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【連載】家族会議『父の幸せのイメージ編』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まった家族会議の全記録!本日より、録音記録をもとに書き記していきます。
まずはざっくり家族紹介
70代の両親と、40代未婚の娘ふたり。娘であるわたしと姉は、本来なら自分の夫や子育てに悩む年齢である。そりゃあ、わたしも成人するころまでは漠然と「ふつうの家族」を持つ自分をイメージしていた。しかしわが家はそうはならなかった。そしていまだに高齢の両親と家族論争を続けている。
なぜそんなことになっているのかは、『わたしと家族のこと』をご一読いただきたい。
家族会議 1日目#1|父の幸せのイメージ
2020年1月6日、家族会議1日目。まずは目指すべき幸せのイメージを明確にするために、それぞれの「幸せ」を言語化してもらうことにした。
わたし:お父さんの幸せのイメージってどんな感じ?
父:なんだろ、穏やかに過ごせる状態かな。
わたし:穏やかに過ごせる状態ってどんな?
父:うん。プラス面が上回った状態。
わたし:プラス面…?
父:プラス面っていうのは、なんだろうな。お父さん個々でいいんだよね?
わたし:うん。いいんだよ。お父さんのイメージで。
父:プラス面っていうのは、なんていうか、こだわらない。
わたし:こだわらない?
父:失敗しても次につなげる。ようにすればもうプラスなんですよ、お父さんの中では。失敗を大きく捉えない。失敗は失敗で経験と思ってるから、プラスなんですね。「失敗だー」ってマイナスにとるんじゃなくて、失敗を糧として次につなげればプラスなんです。だからあまりそういったことにこだわらない。ような考え方がプラス。
わたし:失敗しても、失敗にクヨクヨしないってことかな?
父:それでマイナスというのは、クヨクヨするって言ったらあれだけど、失敗をずーっと抱え込む。と。実際失敗したらそうなるのかも知らんけど、そういうのは嫌だ!と。思っているのが私です。と。
わたし:お父さんは、今は穏やかじゃないわけだよね?
父:穏やかじゃないねぇ。
わたし:それは失敗にクヨクヨしてるってこと?
父:うん。失敗に心を奪われてる。
わたし:なるほど、そうなんだね。お父さんが失敗を気にかけてる状態なわけね。その失敗っていうのはやっぱりあれ?子育てとかのこと?
父:そうそうそう。
- 今日はここまで -
ここで解説を入れよう。父の頭の中はこうである。
「おれはプラス面しか考えない。マイナス面はなかったことにしている。なのに、家族はマイナス面だけをツラツラとあげつらってネチネチ言ってくる。だからイライラして心穏やかでいられない。それさえなければ俺は幸せでいられるんだ!」
失敗をなかったことにしたい(してほしい)のが父である。つまり「家族のせい」で俺が幸せになれないんだ!と言いたいのだ。
こんな解説ができるようになったことこそ、まさしく家族会議の成果である。以前なら、「お父さんは失敗をプラスに変えて成長してきたんだな」と言葉のままに受け取っていただろう。
ほかにも、家族会議のメリットはある。
誤解がとける
思い込みが勘違いだとわかる
それぞれの価値観がわかる
それぞれの気持ちがわかる
家族の問題点が明確になる
など、漠然としたわだかまりの正体がハッキリと見えるようになってくる。
あとはそれぞれが、事実をどう受け止め、どう向き合い、どう変わるか。「問題意識」と「変わりたい気持ち」があるかないかが命運を分けると言ってもいい。
わが家の場合、父には問題意識がなく、母にはあった。だから父は何も変わらず1年生のままで、母はもがきながらも成長して大人になった。
人は自らが変わろうとしない限り変われない。
それは父を見て痛いほど実感している。
もちろん、変わるも変わらないも個人の自由だ。でも家族という単位で考えた場合、意識に差があれば上手くいくことはない。家族が同じ目的をもってさえいれば、紆余曲折あってもたどり着ける場所はある。とわたしは思う。
<次回に続く>
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