見出し画像

東洋医学と西洋医学。事が起きてから対応をするか、事が起きないように対策するか

身近なところから、国、世界規模で考えても、たくさんのことにあてはまるのではないでしょうか。

事後の対応、事前の対策

例えば災害。
台風が直撃して、水や風やその他のことによって日常生活が送れなくなる。そうなった時に、日常を取り戻すための対応をする。
台風が来る前に、想定できることへの対策をしておく。

例えば病気。
具合が悪くなってから、検査をし、病態を把握して治療やリハビリをする。
健康診断を定期的に受けて、病気の原因になりそうなことがあれば、そうならないように生活習慣を見直す等の対策をする。

どこに例えても不謹慎とされる話題になってしまいがちで申し訳ないのですが。

事前の対策は大事。対策しきれないこと、想定外のことが起こることも多々ありますが、しているかしていないかの差は、その後の対応にも影響します。

自分の身体に関することも同様に。何かが起こる前に対策、予防できる人は少なく、その大切さを感じている人も少ないのではないでしょうか。


西洋医学と東洋医学の違い

わかりやすく分けると、

・病気への対応が西洋医学(病院)
・全身への施術により、局所の病変の治癒を促すのが東洋医学
 加えて、病気にならないように対策する
 (鍼灸、あん摩マッサージ治療院)

とも言えます。もちろんそればかりではありません。

肩凝りや腰痛も、骨や関節、椎間板に異常があれば、病気として診断され治療しますが、病気ではない場合には病院での治療は難しい。
そういう場合には、東洋医学的治療が向いています。

患者さんの中でも多いのが
腰の手術をした→退院した → そのまま
でも腰が痛いと来院される方です。
大抵、退院後のリハビリはせず、日常生活を送っていらっしゃいます。

一度大きな手術をされた方は、表面の傷口が治ればそれでいい、というわけではありません。

仕事や生活のせいで骨や椎間板に異常を起こしてしまったのなら、そこを改善しない限り、負担をかけ続けることになります。
腰の痛みをかばった生活で、偏った身体の使い方をしていると、他の部分にも支障が出てきます。

私個人の理想を言えば、
入院・手術・リハビリして退院された方には、アフターケアをきちんと続けていただきたいのです。

必要以上に筋肉が凝らないようにすること、偏った身体の使い方を自覚していただき、ご自分でもケアを続けていけるよう指導すること…
まだまだ続いていく人生を考えたらそちらの方が大事だと思うのです。

町には東洋医学の治療院がたくさんあります。認定された治療院であれば、保険も適用されます。
それを知らずに退院された方は、なぜ誰も、どこも教えてくれないのか??とおっしゃいます。

国で認められた資格ですが、仕事を認められていないと感じることが多々あります。だから施術者たちは皆、自分でこうして発信していくしかないのです。


病院でしかできない治療もあれば、病院ではできない治療もある。
西洋医学と東洋医学は敵対するのではなく、治療法の選択肢として広く認知され、患者自身が自由に選択できるようになることが、国民の健康を守ることに繋がるのではないでしょうか。

結果、自分の健康は自分で守るしかないのでしょう。
早期発見、早期対策のお役に立てるよう日々精進してまいります。

ここまで読んでくださりありがとうございます。ご自愛くださいね。

⋆ ✩ ⋆ ┄ ⋆ ✩ ⋆ ┄ ⋆ ✩ ⋆

おまけ1

教科書の堅苦しい説明は

西洋医学と東洋医学の疾病に対する考え方には大きな相違があります。 

【西洋医学】
病因分析的アプローチが中心で、臨床検査を重視して病因をつきとめます。 解剖学、 生理学、 病理学、 細菌学などを基礎として発展した医学であり、生体に攻撃的な因子を分析し対応する診断学です。
 
臨床検査で異常が認められなければ、いくら病人が異常を訴えても「異常なし」であり、診断がつきません。
診断がつかなければ治療ができないため、病気とその病因を調べることに重点がおかれ、病人そのものを診ないので、病気を治癒させられないことがあります。


【東洋医学】
症候と生体の反応を、詳細に観察して対応する治療医術として発展した治療学で、その根本の考えは
病気は生体のホメオスターシスの乱れで発症する、という認識に立脚しています。生体の生理機能の歪みによる症候や病態をとらえて、その証を決め、証に対応する治療を施して、生体の生理機能の回復をはかり病気を治癒させる力 (自然治癒力) をつけさせます。

個々の局所病変に対応するのではなく、生体すべての症候を診て、それに対応する治療でホメオスターシスの失調回復をはかるのです。
全身の不調が回復すれば、局所病変も自然と治癒していくのです。
  ~東洋医学の教科書より~


おまけ2

言葉の使い分け

この記事を書くにあたり、思わぬ壁となったのが
対応・対処・対策などの言葉の意味と使い分け。ついでなので書いておきます。

・対応
状況の変化、それぞれの相手に応じて、それにふさわしい行動をとること。

・対処
あるものや情勢に対して、適当な処置をすること。

・対策

好ましくない事態の出現を解決するために取る、また、相手の態度や事件の成行きに応じて取る、手段・方策。

「対策」は事前 ・「対応」「対処」は事後


対処はなにかしらこちらが状況を受けて必ずアクションを起こす

対応の「ふさわしい行動」は、ただ単に受けるだけの時もあるということ
私の仕事で言えば、丁寧にゆっくりお話を聞いた。…だけで、施術が必要でないと判断すれば、施術(行動)はしない、という場合が含まれます。


⋆ ✩ ⋆ ┄ ⋆ ✩ ⋆ ┄ ⋆ ✩ ⋆
あん摩マッサージ指圧師は、西洋医学も東洋医学も学びます。
施術の内容に関しては東洋医学なのですが、他人の、お辛い身体をさわらせていただく仕事なので、きちんと身体のことをわかっていないといけません。
私の卒業した学校では、生理学、解剖学などの基礎は一通り身に付けられるカリキュラムになっていましたし、特に整形外科には力を入れてくださっていたので、本当にありがたく役に立っております。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?