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給料・賃金どうやって決まる??#2

こんにちは!
皆さんは自分の給料がどのような考えのもとで決められているのか考えたことはありますか?
今回はドイツの哲学者,カール・マルクスの資本論から賃金について考えてみましょう.

カール・マルクスとはどんな人?

カール・マルクスは19世紀に活躍したドイツの哲学者・思想家です.彼は共産主義の理論を提唱し,あのレーニンが社会主義国家ソビエト連邦を誕生させるきっかけともいわれる資本論を提唱した人物です.
ここでは社会主義が良い云々ではなく,資本論からわかる賃金の意味についてみていきます.

【背景】この時代の労働環境

産業革命の中,子供たちが過酷な環境で働いていた(↑児童労働の報告書内の絵)

19世紀ごろの社会は,現在のような労働者を保護する制度や法律の整備が不十分で,労働者は低賃金で過酷な労働を強いられていました.一方労働者を雇う資本家は優雅な生活をし,この状態をマルクスは疑問視していました.
マルクスは社会主義が良いと言っているのではなく,労働者の権利や平等を主張しており,現在の資本社会は彼の考えを多く取り入れています.

そもそも賃金って?

当たり前ですが,賃金は労働に対する対価として支払われる報酬です.
19世紀ごろは,労働者が多ければ賃金が下がり,労働者が少なければ賃金が上がる,現在の売り手市場のような感覚で決められていました.つまり資本家が一方的に賃金を決め,労働者は弱い立場でした.これを正すべく資本論では,労働組合の結成や最低賃金の制定について触れられていました.

賃金の額を決める要素は?

賃金は労働者の成果や経験,スキルなどで決められることは想像できるかと思います.その他にどのような要素があるのでしょうか.
私たち労働者は給料をもらって生活しますね.雇い主(資本家)からすれば,労働者に明日からも出社して労働してもらいたいのですが,そのためには労働者が次の日も働ける状態になってもらう必要があります.つまり労働者が生活するための衣食住が備わっている必要があるのです.この衣食住を労働者が確保できる分のお金が給料には盛り込まれています.なので,家賃などの費用が低い地方は,最低賃金が低く,都会は賃金が高くなることに繋がっています.当たり前のことを言っているのですが,このことを普段意識する人は少数かと思います.

値下げは私たちにとって良いこと?

商品や家賃の値下げと聞いて皆さんはどう思いますか.「嬉しい!」「たくさん売れて経済が回る」と思った方は一旦先ほどの話を思い出してみてください.給料は衣食住の生活費が考慮されて決まります.つまり労働者が生活するのにかかる費用が安く済めば「給料上げる必要ないよね~」となりかねないのです.長年日本はこの状態に悩まされてきました,いわゆるデフレ状態です.「安いものが売れる→給料が上がらない」
一番の理想状態は物価が程よく上がり,それと同時に賃金も上昇することですね.

賃金の伸び率(内閣官房)

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai3/shiryou1.pdf

まとめ

今回はここまで!賃金の考え方をマルクスの資本論を参考にみてみました.
今後もお金に関する情報,考えを発信していきます.

見ていただきありがとうございました!



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