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それだけ

あなたがいない

わたしがそれをえらんだ
あなたは
それを受けいれて
というか
ただただそこから逃げて
今は
どこかとおく

今もあの部屋で
今はひとりでねむっている

わたしもひとりで
ねむらなきゃいけない

えらんだけど
すごくさみしい

あなたはわたしに
もらったものは
ぜんぶ捨てるね
と言った

そんなこと
わざわざ言わなくていいのに
と思ったけど
好きにしたらいいよ
と言った

いつもあなたがやりたいことをやれるようにと
こころから思ってた
あなたが楽しめることや
あなたが楽になることをえらぶことに
わたしはこれからも大賛成だ

ふたりのこれからは
もうなくなってしまうけど
そんなことはまるで起こらないかのように
朝までいっしょに眠って
いってらっしゃいを言って
わたしはあとから準備して
あなたの部屋を出た

いつもしている置き手紙には
大好きだよ
おかえり

と書いた

さようならも
ありがとうも
悲しすぎた

もう二度と会えないみたいで
もう二度と会わないときめたけど
もう二度と会わないのかもしれないけど

もう二度と会わないというように
別れることは
つらかった

ドアをしめて
もうもどらない

わたしはたったひとりのひとになったと
からだが告げていた

あなたはもう
わたしといっしょにいるひとでは
なくなった

あなたといっしょいたわたしも
なくなった

いや
それはなくならない
なくさないと

わたしは今日もあなたのシャツを着て
どうしてるの

あなたに声をかけた

なんにも捨ててない
はなれただけ

はなれたまんま
生きているだけ


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