猫には猫の『日々の大切な習慣』
目がさめたわたしは、かたまった体をほぐすようにのびをした。
そろそろ起きようかな。ちょっとのどがかわいたし、おなかもすいてきた。
でもー・・・。
ガラガラガラッ
とつぜん、引き戸を開ける音がした。
びっっっくりしたぁー。とつぜん大きな音がしたから心臓バクバクしてる。
おとうさん、いつの間に起きたんだろう?
二度寝をしていたわたしは、ふたたびのびをしてベッドから飛び降りた。
うわ。体カチカチ。同じ姿勢で寝すぎたかも。
ひとまず前足を目いっぱい前に伸ばして、お尻をぐぐぐぐぐーっとうしろに引いて・・・
んんー!このストレッチが一番気持ちいい。体のびるーー!!
そういえば最近いずみちゃんも、わたしのマネしてるんだよなぁ。ヨガとかいうやつ、やってるみたい。
あ!そろそろいずみちゃんのこと起こさなきゃ。
でもその前に腹ごしらえしとこ♪
わたしのごはんはいつも、おうちのおとうさんが準備してくれてる。わたしが食べたいなぁって思ったときにお皿が空だったことがない。
おとうさんすごいなぁ。
わたしがごはん食べたいタイミングわかってるみたい。
そんなことを考えながらお腹を満たして、ついでにトイレも済ませたわたし。
次にやることは、大切な朝の習慣!2階のいずみちゃんを起こすこと!
いずみちゃんは、お外にいたわたしをここに連れてきてくれた人なんだよね。
2階に行くにはお部屋の扉を開けてもらわないとダメで、わたしはいつも、扉が開く瞬間をねらって部屋からでる。なんとなく、おねだりするの悪いなって思っちゃうから、開くのを待つことにしてる。
おとうさん、早くトイレとかいかないかなぁ。
わたしが部屋からでたいタイミングと、おとうさんが扉を開けるタイミングが一緒じゃないのがちょっと困る。わたしにはわたしのルーティンがあるのに。
まぁでも仕方ない。毛づくろいでもしながら気長にまとう。
キィー・・・。
扉を開ける音!毛づくろいに夢中になっていたわたしは、慌ててソファーから飛び降りておとうさんの足元をすり抜ける。
やった!脱出せいこう♪
一気に階段を駆けあがっていずみちゃんの部屋に行く。案の定、いずみちゃんはまだ起きていない。
はぁ~。いずみちゃんを起こすときは声張り上げないとダメなんだよね。ちょっと疲れちゃうけど遊びたいし、ブラッシングもしてもらわないといけないしね。
にゃー。にゃーー。なぁーーーん。に゙ゃぁぁぁ!!!!
「あ、ルナ~?おはよー」
ふぅ、いずみちゃん起きた。
ルナっていうのはわたしの名前。いずみちゃんがつけてくれた。
月の女神さまとおなじ名前なんだって。
「・・・zzz」
あ!もうー!!寝ちゃダメに゙ゃぁぁぁ!!!!
「んー・・・。ルナ、おいで~」
いずみちゃんはお布団をポンポンっと叩いて、わたしをベッドに誘う。
でもわたし、寝にきたんじゃないの。起こしにきたの!
ねむけまなこでぼーっとわたしを見つめるいずみちゃんに、とりあえず出窓のカーテンを開けてとキラキラした目で訴えてみる。するとようやく、ベッドからもぞもぞ起き出してカーテンを開けてくれた。
すかさずお気に入りの出窓に飛びのって、お外のようすをチェックする。
うん。今日も異常なし!
ふといずみちゃんのほうを振り返ると・・・寝てる!いずみちゃんまた寝てる!!もうっ!
なぁーーん。なぁぁぁーーん。・・・に゙ゃぁぁぁん!!!!
「わかった。わかったよー。起こしてくれてありがとね」
ようやく起きたいずみちゃんの後をついて、お隣のお部屋に行く。いずみちゃんは朝起きるとまっさきにお湯を沸かす。お湯が沸くあいだが、わたしのブラッシングタイムなのだ。
いずみちゃんの足元でゴロンってねころんでクネクネしてみせると、いずみちゃんは「もう〜」とニコニコしながらしゃがみこんで、わたしのブラッシングをしてくれる。
わたしの毛って長いから、自分の毛づくろいだけじゃどうにもならないんだよね。それにいずみちゃんのブラッシングって気持ちよくって、すぐにウトウトしてきちゃうー・・・
!!!!!
ちょっと!せっかく気持ちよくなってるところなのに、しっぽやめてよ!
いっつも嫌がってるのに、なんでしっぽのブラッシングするの?
至福の時間だったのにー!
ぷりぷりするわたしをよそ目に、いずみちゃんはコーヒーを淹れだした。
ここからはいずみちゃんのまったりタイムがはじまる。
わたしは、いずみちゃんがソファーでまったりしてるとなりで丸くなって満足感にひたる。
今朝もちゃんと、いずみちゃんを起こせた!
いつもとおなじ一日がはじまる♡
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