スペインで暮らす(大学編)#6 ものの見方と考え方を取り入れるということ
今私がやっているマスターはアラブ・ヘブライ文化とアルアンダルースというコースで、主に二つのパート(中世スペインと現代スペイン)に分かれているのですが、その中身はかなり様々な分野の教科があります。下記の授業が履修している科目で、今週と来週はアラブ社会、マグレブにおける政治変化と市民社会についての授業を受講していて、最近は文学の授業続きだったので久しぶりに政治学の回になりました。
・アラブヘブライ研究のやり方(必修)
・ヨーロッパのムスリムとユダヤ人
・対立、領土政策、脱植民地のプロセス
・イスラム言説と現代アラブの政治思想
・ユダヤ社会におけるジェンダー
・アンダルースの実体とアイデンティティー
・アルアンダルースのマイノリティー
・中世ヘブライ文学
・東洋と西洋の架け橋としてのグラナダ・ナサリ文学
・アラブ社会、マグレブにおける政治変化と市民社会
・グラナダとアルハンブラ
私は学部で政治学をやっていて日本での修士も便宜上法学修士でしたが政治学専攻をとっていました。じゃあ何を学んだの?と言われるとこれまであんまり意識していなかったのですが、今年全く知らない分野のマスターをスペイン語でやってみて気づいたことは、一つの学問を修めるっていうのは一つのものの考え方の枠を自分の中に取り入れることなんだな、と思いました。というのも、上の授業でどれも知らない分野なのだけど、対立、領土政策、脱植民地のプロセスとか、アルアンダルースのマイノリティー、そして今受けているアラブ社会、マグレブにおける政治変化と市民社会とかは、わからないなりに論文とか課題を読めば何となく言ってることは理解はできる。でも例えば、中世ヘブライ文学とか東洋と西洋の架け橋としてのグラナダ・ナサリ文学とかは、辞書とかで色々調べて言っていることはわかるけど、それがどういうことなのか理解することが難しく、結局どういうこと?と考え方やアプローチの仕方がよくわからず最後の課題を書くのにもとっても手間取りました。
これまでの留学経験から、違う言語を学ぶことって自分の中に新しい視点を取り入れる作業だなあと思っていましたが、一つの学問を修めることも新しい考え方の枠組みを自分の中に吸収することなのかもしれません。学部時代は特に、自分が好きな授業だけを色々とって聞いているだけでしたが、知らず知らずの間に、自分の中に政治学的なものの見方が蓄積していて世の中を見る枠組みが作られていったのだと思います。私は記憶力も良くないし勉強自体は好きじゃないけど、できるだけ色々な視点が自分の中にあればあるほど、豊かに世界を見ることができると思うので、まだまだ知らないものをいろんなものを学んで、いろんな言語をコツコツ学んでいきたいなあと改めて思いました!