時間が長かったように思います。

社会人になり図書館に行ったのは初めてのような気がしますが、自分の行動エリアに、しかも自分が好きな作者の、図書館があることを発見できたことはとても嬉しく、また図書館で過ごす時間が増えそうでとても嬉しいです。日々に忙殺されて自分が何が好きだったのかを思い出せなくなることが多いのですが、昔好きだったものを少しずつ拾い集めたいと思います。

おまけ:たまたま本屋で見かけて思わず買ってしまったこちらの雑誌もとっても良かったので載せておきます!


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kokos
記事を読んでいただきありがとうございます!日々の中で感じたこと、考えたことをつらつらと書きとめていきたいと思います。

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