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ふたご座うまれのひとりっ子【連載小説】

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はじめての連載小説です お告げにより書くことを決めました 読んで頂けたらうれしいです
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ふたご座うまれのひとりっ子 #2【連載小説】

ふたご座うまれのひとりっ子 #2【連載小説】

この時期の雨は、何でこんなに中途半端な降り方をするのだろう。

私は中途半端が嫌いだ、ものすごく嫌いだ。

この6月の雨は、まるで自分を見ているようだから、嫌い。

小学生は新しい友達ができると必ず星座を知りたがる。

私が自分を中途半端な人間だと自覚するようになったのは、小学2年の頃。

井元ひかる、「イモトヒカル」だから出席番号はだいたい3番前後。

アライ、イイダの次くらい。

4月の昼休み

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ふたご座うまれのひとりっ子 #1【連載小説】

ふたご座うまれのひとりっ子 #1【連載小説】

特技、目立ちたくないのに、目立ってしまうこと。

履歴書に書いてはみたものの、この特技をポジティブにとらえて私を採用するような企業とは気が合わない。

女子社員の中途採用なんて、100パーセント目立ちたくないのに目立ってしまう。

個を尊重し特技を活かした働き方をさせようと考える親切心なのか、目立って困惑する姿を嘲笑いたいだけのマウンティング人事なのか。

とにかく気が合わないことだけはわかる、前

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