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”考える”から離れる

誰が教えるわけでもないのに、時期が来れば花は咲き、虫は鳴き…。自然に触れた瞬間、その素晴らしさに感じ入ります。

本来、人間の身体も動植物と同じように自然のリズムと同調しています。春になれば身体が自然に緩んでいくように…。しかし、デジタル機器に囲まれて、忙しく過ごす現代では、身体の自然のリズムを意識する生活はかなり難しいかもしれません。

また、身体は瞬間的にあらゆることを感知し、反応し、場合によっては内なる声を発しています。しかし、身体が発する声を、あたま(知識や情報など)がかき消してしまうからやっかいなのです。

解剖学者の三木成夫氏は、動物の分化の過程で、生の中心が心臓から脳へ移行していくさまに触れ、このように表現されています。

「悲」しいとはこころがあたまによって踏みにじられることの表現であろう

『生命とリズム』

私たちはあれこれ悩んでいるとき、「あーでもない」「こーでもない」と頭で思案します。”頭の中で、出てきた考えを混ぜ続けている状況”と言えるでしょう。

悩んでいる場合、考えて考えて考え抜く。そういった方が多いと思います。しかし、思い切って、意識的に、考えることから離れてみる。すると、忽然と、核心に触れる、閃きがある、身体が発している声に気付く、そんな瞬間があります。

もしかすると、「あのときがそれかも!」と体験を思い起こした方もいるかもしれません。

でも、考えることに慣れている私たちは、そう簡単に考えることを放棄できないのものです。加えて、考えようとしなくても、思おうとしなくても、絶えず脳は動き、次から次に思いが浮かび続けるのですから、それを「雑念を消して無になる」なんて、できっこないのです。

マインドフルネスは、「雑念を消す」「無になる」ことを目指すものではありません。各種瞑想実践を繰り返し、こころとからだの、瞬間瞬間の在りように"ただ"気付くのです。

こころ学Laboでボディワークを重視するのは、身体を整えることを入口として、身体感覚・内臓感覚への感受性、気付き力を高めるためです。正しく実践に取り組み続けると、頭に浮かぶ思考、知識や情報、常識や思い込みなどに振り回されなくなっていることに気付くでしょう。

これは知識を得るだけでは体得できません。
ただただ実践を続けるのみ、です。

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