母と言う名の呪い

子供は母親のコピーです。
父親の遺伝子もあるのですが、
産まれたばかりの時は基本的には
母親がつきっきりでお世話をします。

遺伝子も同じで母と常に過ごし、話していくと
思考・口癖まで同じになっていきます。

大人になり、母の基盤を持ちながら
様々な経験成長をしていき、
考えも少しずつ変わってきます。

例え母におかしな事を言われたとしても
母の基盤を持ち、刷り込みがある私たちは
完全に嫌いになることはできません。

逆恨みをして嫌いになったとしてもそれは愛情の裏返しです。
「何故わかってくれない?」
(お母さんならわかってくれるよね)
お金をせびってくるなんて信じられない
(でもお母さんの世話をしないと、誰が面倒見るの?)

母親の言葉は、一番近くの人間で
子供の頃から絶対的な存在なのです。

私は良くも悪くも呪いだと思います。


私は母が数年前に亡くなったのですが、
それはもうこの先にもきっとないぐらい
空虚感に襲われました。
自分の半身を失った気分です。

美しい母、思想もしっかりしていて憧れの人。
そんな時、兄が
「母ちゃん、本当ヒステリーだったよなー」
と、一言言われた時目が覚めました。


私は子供の頃、親に愛情を注がれてきませんでした。
物心ついた時から、両親は夕方から遊びに出かけ、
兄は年が離れて家にいなかったので
いつも家でひとりぼっちでした。

ゲームだけ与えられ、夜中に帰ってくる両親を
寂しい気持ちでずっと待っていました。
夕飯は一緒でしたが、私が友人の話をすると
「あなたの交友関係聞いても分からないから話さないで」
まだ小学校低学年。
「私は自分のことを話しちゃいけないんだ」
子供なのに察していました。

夫婦仲もそこまで良くなく、喧嘩も絶えません。
常に2人の仲裁に入って、
母のヒステリーで様々なものが飛んできました。


そんな大切な事を記憶から消していました。
自分が愛されていなかったなんて思いたくないから
無意識的に記憶を無くしていたのだと思います。

母親は子供だったのだと思います。
私に愛情はあったと思うけど、
それよりも自分のことの方が大切。

今になると、
そして母が居なくなったからこそ
わかりました。

母親は自分の中の基盤。
ですが、決してそこを重視する必要もないのではないか。

難しい問題ですが、苦しんでいる方は
私の話を頭に入れてもらえたら嬉しいです。

親も、最初から親なわけではなく
1人のただの人間なのだと言う事を。

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