身体感覚と言語力
ゴールデンウィークに入り、美味しいものを求めて旅行を楽しんでいる方も多いことと思います。
さて、みなさんはとても美味しいものを食べたとき、
「おいしーい!」
と言いますか?
それとも、
「やばっ!!!」
と言いますか?
「やばい」という言葉は、今では若い世代だけでなく幅広い世代で、また、あらゆる場面で使われるようになりました。
改めて、現在の「やばい」の意味を調べてみたところ、
美味しい、かわいい、楽しい、かっこいい、キレイ、素敵、スゴイ、びっくりした、好き、嫌い、まずい、怖い、かわいくない、かっこわるい、感動する、意外…
などなど、たくさんあります。
どの時代でも言葉の変化はあって、それを”正すべきだ!”というつもりは全くないのですが、違う角度から私は危機感を感じています。
なぜなら、自分の感覚に気付き、生じている気分・感情・思考などをいかに的確な言葉で表現できるかがコミュニケーション力やストレス耐性に大きく関わるからです。つまり、自分の内部で発生していることを、正しく知覚し、的確に言語化できる力が生きる上でとても大切なのです。
もう少し詳しく言うと、快なのか、不快なのか、どのように不快なのか、身体にどのような変化が生じているのか、的確に認識できる気付き力と概念力が大切なのです。。
ですから、私は、様々な感覚や感情を「やばい」だけで表現してしまうのは、本当に、やばいと感じています。
50年近く前、解剖学者の三木成夫氏は
「自分のからだの中の、本当に素直な動きというものに対して、人類は歴史的に盲目になってきている」
と言われました。これは、今の(当時の)小学生は保健室に入ってきても、どこが痛いのか、発熱で悪寒がしているのか、症状を言えない子どもが多く、自分のからだについて考える力がない子が増えている、と心配する保健室の先生のご発言を受けて、三木先生が言われた言葉でした。
それから50年。その傾向は、さらに深刻になっているように思います。
当Laboが主催する「マインドフルネス道体験会」に参加された感想の中には、
・自分の足裏について気にとめたことがなかった
・自分に背骨があることに初めて気が付いた
・”足はここ!" と自分の足の存在を認識できた
という感想もあります。
現代人がどれほど身体に無関心になっているか、驚かされます。
マインドフルネス道体験会やセミナーでは、必ず身体調整・呼吸調整に取り組みます。また8週間プログラムでは、独自の洞察シートを使って、身体感覚や思考を視覚化していきます。それにより、身体の内側で発生している変化への気付き力が高められます。
すると次第に様々な変化が訪れます。
・穏やかになった
・明るくなった
・人の目が気にならなくなった
・身近な方との関係性がよくなってきた
などが代表的な変化です。
私自身も長年取り組む中で、実感しています。
マインドフルネスを一過性の流行で終わらせないために、正しいマインドフルネス実践法を伝え、多くの方がマインドフルネスを人生に役立てて下さることを願っています。
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