ボイトレで「大きな声を出し慣れよう」って練習あるけど意味あるの?~「ピアニストの脳を科学する」という本から”ボイトレ”に活かせそうな話を考察➂~
「大きな声を出し慣れよう」って練習あるけど意味あるの?
何か根性論だな~
と感じたことはありませんか?
僕は声が極端に小さい、喋り辛い、時期がありました。
声が響きやすいという特徴を持っていたため国語の授業などではなるべく声を出さないように、目立たないように喋ろうと、元々の内向的な性格も相まってか、いつの間にか声の出しづらい自分を手に入れていたのです。
【”実験によって、大きな音が突然鳴ってしまったとき、ピアニストはその直後に音量を弱めるという事がわかりました。ところが、意図した音よりも小さな音が鳴ったときには、その後の音量のは変化しませんでした。”
”これと同様の現象は。話している時に、自分の声の大きさが急に変わったときにも起こることがしられています。”
”どうやら私たちの脳は。自分の出している音の音量が、大きく鳴ったときだけ反応しやすいようです。”(引用)】
音量の記憶
私たちにの脳には音量をコントロールする能力があるという事は分かりました、ではなぜ僕たちは声が小さくて悩んでいるのでしょうか?
音楽の経験がある方は思い当たるところがあると思いますが、楽譜には「強弱記号」(pp/p/mp/mf/f/ffなど)があります。
練習の過程で指揮者や先生に「もっと大きく」とか「もっと小さく」とかいろいろ言われて、何度も練習して「音量の基準」というものを自分の中に作っていきます。
遺伝的に内向的な性格だったり、子供の頃体が弱かったなど、複合的な理由が絡んできますが、日常会話の発声音量は後天的に自分で作りだした「音量の基準」を使っているといっても過言ではありません。
僕の場合は自信のなさ・劣等感・内向的な性格・からあまり声を出したくないという思いが強く、小さい声になるよう気を付けていたらいつの間にか小さくしすぎてしまって、とっさに声が出にくくなるという事が起こりました。
これは小さい声を続けることによって「自分の日常的に会話で使う音量はこれくらい」という感覚ができてしまい
今度は常に、無意識で、声を出そうとすると小さくなってしまう、声だ出し辛いという結果に。。。
僕は原因を思い出せますが、原因を思い出せない方も多くいらっしゃいます。
声のコントロールはほぼ無意識で行っている運動です。
箸の持ち方に苦労した人は明確にプロセスを覚えていると思いますが、苦労しなかった人はあまり覚えていないように、当時はあまり問題がなかったことでも社会人に出てから問題になったという場合は思い出すことが難しい事があります。
新しい記憶・基準を作るために
音量の基準を作るトレーニングをご紹介!
1・音楽の音量を上げ下げするツマミやフェーダーをイメージする
2・普段出している声を1~100のボリュームにするといくつなのか考える
3・普段の声から〇%上げて(30%とか60%とか大きく変えた方が変化がわかりやすい)
4・今度は〇%下げてみる
5・いろんな%でやってみる
6・慣れたら、会社や友達と話す時に音量を上げたり・下げたりして自分が話しやすくなるポイントを探していく
余談ですが、声が普段から小さい人は「ちょっと大きくなった」だけでかなり変わったように感じるように人間の耳はできているようです。
まとめ
「大きな声を出し慣れよう!」って言ってしまうとなんだか脳筋というか・・・根性論的な雰囲気がしてしまいますが、「なぜ?」の理論を知れば確かにこうかはありそうですね!
根性論かそうでないかを分けるのは、そのトレーニングの意味を理解できているか、理解できずとも知識として知っているかという事がポイントになってくるのかもしれませんね。
筋トレでもどこの部位を鍛えているかイメージした方が効果が上がるといいますしね!
参考文献(このブログが面白かったらぜひ本家もご一読いただければファンとしてとても嬉しいな!)
ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム
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