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甥っ子に思ふ

わたしには甥っ子がいます。甥っ子といっても春から社会人。
子どもから素敵な男性へと成長しつづけています。
甥っ子とは姉の妊娠中から、2歳半過ぎくらいまで一緒に生活していました。
はじめての身近な赤ちゃん。毎日、すごく癒されました。
そんな甥っ子はわたしの転換期に重要なメッセンジャー的な役割を担ってくれました。

①「結婚」という転機
甥っ子が生まれて自分も子どもを産みたくなったのを覚えています。
わたしは子どもが欲しくて結婚したい思いが無意識的に強まっていたと思います。
そして、前夫と結婚。前夫はとても素敵な人でしたが、元夫を理解し、寄り添うよりもなぜか動物的に本能的に子どもが欲しかったという想いが勝っていたのかもと振り返ると思うのです。もちろん、その時は(元夫と)ずっと一緒にいたいという想いがあったと思うのですが…。
だから、結果的に離婚してしまたのでしょうか。
結婚前に母に連れていかれた占い師に「離婚する」と言われていて、当時自分の中ですごく苦しみました。
潜在意識に刷り込まれていてそうなったのか、それともわたしは「子どもを産む」という目的のために結婚を選ぶということを無意識に見透かされていてそれ故の結果と思ったり。
ただいずれにせよ離婚あっての今があるため、離婚は未熟なわたしにとっては必要な経験でした。とても辛い経験でしたが、結果的には良かったと思える今があります(②に関連するのですが心理学を勉強してそう思えました)

②「心理学」を学ぶという転機
栃木に17年振りくらいに戻った時は、甥っ子は大学生。心理学部に在籍。わたしも大学の社会福祉学部で「心理学」の基礎は学んでいて、何となく興味はありました。離婚の際にも男性って難しいなと思っていて、男性の心理を勉強したりしていましたが…こんな風に資格を取るとまでは思っていませんでした。つながっているんでしょうか。
甥っ子のリモートでの勉強を見たりしていて、公認心理師の資格を知るきっかけもくれました。わたしの「やりたい」という気持ちを引き出してくれました。
その時期、子どもとの離れた生活で心は罪悪感や執着心のようなもので、毎日がとても悲しく、解決策を探している時でもありました。
アイデンティティが崩壊しているわたしは、試験勉強に打ち込むことで、アイデンティティを確立することができました。
わたしは公認心理師はGルート受験。Gルートでの受験は今年で終了します。
このタイミングで受験できなければ、資格取得はできませんでした。

そんなターニングポイントを導いてくれた甥っ子。
感謝したくても感謝しきれない。
恩返ししたくても、なかなか恩返しできない。

大人として社会にでるうえで、必要な能力を知っておくと少しは武器になるかなと思えたので、記します(身内はnoteに記していることを知らないので、読む機会はないかもしれませんが想いが通じることを念じます)

「ドラマツルギー」と「役割取得能力」について

以前、記事にした「ペルソナ」(記事:一人で頑張らなくても・・・)にも似ているんですが、社会学者のアーヴィング・ゴッフマン(1922~1982)が「ドラマツルギー」という方法論を提唱しています。

ドラマツルギー
「人は社会の中で俳優のように自分の役割を演じている」という視点から人間心理を探求する方法
ドラマツルギーほ視点からみた学校を例にします。
・先生は先生の役割を演じる
→先生らしい服装や生徒の質問に答えたり生徒を注意する

・生徒は生徒の役割を演じる
→座って静かに授業を聴く、意図的に不良の生徒を演じている場合もある

※もし、先生や生徒がそれらしくない行動をしたり、服装をしたら、
 「授業」「学校」という場が成り立たない

人々が物事の意味を解釈し、それに基づいた相互行為をすることで社会は  成り立つとするドラマツルギーの視点は、相互作用論とも呼ばれます。
図解心理学用語大全

社会では上司と部下など役割に沿った行いをすることで職場といった自分の置かれている場所の秩序を成り立たせています。互いの相互作用を繰り返しながら、社会を保っています。
そして、その社会生活において必要な能力が「役割取得能力」です。


役割取得能力

R.L.セルマンは「思いやりの心」を役割取得能力の発達という視点から考察しています。
思いやりはどのように育つのか。自分の気持ちや考えだけでなく、相手の立場に立って、その人の考えや氣持ちを推し量る能力。相手が置かれている立場や推測する力を「役割取得能力」としています。
さらにこうした相手の氣持ちを推測する力(思いやりの心)の発達を以下のような5つのレベルに分けています。

  • レベル0:自己中心的役割取得(3~5歳)

  • レベル1:主観的役割取得(6~7歳)

  • レベル2:自己内省的役割取得(8~11歳)

  • レベル3:相互的役割取得(12~14歳)

  • レベル4:社会及び慣習のシステムの役割取得(15~18歳)

    心理学部心理学科に在籍中のちばつかさ さんがYouTubeチャンネル「ちばつかさの心理学部心理学科」で詳しく説明されています。


そして、そして、わたしは福祉職なので、さらに飛躍させて。
2025年の超高齢社会(全人口の4人に1人が高齢者)に向けて「介護福祉士という専門職だからこそわかる役割取得能力」を活かそうと、熱く語ってくれている動画を紹介します。
YouTubeチャンネル「ままる介護士チャンネル」より

・「高齢者の顧客が増えていくため対応できる人材(=介護福祉士)を登用するべき」
・「介護福祉士が社会で活躍する時代」
・「これからは(介護福祉士は)介護業界だけが全てではない」

ホントにそうだなって思うと同時に介護福祉士だけではないと思います。
医療や福祉の専門職が地域に出て高齢者に対する役割取得能力を発揮できる機会が増えます。


医療や福祉の専門職でなくても「知る」ことで、高齢者に対する役割取得能力が高まります。
知る方法の一つに行政や地域包括支援センターの開催する「認知症サポーター養成講座」への参加があります。
わたしも前職は地域包括支援センターの社会福祉士として勤めた時代に、銀行、スーパー、中学校、町内会、民生委員さんなどに講座の開催を働きかけ、実施していました。
2025年には認知症の人が700万人に達すると言われています。
「認知症サポーター養成講座」を普及する取り組みが各自治体でなされています。開催の際は誰もがぜひ参加して欲しいです。


最後に医療や福祉の分野だけでなく、すべての人がそれぞれの分野の「役割取得能力」を高めて、思いやりのある社会になるといいなと思います。
これからの時代はIQ(知能指数=頭の良さ)よりもEQ(心の知能指数)とも言われてもいます。

社会に出ると、心が折れそうな現実に直面することもあると思うけど、
甥っ子には新社会人生活を楽しんでほしい。頑張ってほしい。そして、応援したい。(本当は頑張らなくても互いが互いを尊重できる社会でありますように、そんなやさしい社会のしくみ作りを頑張る人も応援したい。そんな社会なら生きやすくなる社会人が増えますよね。きっと。)
甥っ子に限らず、社会に出る子どもたち、すでに社会人であるわたしたちのの社会がやさしさで溢れますように。
社会人、おめでとう!!

 心の知能指数=EQ
アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンなどが提唱
心の知能とは、自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能を指す。
「人間性の豊かさ」の指標
自己認識力、自己統制力、動機づけ、共感能力、社会的スキルの5つの能力によって、EQは成り立ち、EQが高ければ社会的にも評価される
「プロが教える心理学のすべてがわかる本」参照

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