【喉の疲れ】プロはなんで疲れないの?~「ピアニストの脳を科学する」という本から”ボイトレ”に活かせそうな話を考察➃~
声の悩みTOP5に入ると言ってもよい「大きな声でしゃべっていると声が疲れる」というお悩み。
その悩みを相談すると「余計な力が入っているからだよ」や「正しいフォームで声を出そう」や「響きを使おう」「緊張を解こう」というアドバイスが返ってきます。
数100年と歴史あるボイストレーニングですからもちろん上記のアドバイスを実行できれば疲れにくくなるでしょう。
でも僕は、それだけだとなんだか納得できない!左脳的に理解したい!
という事で今回はあえて、ピアニストがなぜ疲れないのか?という研究から考察していきます!
声を出すという事は脳と身体の運動(スポーツ)です。ピアノも同じく脳と身体の運動。使う筋肉は多少違いますが似通った脳部位が活性化することからもヒントを得るには十分な情報です。
なぜプロは疲れないのか?
理由をいくつか挙げていきましょう!
【”ピアニストのほうが、音楽家ではない人よりも、遅筋が発達している”(引用)】
遅筋とは持久力に関係のある筋肉です。練習によって持久力を身に着けているという事ですね!
【”プロのピアニストはアマチュアに比べて、鍵盤が底に着いてから力を加えている時間が短いことがわかりました”(引用)】
これはどういう事でしょうか?「同じ曲を同じ時間引いたとしてもプロの方が休んでいる時間が長い」「無駄な力を使っていない」という事が証明され、
更に一つの音を長く伸ばす(ロングトーン)という実験では、
【”アマチュア・ピアニストは、プロの3倍もの力で鍵盤を押さえ続けていたのです。”(引用)】
声で同じ大きさ、同じ文章を読んだとして同じことが起こることが予想されます。
〇ここまでのまとめ
プロのピアニストは「疲れにくい筋肉を練習によって手に入れていて」「余計な力を使わず脱力することが上手」ということ。
疲れない声を出すには、なにをしたらいいのか?
ポイントを3つにまとめてみましょう!
1・楽に声を出す感覚を知る
これについてはとーっても長くなるので過去の記事から「腹式呼吸」「腹式発声」「声の距離感」をご参照ください。(ページ下部にURLを貼ります。)
一言だけ「腹式呼吸」を学ぶ理由は「脱力」を学べるからです。脱力は「楽に声を出す」ために大切な要素ですので、知っておいて損はないでしょう。
2・いろいろな声の出し方で原稿を読んでみる
あなたは「今持っている」声を「何とかしよう」と考えていませんか?今持っている声は「あなたが今までの人生で作り上げてきた声の歴史」です。
”色んな音量で、変な声でも、外国人風でも、中二病風でも、プレゼンの上手いあの人風”でもいいので、「いつもと違う声を出して楽に声を出せそうだな!」というポイントを探す方が正直早い!まさに学ぶことは真似ることですね。
3・イメージの力を使う
ピアノのレッスンでは
【”これから鳴る音をイメージしてから、打鍵しなさい”(引用)】
といわれるようです、そして実験により
【”あらかじめ音をイメージして打鍵した方が、イメージせずに打鍵するよりも、指先が鍵盤に衝突する瞬間の加速度が小さいことが分かりました。”(引用)】
【”つまり、これから鳴る音をイメージせずに打鍵すると、必要以上に強く鍵盤をたたいてしまうという事です”(引用)】
楽に声を出しているイメージを持つという事はとても重要です。
声を音響機材に例えると「口・喉=スピーカー/肺=アンプ/脳=CDデッキ」となります。僕たちは「この声を出そうと脳で作り上げた声」を体を総動員して出していると言えるのです。
では、
あなたは「大きく出した声を楽な声に変えたい」と考えていますか?
それを
「楽な声を大きくしていく」と切り替えてみましょう。
楽に声を出している自分の立ち方は?
楽に声を出している自分の表情は?
イメージ出来たら、まずは「そのイメージで声を出してみる」次に「だんだん大きくしていく」という順番で実験してみましょう!
筋トレは効果あるのか?
僕は間接的にですが効果アリと考えています。
〇声はメンタルの影響を受けやすい性質を持っています。筋トレによって出る脳内ホルモンの影響でメンタルが整い、自信のある声が出しやすくなると考える事は可能!
〇インナーマッスルを鍛えれば自然と姿勢が良くなる=フォームが良くなって疲れにくくなる
〇心肺機能が上がり身体的に疲れにくくなることは健康にもいいし、息の余裕にもつながるので間接的に効果があると考えてよい
〇力を入れる・力を抜くという事が感覚的に理解できるようになる。(体の使い方が分かる)
僕は20代後半で10キロ太ったことがあり、その頃はメンタルも落ちやすく、夜の生活もすぐに息が切れ、歌も段々息切れが・・・慢性的にやる気も起きないという状態でした。
30代目前で簡単な筋トレを習慣にしたところ上記の問題はかなり改善したので、メンタルの為にも身体の為にも声の為にも多少の筋トレはオススメします。
参考文献(このブログが面白かったらぜひ本家もご一読いただければファンとしてとても嬉しいな!)
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